こんにちは。今回はDropboxの電子署名機能「Dropbox Hellosign」についてご紹介します。
電子署名とデジタル署名とは
電子署名とは
電子署名は、法的拘束力のあるオンラインでの署名のことを意味します。ドキュメントの署名を紙とペンを使わずに印鑑に相当するもので、欧州連合、英国、米国、カナダ、その他世界の多くの地域で認められています。
デジタル署名とは
電子署名と似ている言葉で、「デジタル署名」があります。
この2つの言葉は同じ意味として使われることが多いですが、実は違いがあります。
デジタル署名とは公開鍵暗号方式を使用した、ドキュメントを認証するための方法です。署名したのが本人であること、そのドキュメントが改ざんされていないことを証明出来るため、信頼性の判断、完全性の確保が出来ます。
つまり、「デジタル署名」を用いて、オンラインで行う署名が「電子署名」ということになります。
電子署名のメリット
ここでは電子署名を利用するメリットについてまとめます。
コスト削減
- ペーパーレス化
- 収入印紙代・郵送代・インク代・印刷代など
- 印鑑不要
効率化
- 場所の制限を受けない(出社不要/テレワーク推進)
- 業務フローの時間短縮(出社不要/郵送不要)
- 時間の制限を受けない
- 書類管理・整理の簡略化
セキュリティ
- ドキュメント追跡可能
- 作成者・日時証明
- なりすまし・改ざん防止
ユースケース
ユースケースは人事とオンボーディング、不動産、販売、保険、教育まで複数の業界にわたっています。
電子署名を用いることで、多様な署名プロセスによる業務フローの改善します。
業界 | ユースケース |
---|---|
人事/オンボーディング | 社員のオンボーディング、源泉徴収票/就労資格証明書、認証、雇用契約書、NDA |
不動産 | 賃貸契約書または管理組合の決議書 |
購買/販売 | 販売契約書、RFP、調達契約書 |
貸付金保険/税務 | 税務、保険、財務関係の書類(融資契約書または与信取引申請書など) |
教育 | 入学契約書、学費援助、資金調達、キャンパスでの行事、奨学金、雇用契約書、親権者の承諾書 |
非対面
- NDA(秘密保持契約)
秘密保持契約は企業同士で取引をする際に情報漏洩を防ぐために締結するものです。
その際に秘密保持契約書を作成します。
これを電子署名を用いれば、時間短縮になり業務を効率化できます。
対面
- 申込書
スポーツジムやスキーリゾートなどで使用される同意書や申込書など、顧客とクライアントが対面で書類に署名するような場面を目にする機会も多いかと思います。
最近はそれをタブレット端末などで行うことも少なくありません。
あらかじめ端末にHellosignで発行されるサイン用リンクを保存すれば、お客様と同席しているその場で申込書類などにサインしていただくことが簡単にできます。
- 入社
特に大きい会社などで多くの社員の入社手続きをする際、電子署名を使うと手続きを効率的に進めることが出来ます。
コスト削減もでき、手続き漏れも防ぐことが出来ます。
製品紹介
電子署名のDropboxのクラウドソリューションが
この記事でご紹介する「Hellosign」です。
Dropboxと統合されており、Dropboxアカウントがあれば無償版の対象となります。
Dropboxから右クリックで「共有」から「送信して署名をもらう」があります。
この「送信して署名をもらう」がHellosignです。ここをクリックすることでこちらからもHellosignを使うことが出来ます。
Web App
サイトへの埋め込みを使用しない場合や、コーディングを行いたくない場合は、
電子署名機能セットのHelloSign が適しています。
詳しい紹介は、次の章の「サービス紹介」でご紹介しますが、電子署名・契約に必要な機能がそろっています。
パソコンまたはクラウド ストレージ アカウントから、署名が必要なドキュメントを HelloSign にアップロードし、署名を依頼をします。リンクを記載したメール通知が署名者に送信され、署名が出来ます。
Hellosignは、DropboxをはじめとしてGoogleやSalesforceなど様々なCloudサービスと連携することが可能です。他のサービスから署名依頼をすることもできます。
利用可能プラン
現在こちらのプランを利用することが出来ます。
API
サイトへの埋め込みを行う場合やワークフローに組み込むことができ、電子署名機能が必要な場合はHelloSign APIです。
豊富な機能を簡単に導入できるため様々な開発に適しています。
料金プラン
現在こちらのプランを利用することが出来ます。
特徴
APIの特徴をいくつかご紹介します。
サイト内埋め込みに対応
署名者と送信者が統一された作業を行うことができます。
署名率を最大化するためにシンプルなプロセスになっています。
専門の開発サポートチーム
HellosignがAPIを重視しているため、開発もサポートも優先して行っています。
テンプレート
ユーザ独自のwebサイトで再利用可能なテンプレートを作成可能です。
ホワイトラベリング
ほとんどの電子署名サービスではそのサービスのロゴを削除することはできませんが、Hellosignはホワイトラベリングです。色からロゴまで署名エクスペリエンス全体に対してブランド設定できます。
サービス紹介 - 使ってみた! –
この章ではHellosignのサービスを、実際に使ってみましたのでご紹介します。
署名依頼をする
利用したいプランを選択し、アカウントを発行してください。
HelloSign公式サイトの右上「ログイン」からログインします。
ログイン画面が表示されたら、Google 情報でログイン、または Dropbox 情報でログイン、またはメールアドレス+パスワードでログインします。
正常にログインできると、以下のような HelloSign 初期画面が表示されます。
署名依頼を作成します。
ログインページから「署名または送信」をクリックします。
テンプレートをあらかじめ作成し、そこから作成することもできます。
テンプレート作成の方法はこの章の最後に記載します。
「ファイルをアップロード」を選択し、該当のドキュメントをアップロードします。
Dropbox や他のオンラインステージから選択することもできます。
アップロードが正常に完了すると、以下のように下部にファイル名が表示されますので、[次へ]をクリックします。
ドキュメントに署名する人を指定します。
自分の署名だけを追加したい場合は、ここで「署名者は自分のみです」を選ぶと、メールを送信せずに自分の署名を追加できます。
第三者に署名を依頼したい場合は、依頼する相手の名前とメールアドレスを入力します。
アップロードしたドキュメントのどの部分に署名フィールド(署名欄)を設定するかを決めます。
署名者フィールドを作成したい場合は「署名」を選択したまま配置したい場所にドラッグします。
署名フィールドの設定が完了したら、送付者の名前とドキュメントのタイトルを設定します。
署名者以外の宛先に CC(コピー)を送ったり、メッセージを添えたりすることもできます。
設定が終わったら、「署名を依頼」ボタンをクリックして送信完了です。
署名依頼を受ける
署名依頼は、依頼者が指定したメールアドレスに以下のような形で届きます。
メール本文に書かれている「確認して署名」ボタンをクリックします。
以下のようにドキュメント画面に遷移します。
「はじめる」ボタンを押すか、スクロールして下部を表示させると、署名入力欄が表示されます。
署名するには、「クリックして署名を入力」の部分をクリックします。すると、以下のような画面が表示されます。
署名方法は、①手書き、②キーボードで入力、③写真の画像を利用、のいずれかを選択できます。
表示されている署名スペースに手書きで名前を書き、[挿入]ボタンをクリックします。
署名を挿入後、ドキュメントの全体を再度確認することが可能です。
挿入した署名を編集したい場合は、署名をクリックしてやり直しができます。
問題なければ[次へ]ボタンをクリックして進みます。
最後の確認画面で「同意する」ボタンをクリックすることで署名が完了します。
テンプレートの作成方法
ログイン画面で「テンプレート」を選択します。
「ファイルをアップロード」からテンプレートを作成したいドキュメントを選択し「次へ」をクリックします。
役割を入力し「次へ」をクリックします。
署名を入れたい場所にボックスを配置します。
必要項目を入力し、「テンプレートを保存」をクリックします。
その後のテンプレートリンクの作成手順は、テンプレートの作成手順と同じで最初だけがちがいます。
作成が完了すると以下のように「リンクをコピー」という表示が確認できます。ここからいつでもリンクが使用できます。
他社製品比較
現在は多くの電子契約ツールががあり、契約する双方が同じサービスを使用していなくても署名・契約が可能です。
Hellosignと他4社の電子契約署名ツールを比較してみました。
電子署名サービスを選ぶ際には料金や機能、使いやすさなどニーズに合わせて検討してください。
HelloSign | A社 | C社 | D社 | |
---|---|---|---|---|
月額料金(Webapp) | STANDARD ¥2800/月 PREMIUM¥4400/月 |
小規模版 ¥4270/月 ビジネス版非公開 |
Light ¥10,000/月 Corporate ¥28,000/月 Enterprise非公開 |
Standard $25/月 Business Pro $40/月 |
署名料 | 0円 | 0円 | ¥200/件 | 100署名超えると別途課金 |
無料プラン | 〇(月3件まで) | △(7日間のみ) | 〇 | △(30日間のみ) |
テンプレート | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
テンプレートリンク | ○ | ✕ | ✕ | ✕ |
タイムスタンプ | 〇 | 〇 | 〇 | ✕ |
多数宛先の一括送信 | 〇 | 〇 | ✕ | 〇 |
署名者の添付資料 | 〇 | ✕ | ✕ | 〇 |
高度なブランド設定 | 〇 | ✕ | ✕ | 〇 |
日本における知名度 | ✕ | ○ | ◎ | ◎ |
監査証跡 | 署名ファイルに結合 | 別ファイルに保存 | 別ファイルに保存 | 署名ファイルに結合 |
まとめ
近年、リモートワークをする企業が急激に増えています。なかなか出社できない状況も多いかと思います。
端末で管理可能な電子署名サービスを用いることで、従来の書面と捺印での契約に比べ、作業効率・契約締結までのスピード・書類管理が格段に上がります。今後、電子署名を利用する企業も増えるのではと予想されます。
その中のサービスの一つとして今回は「HelloSign」についてご紹介しました。