AWS BuilderCards のルールをわかりやすく解説してみた

こんにちは、佐藤です。

AWS のサービスやアーキテクチャ、全然覚えられないなんてことありませんか…?

私も最初は「IAM って何?」「S3 って何?Storage Service…?」など、専門用語の洪水に溺れそうになりました…笑

そんな悩みを解決してくれるのが AWS BuilderCards です。

今回は、このカードゲームのルールについて、初めての方でも理解できるように解説していきます。

1. AWS BuilderCards とは

AWS BuilderCards は、AWS が提供するサービスやそれらを組み合わせたアーキテクチャを楽しく学ぶことができるカードゲームです。

各カードには QR コードがついており、スキャンするとそのカードが表すサービスやツールについて詳しく学べる仕組みになっています。

ゲームの基本情報

  • プレイ人数: 2〜4人
  • プレイ時間: 20〜30分
  • 対象: AWS サービスに興味がある方、IT 専門家、クラウド技術を学習したい人

2. カードの種類と役割

AWS BuilderCards には主に 3 種類のカードがあります。

① スターターカード(Starter Cards)

スターターカードはプレイヤーごとに色分けされた 10 枚のセットで、オンプレミス環境を表します。右上隅にグレーの S-アイコン(Starter の「S」)がついており、ゲーム開始時に各プレイヤーの初期手札となります。

ちなみに第 2 版では、オンプレミスカードの名前が「より多様なオンプレミス IT 環境を反映するように」という変更がされて、Virtual Machine カードとの新しい組み合わせ効果も追加されているんです!

② Well-Architected カード

Well-Architected カードは、ゲームの獲得ポイントとなるカードです。1 ポイントと 3 ポイントの 2 種類があり、最終的にこのカードを集めることがゲームの勝利条件になります。

ちなみに、プレイヤー数によって使用するカード数が変わる点に注意が必要です。(右上の赤い□をチェック)

  • 2 人プレイ:2 人用アイコンのカードのみ
  • 3 人プレイ:2 人用・3 人用アイコンのカード
  • 4 人プレイ:すべてのカード

③ ビルダーカード(Builder Cards)

ビルダーカードは、AWS サービス、認証、ツール、フレームワークなどを表すカードです。これらはクラウド環境を表しており、アーキテクチャ構築の基本となります。

このカードには QR コードが記載されており、スキャンするとそのトピックについて詳しく学べます。ゲームをしながら AWS の知識を身につけられるのが大きな特徴です。

3. ゲームの準備

実際にゲームを始める準備をしていきましょう。

  1. 各プレイヤーは好きな色のスターターカード 10 枚を受け取ります(4 色あるので最大 4 人までプレイ可能)
  2. プレイヤー数に応じて Well-Architected カードを用意します(1 ポイントカードを 3 ポイントカードの上に置きます)
  3. ビルダーカードをコストなし(無料で取れるカード)とコストあり(クレジットが必要なカード)の 2 つの山札に分けます
  4. コンソール(取り札)を作ります:
    • コストなしの山札から 4 枚
    • コストありの山札から 1 枚
    • 同じカードが出たら重ねて、常に 5 種類のカードが並ぶようにします
  5. 各プレイヤーは自分のスターターカード 10 枚をシャッフルし、5 枚を手札に取ります

これで準備完了です!

クレジットってなーに?
突然出てきた「クレジット」という単語、聞きなじみがないと思います。
クレジットとは、このゲーム内でコンソールからビルダーカードをとるための「通貨」のようなもの。
ビルダーカードのうち右上にオレンジ色の数字が書いてあるものは、獲得するためにクレジットが必要なカードです。
そのクレジットを獲得するためには、手札にビルダーカードを増やすことが必要となります。
よく見るとビルダーカードの中心にオレンジ色の数字があると思いますが、手札にある時にこの数字を使ってコンソールからカードをとることが可能です。
クレジットが必要なカードは他のものとは異なり、試合を有利に進められる特性を持ったカードが多いので試合のカギを握るかも…?

4. ターンの進め方 – 3 つのフェーズ

各ターンは 3 つのフェーズで構成されています。

フェーズ 1:ビルド

このフェーズでは、5枚の手札からカードを出してアーキテクチャを構築していきます。

オンプレミスカードの処理: ターン開始時に、手札 5 枚のうちビルダーカードがオンプレミスカードより多い場合、オンプレミスカード 1 枚を捨てることができます。(その際は4枚の手札でビルドしていきます!)。

自分の手札からオンプレミスのカードを減らしていくことでビルダーカードが占める割合が高くなり、5枚の手札の中にビルダーカードが増える(ビルドに使用できるサービスが増える)というわけですね!

 

アーキテクチャの構築: 手札からカードを場に出してアーキテクチャを作ります。アーキテクチャは最低 2 枚のカードで構成されますが、単体カードの配置も可能です。

カードの効果
カードを引く効果 (?):追加で山札からカードを引き、手札を増やすことができます
クレジット追加 (?):そのターンで使えるポイント(ビルダーカードの右上の数字)が増えます
クラウド追加獲得 (☁️):コンソール(取り札)からカードを追加で取れます
効果使用後に捨てる (?):一度だけ効果を使えるカードです(効果を発動したらそのカードは使用不可に…)

わかりづらい用語をまとめてみましたのでご参考までに!

クレジット(?):手札を増やすためのポイント。手札の合計値がポイントになり、コストありカードの購入に使います
コストなし/ありカード:無料で取れるカードと、クレジットが必要なカード(右上に数字がある)
クラウド獲得(☁️):コンソール(取り札)からカードを取得する行為。基本 1 ターン 1 回!

特定のカードを組み合わせると追加効果が発生するコンボ効果もあります。ただし、そのターンで組み合わせたカードは取り消しできないので注意しましょう。

ワンポイントLesson:ビルド時にアーキテクチャを説明してみよう!
ビルド時には複数のサービスを用いてアーキテクチャを構築すると思いますが、その際にアーキテクチャを宣言するようにしてみましょう!

「本プロジェクトでは○○を実現するシステムを構築します。具体的には~~と××を組み合わせて…」
のように、プロジェクトの報告風に宣言できればばっちり!
最初は難しいと思うので「~~と××を組み合わせて○○できるようにします。」のような形でもOKです!
とにかく大切なのは、自分が作ったシステムがどんなもので、それぞれのサービスがそのシステムの中でどんな役割を果たしているのかを説明できるようになることです!!

フェーズ 2:カード獲得

このフェーズでは、ビルドしたアーキテクチャを活用しつつ、コンソールからカードを 1 枚獲得します。
ビルドできたアーキテクチャによって次のどちらかの行動を選択します。

  • コストなしのビルダーカードを獲得
  • または、クレジットを使ってコストありのカード(ビルダーカードまたは Well-Architected カード)を獲得

使用できるクレジット数は、配置したカードの合計クレジット数です。
下のようにS3とCloudFrontを出した場合はクレジットは4ということになります!

各プレイヤーはターンごとに基本 1 回のカード取得が可能ですが、コンボ効果によっては複数枚取得することも可能です!

獲得したビルダーカードは手札と一緒に捨て札に、Well-Architected カードはプレイヤーエリアに配置します。

ちなみに、コンソールに良いカードがなければコストなしの山札から直接 1 枚引くこともできます!ですが、その場合は引いたカードを返すことはできません。

フェーズ 3:ターン終了

カードを獲得したら、次のターンに向けて準備をしてターン終了となります。

  1. アーキテクチャと残りの手札をすべて捨て札に置きます
  2. リソース山札から新たに 5 枚のカードを引きます
  3. 山札がなくなったら捨て札をシャッフルして新しい山札にします

ここまでが1ターンの流れです!

5. ゲームの終了と勝利条件

最後の Well-Architected カードが取られ、すべてなくなったらゲーム終了となります。

各プレイヤーは獲得した Well-Architected ポイントを合計し、最も多いプレイヤーが勝者です。同点の場合は、ビルダーカードの数が多いプレイヤーが勝ちます。

ゲームはだいたい 20〜30 分で終わるように設計されていますが、最初は40~50分ほどかかってしまうというのが正直なところです…AWSを学ぶという意味を込めて最初は丁寧にやってみることをお勧めします!

6. まとめ

AWS BuilderCards 、カードゲームだからと言って侮れませんね…

このゲームを通じてこんなことを学ぶことができます。

AWS サービスの基本概念が自然と身につく:Lambda、S3、EC2 などのサービスの役割や関連性を理解できます
アーキテクチャを設計を学べる:どのサービスを組み合わせるとよいのか、実践的な知識が身につきます
Well-Architected フレームワークへの理解が深まる:AWS の設計原則やベストプラクティスを学べます

私自身、最初はルールが少し複雑に感じましたが、1〜2 回プレイすると以外にもすぐになれました!

ぜひ皆さんも、同僚や友人と AWS BuilderCards を楽しみながら、クラウドの知識を深めてみてください!

7. 参考資料

1. FAQ

スターターカード(オンプレミス)ばかりのときにアーキテクチャを組めないけど、カードの獲得はしても大丈夫?
はい、問題ありません!ほかにも手札5枚で組むことのできるアーキテクチャがない場合にも、
コストなしのカードであれば獲得することが可能です!
 
獲得したカードはいつから使えるの?獲得してその場でアーキテクチャに加えることは可能?
そのターンではアーキテクチャに加えることはできません。次回以降のターンから使用することができます。
カードを獲得したら自分の持っている手札5枚と合わせて捨て札に置き、山札から新たに5枚の手札をとります。
山札がなくなり捨て札をシャッフルして山札とした際に、先ほど獲得したカードが手札に入るようになる、という流れです!
 
ビルダーカードの効果に記載のないサービス同士をつなげてアーキテクチャを作っても大丈夫?
はい、可能です!
ゲームに参加しているメンバーが納得するアーキテクチャやサービスの組み込み方であれば、カードに記載のない組み合わせ方をしても問題ありません。
ただし、AWSの経験値の差が表れやすいので全員が中級者レベルであることが望ましいです。
 

 

著者について
佐藤優音

AWSに興味をもってもらうきっかけになれることを願って、ブログを書いています。

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