こんにちは。SCSK石原です。
EC2のM1 Macインスタンスを触る機会がありましたので、ベンチマークソフトを利用して性能測定をしてみました。このEC2インスタンスではM1 Mac miniが物理的に動いているそうです。Mac miniをそのままデータセンターに突っ込んでしまうAWS様、やることがすごいです!!
このインスタンスのスペックは下記の通りです。市販のMac miniと基本的に同じだとは思いますがせっかくなので性能測定していきます。
CPU/GPUなど | M1(CPU 8コア,GPU 8コア,Apple Neural Engine 16コア ) |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 8Gbps EBS |
ネットワーク | 10Gbps VPC |
OS | AMI提供(macOS Big Sur バージョン 11,macOS Monterey バージョン 12 ) |
起動~接続まで
クラスメソッド様にて有用な記事がありましたので、こちらを参考にしました。
公式の手順は下記になります。
スペック計測
では早速、スペックの測定に入っていきます。
GeekBench 5(CPU)
まずは、GeekBench 5を利用させていただいて、ベンチマークスコアを取得します。結果は下記の通りです。
Mac mini(late 2020)のスコアを事前にざっと確認したところ、マルチコアのスコアが「7400~7800」くらいでした。結果はいかに・・・
OpenCL Score | 19030 |
Single-Core Score | 1766 |
Multi-Core Score | 7746 |
おおむね想定通りの結果となりました。
Cinebench R23(CPU)
次はCinebench R23を利用してベンチマークを取得しました。事前にSCSK木澤さんのMacbook Air(M1)にて計測いただいており、バッテリー駆動でマルチコアの結果が6500だと聞いておりました。
結果はいかに、、、
CPU (Multi Core) | 7737 |
CPU (Single Core) | 1523 |
M1 Macとしては良いスコアが出たのではないでしょうか。データセンタに置いてあるということで、電源や排熱がよくMacの住環境は良いものとなっているのかもしれません。
AmorphousDiskMark 4.0(ストレージ)
次にストレージ速度を計測していきます。MacインスタンスといえどEC2ですので、もちろんEBSがアタッチされます。
インスタンス作成時はgp2 100GBで作成しておりました。結果は以下の通りです。
うーむ、、普段Macに積んであるSSDが高速な分、ストレージの遅さが際立っているように感じました。ただし、これはEC2なのでどうにでもなります。今回はストレージをgp3に変更して再度計測しました。
gp3の設定は下記の通りです。
ボリュームタイプ | 汎用SSD(gp3) |
サイズ | 100 GiB |
IOPS | 3000 |
スループット | 500 MiB/秒 |
では結果を見てみましょう。
読み書き、IOPSともに設定した値に近いものとなりました。gp2 100GBだと、ややもっさりした感じがしていたので、ある程度速度の出るストレージをアタッチすることをお勧めします。
ちなみに、M1チップではないですが比較用に私のMacbook Air(late 2018)のスコアも置いておきます。
スピードテスト(インターネット速度)
下記の2種類でインターネット速度を計測しました。
計測方法 | 下り | 上り |
Google Internet speed test | 4561 Mbps | 2742 Mbps |
fast.com | 6.1 Gbps | 1.9 Gbps |
今回バージニアリージョンにEC2を作成しているため、スピードテスト実施のサーバはアメリカのものが利用されています。せっかくなので、東京にあるサーバでもスピードテストを実施してみました。
計測方法 | 下り | 上り |
speedtest.net(i3D.net-Tokyo) | 621 Mbps | 398 Mbps |
speedtest.net(fdcservers.net-Tokyo) | 1874 Mbps | 692 Mbps |
ping値が170ms前後と物理的な位置が遠いため、レイテンシが大きいです。Macインスタンスの画面描画なども遅延を少なからず感じる場面が多くありました。
終わりに
所有していないMac mini(late 2020)をAWS上で利用できる体験は非常に楽しかったです。また、非常に欲しくなりました。
ベンチマークテストを通して、本当にMacが動いているんだと実感がわきました。iPhoneやMac向けの開発などにぜひご活用ください。