第1回 HAクラスタウェア「LifeKeeper」で可用性を高めよう!

こんにちは、SCSK株式会社の池田です。

みなさん、HAクラスタウェアの「LifeKeeper(ライフキーパー)」という製品をご存じですか?
「LifeKeeper」は、OS自体や、Red hat Enterprise Linux や Windows Server上の任意のアプリケーションの可用性を高める、今流行りのBCP対策(※)ぴったりの製品なんです!

(※)BCP:Business Continuity Planningの略で事業継続計画のこと

今日は、この「LifeKeeper」についてご紹介しますね

LifeKeeperってナニモノ??

LifeKeeperとは、サイオステクノロジー社が販売する日本国産(※)のHAクラスタウェアです。
(※)Linux版の開発主体が日本国内に、Windows版の開発主体は米国にあります。

「サイオステクノロジー」という会社名を始めて聞くかたもいらっしゃるかと思いますが、四半世紀以上前の1997年に創業、黎明期のLinuxを推進するビジネスからスタートして以来、今回ご紹介するLifeKeeperの開発やOSSに強みを持つ、東京に本社を置く企業なんです。

弊社とは、2004年12月にパートナー契約を結んで以来20年近くに渡って、LifeKeeperに関する技術情報の共有を密に図りつつ、時には共同開発検証するなどして歩んできました。

さてもう一つ聞きなれない「HAクラスタウェア」というキーワードが出てきました。

解りやすく説明しますと、
まず2台のサーバを用意して、片方を稼働系(Active)、もう片方を待機系(Standby)として構成しておきます。
普段ユーザは稼働系を使ってるんですが、稼働系サーバのミドルウェアで障害が発生した時に、待機系でミドルウェアを起動して、接続先のIPアドレスも待機系に移すことでシステムの継続性を担保するミドルウェアのことなんです。

イメージにするとこんな感じです。

一番左の絵が正常時の状態で、クライアントは稼働系サーバに接続していますね。次に真ん中の絵で稼働系サーバに障害が発生しています。それを検知した待機系サーバでミドルウェアを起動させるんです。クライアントは同じIPアドレス(VirtualIP(バーチャルアイピーって言います))に接続しているから、一度は接続が切れますが、待機系サーバに切り替わったことには気が付かないんです。

この切り替わりの処理のことを「フェイルオーバー」と言うんです。

サーバが1台だけですと、障害が起きた時にシステムが使えなくて、お客さんも困るし、運用保守する人も急いで復旧させないといけないから焦ってしまいますよね。

LifeKeeperがあれば、そんな不安も一気に解消ね!

どうしてLifeKeeperがお薦めなの?

数あるHAクラスタの中でも、LifeKeeperの強みってなんだろう

HAクラスタ製品はいろいろとあるけれど、LifeKeeperが優れているポイントがいくつかあるよ

(1)コア課金と違って、サーバ単位の課金だから、スケールアップもしやすいよ
(2)様々なアプリケーションに対応したオプション製品があるから構築が早くて安価だよ
(3)GUIが判りやすいから、運用しやすいよ
(4)サポートが全て日本語で受けられるよ
(5)Linux版は開発元が日本にあるから、要望が受け入れられやすいよ

開発元が日本っていうのが安心ね

どんな時にフェイルオーバーが起きるの??

LifeKeeperがあれば、お客さんもシステム運用する人も皆が安心できることが解りましたね。
さて次は、どんなことをきっかけにフェイルオーバが起きるのかを解説します。

フェイルオーバーのきっかけとなるチェックは大きく2つあります。

(1)対向サーバの死活状態チェック
(2)自サーバ上のミドルウェアの死活状態チェック

(1)の対向サーバの死活状態チェックのイメージ


コミュニケーションパスと呼ばれる回線を使って、相互に状態をチェックしていて、サーバが応答しない時や、なんらかの原因でコミュニケーションパスが切れた場合に障害と判断して、フェイルオーバが発動するんです。

お互いにサーバの状態を確認しているんだね

 

(2)の自サーバ上のミドルウェアの死活状態チェックのイメージ


自サーバ上のミドルウェアの死活状態をチェックして、正常ステータス以外の場合に障害と判断します。まず自サーバ上で対象ミドルウェアを再起動して、それでも復旧しない場合はフェイルオーバが発動します。

自サーバ上のミドルウェアの状態を確認しているのね

どんな環境で使えるの?

LifeKeeperは、オンプレミス環境や仮想環境はもちろん、Amazon Web Services(AWS)を始めとするパブリッククラウドでも可用性を向上するのに有効なんです。

まとめ

ここまで、LifeKeeperの概要についてご説明しました。

・2台のサーバで構成し、障害時はフェイルオーバすることでシステムを継続利用できる
・チェック方法は、相互にサーバの死活チェックと、自サーバのミドルウェアの死活チェック
・オンプレ、仮想環境はもちろん、最近はパブリッククラウドでも採用

次回は、どんなミドルウェアの可用性を高めることができるかをお伝えしますので、お楽しみに。

著者について
池田 雄介

中学時代にMSXを手に入れ、N88-Basicでのプログラミングを覚える。その後、ユーザ企業の情シスから社会人人生をスタート。100人に1台程度しかパソコンが割り当たっていない時代に、Windows95のパソコンを全国展開、本社、支店、工場のLAN/WAN化を推進。WindowsNTサーバを弄りながら流行りのイントラネットや社外向けのサイト作成・運用など担う。
2002年に現在のSIerへ転職。2007年からオンプレミスや仮想環境を中心としたインフラ基盤の構築に携わり、2013年からLifeKeeperを担当。以来10年以上に渡り、LifeKeeperに携わってきた。
趣味は、草野球、ボウリング、バドミントン、キャンプ、天体観測、ゴルフ、お酒を嗜むこと、ドライブなど

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