こんにちは。SCSK渡辺(大)です。
AWS初心者なので、AWS Summit Japan 2024 は異世界に転生したような気持ちで楽しむことが出来ました。
今回は、Amazon EC2 のコスト効率化に関する推奨事項を提供するサービス を整理してみました。
そろそろ夏なので、熱中症にならないように暑苦しいコストは削っていきましょう。
※当記事では、Amazon EC2 インスタンス = EC2 としています。
EC2のコストを削減する方法
まずはじめに、EC2のコストを削減する方法を考えてみます。
- 無駄な待機課金をなくすために、稼働スケジュールを見直す。
- コストを抑えて利用するために、Reserved Instances/Savings Plans(RI/SP)を購入する。
- 最適な使用率にするために、インスタンスサイズを小さくする。
推奨事項を確認できるサービスとコスト削減方法の関係性
推奨事項を確認できるサービスとコスト削減方法の関係性は次の通りです。
推奨事項を確認できるサービス |
関連するコスト削減方法 | |
Trusted adviser | a,b | |
Compute Optimizer | c | |
Billing and Cost Management | サイズ適正化に関する推奨事項 | c |
Cost Optimization Hub | a,b,c | |
Reserved Instances | b | |
Savings Plans | b |
注意点
すべての推奨事項を実施したとしても、すべての恩恵を受けることが出来るわけではありません。
勘違いしたままだと「思ってた効果が得られなかった!」と悲しい思いをします。
なぜそのようなことになるのか?
理由は2つあります。
- 確認する日によって推奨事項の内容は変わります。
理由は単純で、ルックバック期間がズレるためです。
ルックバック期間とは”過去のデータを何日前まで遡って推奨事項を出すかを決める期間”です。
イメージ図はルックバック期間が60日間の場合です。
おすすめのロードマップ
では、どうしたら良いか?
次のように段階を踏んでいくことで効率良くコスト削減できるかと思います。
(あくまで自論です。コスト削減に答えはありません!)
- RI/SP購入
まずは推定削減額の大きいものから実施します。
ただし、RI/SPの購入しすぎは効果が不明瞭になったり、
アカウントを解約したいのに有効期限前のRI/SPが大量に残ったりするリスクがありますので、
1年後や3年後の利用状況を見据えて計画することが重要です。 - Trusted adviseやCompute Optimizerの設定見直し
ルックバック期間などの設定を見直し、推奨事項の精度を向上させます。 - 推奨事項の再確認
見直した設定が反映され、競合が収まる頃(RI/SP購入から3か月ほど経過した後)に再確認します。
その中から簡単に実施出来る推奨事項を実施します。 - 継続的なコスト削減の運用化
1と3を繰り返し継続的なコスト削減を図ります。
また、必要に応じて、2の設定見直しも実施します。
EC2のコスト効率化に関する推奨事項を提供するサービス
続いて、EC2のコスト効率化に関する推奨事項を提供するサービスを見てみましょう。
なお、当記事ではサービスの概要と確認画面にフォーカスし、推奨事項の細かい説明は煩雑になるため割愛します。
Trusted adviser
各種リソースのベストプラクティスを支援してくれるサービスです。
AWS自体の知見と利用状況を組み合わせて分析してコスト最適化の推奨事項を提案してくれます。
コスト最適化の他にも、パフォーマンスやセキュリティなどの最適化の観点で推奨事項を提案してくれます。
推奨事項は次の画面から確認することができます。
Trusted adviser > コスト最適化 > 「即時の対応が推奨されるアクション」または「調査が推奨されます」を選択
Compute Optimizer
各種リソースの最適化に関する推奨事項を提案してくれるサービスです。
CPU使用率などのメトリクスを分析してコスト最適化の推奨事項を提案してくれます。
推奨事項は次の画面から確認することができます。
Compute Optimizer > ダッシュボード
下にスクロールします。
EC2 インスタンス > 過剰なプロビジョニング
Billing and Cost Management
Billing and Cost Management は請求とコストの最適化に役立つ機能を提供するサービスです。
利用状況を分析してコスト最適化の推奨事項を提案してくれます。
サイズ適正化に関する推奨事項
こちらはレガシーページのためAWS推奨ではありませんが、2024年7月時点でまだ確認できるためご紹介します。
推奨事項は次の画面から確認することができます。
Billing and Cost Management > レガシーページ > 規模の適正化 > サイズの適正化に関する推奨事項
Cost Optimization Hub
Cost Optimization HubはAWS推奨です。
Compute Optimizerなどの推奨事項を一元化してくれます。
つまり、「各サービスの推奨事項は競合します。」という注意点は、このサービスが解消してくれます。
「じゃあ、これだけ見れば良くないか?」と思うかもしれませんが、全てのリソースをサポートしているわけではありません。
ですので、他のサービスと併せて確認するのが良いかと思います。
なお、”サポートされているリソース”については、ユーザーガイドをご確認ください。
推奨事項は次の画面から確認することができます。
Billing and Cost Management > コスト最適化ハブ
Reserved Instances
推奨事項は次の画面から確認することができます。
Billing and Cost Management > 予約 > 推奨事項
Savings Plans
推奨事項は次の画面から確認することができます。
Billing and Cost Management > Savings Plans > 推奨事項
まとめ
お手軽にコスト削減の推奨事項を確認したい場合は、Cost Optimization Hubだけを確認することをオススメします。
全ての無駄コストを根絶やしにしたい場合は、その他のサービスの推奨事項も確認する必要があります。
当記事では推奨事項の細かい説明は割愛してしまったので、物足りない方は「AWS EC2 コスト最適化」で検索してみてください!