![]() |
お久しぶりです。
USiZEサービス部の新人、織田です。
今回は「ITIL」についてまとめた記事です。ITILとは、簡単に言うと「IT運用の指針を提供してくれるフレームワーク」になります。
所属する部の名前にもある通り、私はUSiZEを運用する業務に携わっています。そのため、今後の業務にあたり必要となる考え方をITILを学習することで身に着けられるのではないかと考えました。今回の記事では、学習した内容を簡潔にまとめたいと思います。
それでは早速始めていきましょう!
※ USiZEとは、SCSKが提供するクラウドサービスです。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。
ITIL とは何か?
まず学習にあたり、気になったのが、「ITILとは何か?」です。
一言で大雑把にまとめると初めに述べた通り、「IT運用の指針を提供してくれるフレームワーク」であると思います。
ITILは1980年代後半に初めて登場した考え方であり、時代とともに変わるITシステムの提供形態の変化に合わせて、複数回のバージョンアップが行われています。
そのため、一言でITILについてまとめようとすると、どうしても大雑把な表現になってしまいます。
また、フレームワークという表現を使用しましたが、システム開発に使用されるプログラミング言語のフレームワークとは異なり、IT運用の考え方をまとめた枠組みのようなものになります。
そのため、ITILは多くのIT運用に考え方を適用できるように、抽象的とも感じられる部分が多々あります。
ITIL の歴史
ITILは1989年にイギリス政府の中央電算局(CCTA)によって初期バージョンが公開されました。その後、時代のニーズに合わせて複数回のバージョンアップが重ねられています。以下に主要なバージョンとそのリリース年、主な特徴をまとめました。
バージョン | リリース年 | 主な特徴 |
ITIL | 1989年 | 初期バージョン。30冊以上の書籍で構成され、大規模組織向けに設計されている。 |
ITIL v2 | 2001年 | サービス提供と(Service Delivery)とサポート(Service Support)を明確化している。 |
ITIL v3 | 2007年 | サービスライフサイクルの概念を導入し、IT運用全体をカバーしている。 |
ITIL 4 | 2019年 | アジャイル、DevOps、リーンなど、現代的な手法を統合している。 |
ITIL 4 の特徴
最新バージョンであるITIL 4についてまとめます。
現代のIT運用手法との連携
ITIL v3までが主にウォータフォールモデルによる開発に対応していたのに対し、ITIL 4では、アジャイルやDevOps、リーンなどの最新の手法を統合しています。具体的な効果としては、より迅速なITサービスの提供や効率的な運用が可能となります。
サービスバリューシステム
ITIL 4では、ITサービスの価値創出を「サービスバリューシステム(SVS)」として体系化しています。SVSの主要な構成要素は以下の通りです:
- ガバナンス:意思決定の枠組みを提供。
- 継続的改善:価値を高めるための改善プロセス。
- サービスバリューチェーン:価値を提供する一連のプロセス。
- プラクティス:34のIT管理手法(例:インシデント管理、変更管理、問題管理など)。
- 従うべき原則:組織で意思決定を行うためのガイダンス。
これにより、ITIL v3までのプロセス指向から価値指向へと進化し、柔軟性が向上したことで、変化の激しい現代社会により適したIT運用が可能となります。
※ サービスバリューシステムはこちらのサイトに図として書かれています。
従うべき原則
「従うべき原則」には、さらに7つの項目があります。
- 価値に着目する
- 現状からはじめる
- フィードバックをもとに反復して進化する
- 協働し、可視性を高める
- 包括的に考え、取り組む
- シンプルにし、実践的にする
- 最適化し、自動化する
全部大切な考え方ですが、私が特に重要だと思った「現状からはじめる」について、ここでは特に詳しく説明させていただきます。
「現状からはじめる」は現状の評価と測定、観察を正しく行うことで、再利用可能なものを把握することを目的としています。
例えば、実務で古いシステムを移行しようとした場合、様々な制約事項があり、一から全部を新しく作り直したくなることがあります。
この時ほとんどの場合で、既存のものを活用することで移行に必要となる様々なコストを削減することができます。
ただ、反対に現状からまったく再利用できない場合もあることには注意が必要です。
ITIL 関連情報の収集方法
ここでは情報収集を2種類に分けて紹介します。
公式
ITILの歴史で書いたように、ITILはIT運用をまとめた書籍として提供されています。そのため、ITILの公式から提供される公式書籍(コア書籍)があります。このコア書籍の入手方法にはいくつか制限があるようなので、この場で簡単にまとめたいと思います。
コア書籍
デジタル版 | 印刷版 |
認定試験にバンドルされる。 ※必ずバンドルされているわけではないことに注意が必要。事前にバンドルされている試験であるか確認が必要。 |
ITILⓇ,PRINCE2Ⓡ公式書籍ショップ(IT&ストラテジーコンサルティング)から購入可能 |
研修
こちらのリンクに記載のある企業によって有料の研修が実施されています。
私は新人研修でもお世話になったトレノケート株式会社が主催する「ITIL(R) 4 Foundation BOOT CAMP」に参加しました。
※ITIL認定資格によっては、試験の事前要件として研修の受講が義務づけられているものもあります。
その他の学習方法
上記の公式から提供される書籍や研修以外にもITILには多数の書籍などがあります。
一般的な入手方法としては、
- Amazonでの書籍の購入
- Udemyでの資格試験対策講座や実務スキルの学習
などがあります。
ITIL 資格について
ITILには、多数の認定資格があります。ここでは、最も基礎となるITIL 4 Foundationについて取り上げて概要をまとめます。
- 試験形式:多肢選択式(オンライン受験可能)
- 試験時間:60分(Foundation)
- 試験費用:Foundationは約68,000~77,000円
- 日本語対応:日本語試験が提供されています。
詳しい試験概要については、こちらのサイトをご覧ください。
- ITIL®4 | PeopleCert – Best Practice by applying(ITILの認定資格の全体像をまとめたページ)
- ITIL®4 Foundation | PeopleCert – Best Practice by applying(ITIL 4 Foundationについてまとめたページ)
まとめ
以上で、今回の記事は終わりです。
私は「ITIL 4 Foundation」の合格を目指して勉強中です。
今回は学習したことのアウトプットもかねて記事を書いてみましたが、まだまだITILについての理解が浅いことを自覚できました。
これを機により一層勉強に励んでいきたいと思います。
もしかしたら、本記事を修正したリベンジ記事を書くかもしれません。