みなさん、こんにちは。
SCSK株式会社の津田です。
今回は前回に引き続きLifeKeeper運用での基本的操作をご紹介します。
LifeKeeperではGUIとコマンドでの操作が可能です。
本記事ではコマンドでの操作をご紹介させて頂きます。
前回のGUI編の記事と読み比べて頂くことで、コマンドでの操作内容や操作感の違いがよりイメージしやすいかと思います。
はじめに
コマンドによる操作の特徴
・LifeKeeper GUIによる基本運用操作では、自サーバだけでなく対向サーバの情報取得や操作が可能でしたが、
コマンドによる操作は、基本的にコマンドを実行するサーバ自身に限定されており、対向サーバに対する情報取得や
直接的な操作はできません。
・操作はTeraTerm等のターミナルやコマンドプロンプトから実行可能です。
(LifeKeeperコマンド格納先(デフォルト) Linux:/opt/LifeKeeper/bin Windows:C:\LK\Bin)
ここではターミナルからのコマンド実行を例にご紹介していきます。
GUI編の記事同様、以下LifeKeeper構成を例にコマンドライン基本操作を紹介していきます。
ステータス確認
/opt/LifeKeeper/bin/lcdstatus -e でリソースのステータス確認ができます。
※ステータス確認を行いたいサーバでコマンド実行が必要です。
以下を参考に「STATE」項目でステータス情報の確認ができます。
GUIではアイコンからステータスが確認できましたが、CLIではアルファベット(略語)で表示されます。
リソース停止起動
全リソース停止
LifeKeeperで制御している全リソースの停止方法をご紹介します。
※LifeKeeperのサービス自体は停止されません。
※リソース停止を行いたいサーバでのコマンド実行が必要です。
※今回のLifeKeeperの構成のように依存関係(リソースツリー)を作成している場合、
リソース階層に基づき最上位のリソースから停止対象のリソースまでが順番に停止されます。
稼働系で/opt/LifeKeeper/bin/perform_action -t <最下位リソース> -a removeを実行すると稼働系で起動中の全リソースが停止します。
そのため本構成でいうと「httpd」リソース単体停止、「httpd」と「ip-10.10.5.100」リソースだけ停止、という操作も可能ですが、リソースツリーの途中(「ip-10.10.5.100」リソース)だけ停止させることはできません。
(依存関係がなければ「ip-10.10.5.100」リソースのみの停止も可能。)
全リソース起動
LifeKeeperで制御している全リソースの起動方法をご紹介します。
※リソース起動を行いたいサーバでのコマンド実行が必要です。
※今回のLifeKeeperの構成のように依存関係(リソースツリー)を作成している場合、
リソース階層に基づき最下位のリソースから起動対象のリソースまでを順番に起動できます。←停止とは逆向きの動作になります!
/opt/LifeKeeper/bin/perform_action -t <最上位リソース> -a restore -b を実行すると全リソースが起動します。
/opt/LifeKeeper/bin/lcdstatus -eで全リソース起動を確認できます。
本構成でいうと「lbhc-12345」リソース単体起動、「lbhc-12345」と「ip-10.10.5.100」リソースだけ起動、という操作も可能ですが、リソースツリーの途中(「ip-10.10.5.100」リソース)だけ起動させることはできません。 (依存関係がなければ「ip-10.10.5.100」リソース単体停止も可能。)
LifeKeeper停止起動
LifeKeeperのサービス停止起動は、LifeKeeper GUIではできない操作になります。
LifeKeeper停止
LifeKeeperのサービスを停止する方法をご紹介します。
※LifeKeeperで制御している全リソースも停止します。フェールオーバは発生しません。
※LifeKeeperのサービスを停止したいサーバでのコマンド実行が必要です。
/opt/LifeKeeper/bin/lkstopを実行するとLifeKeeperサービスが停止します。
LifeKeeperサービス確認コマンド/opt/LifeKeeper/bin/lktestを実行すると何も返らない状態(⇒LifeKeeper停止)となります。
LifeKeeper起動
LifeKeeperのサービスを起動する方法をご紹介します。
※LifeKeeper停止時のリソース起動状態を保持します。
※LifeKeeperのサービスを起動したいサーバでのコマンド実行が必要です。
/opt/LifeKeeper/bin/lkstartを実行するとLifeKeeperサービスが起動します。
LifeKeeperサービス確認コマンド/opt/LifeKeeper/bin/lktestを実行するとLifeKeeper常駐プロセスが表示されます。
スイッチオーバ・スイッチバック
スイッチオーバ
稼働系から待機系に起動中のリソースを手動で切り換える方法をご紹介します。
※スイッチオーバ先(待機系)でのコマンド実行が必要です。
※今回のLifeKeeperの構成のように依存関係(リソースツリー)を作成している場合、
稼働系の最上位リソースから最下位リソースの順番に停止、待機系の最下位リソースから最上位リソースの順番に起動することでスイッチオーバします。
スイッチオーバ先で/opt/LifeKeeper/bin/perform_action -t <最上位リソース> -a restoreを実行すると全リソースが起動します。
/opt/LifeKeeper/bin/lcdstatus -eで確認すると、スイッチオーバにより待機系のリソースがアクティブ(ISP)状態になっています。
稼働系のリソースはスタンバイ(OSU)状態になります。
スイッチバック
待機系から稼働系に起動中のリソースを手動で切り戻す場合もスイッチオーバと同様の手順となります。
※スイッチバック先(稼働系)でのコマンド実行が必要です。
スイッチバック先で/opt/LifeKeeper/bin/perform_action -t <最上位リソース> -a restoreを実行すると全リソースが起動します。
/opt/LifeKeeper/bin/lcdstatus -eで確認すると、スイッチバックにより稼働系のリソースがアクティブ(ISP)状態になっています。
待機系のリソースはスタンバイ(OSU)状態になります。
さいごに
今回はコマンドによる基本的な運用操作についてご紹介しましたが、操作イメージを持って頂けましたでしょうか?
LifeKeeper GUIは視覚的に分かりやすく直感的な操作が可能ですが、今回紹介したLifeKeeper停止起動のようにGUIではできない操作もあります。コマンドでは、こうした操作に加え、スクリプトやバッチ処理への組み込みが可能であり、運用の自動化や効率化にもつながります。GUIとコマンド、それぞれ状況に応じて使い分けて頂くことでより柔軟な運用が可能になるかと思います。