2024年6月4日にリリースされた最新バージョンであるZabbix 7.0 LTSへ、5.0 LTSから簡単にバージョンアップしてみたいと思います。
※新規インストールの場合は、以下の記事を参照ください。
Zabbixとは
まずはZabbixの説明を簡単にさせていただきます。
Zabbixは、エンタープライズ対応のオープンソース統合監視ツールです。
サービスやそれを支える ITシステム(サーバ、ネットワーク機器等)の状態を把握し、障害の予兆やサービスへ影響を及ぼす事象が発生した際に、システム管理者やオペレータに通知を行うオープンソースの統合監視ソリューションです。
数万デバイス規模のエンタープライズ環境でも多数の稼動実績を誇っています。
Zabbixの詳細情報については、以下をご確認ください。
バージョンアップ手順
早速、Zabbix5.0から7.0へバージョンアップしていきたいと思います。
今回の構成
今回の構成は以下のとおりです。
- ZABBIX VERSION: 5.0.42
- OS DISTRIBUTION: Red Hat Enterprise Linux
- OS VERSION: 8.2
- DATABASE: MySQL 8.0.36
- WEB/AP SERVER: Apache 2.4.37 / PHP-fpm 7.2.24
- SELinux: 無効
- Firewalld: 無効
関連ミドルウェアのバージョンアップ
各ミドルウェアの対応バージョンは以下の通りです。事前に、Zabbix 7.0の動作が可能なバージョンまで、バージョンアップしておく必要があります。
5.0 LTS | 7.0 LTS | |
---|---|---|
Apache | 1.3.12 or later | 2.4 or later |
PHP | 7.2.0 or later | 8.0.0 – 8.3.X |
MySQL | 5.7.X – 8.4.X | 8.0.30 – 8.4.X |
Zabbix 7.0リポジトリの設定とZabbixのバージョンアップ
Zabbix 7.0 のリポジトリを設定します。
# Zabbix 7.0 リポジトリの設定
rpm -Fvh https://repo.zabbix.com/zabbix/7.0/rhel/8/x86_64//zabbix-release-7.0-1.el8.noarch.rpm
dnf clean all
次に、Zabbix関連のパッケージをバージョンアップします。
# Zabbix関連パッケージのバージョンアップ
dnf update zabbix-agent zabbix-apache-conf zabbix-server-mysql zabbix-web zabbix-web-japanese zabbix-web-mysql
インストールされているZabbixパッケージのバージョンを確認します。
# インストールされているZabbixパッケージのバージョンの確認
dnf list --installed |grep zabbix
これだけで完了です。とっても簡単です!
Zabbix Serverのサービス再起動とデータベースのアップグレード
Zabbix Serverのバージョンアップ後、Zabbix Serverのサービスを再起動すると、自動的にZabbixのデータベースのアップグレードが開始されます。データベースのアップグレード時には、ログに以下のような出力があります。
2623:YYYYMMDD:194015.890 using configuration file: /etc/zabbix/zabbix_server.conf 2623:YYYYMMDD:194015.941 current database version (mandatory/optional): 05000000/05000007 2623:YYYYMMDD:194015.942 required mandatory version: 07000000 2623:YYYYMMDD:194015.942 mandatory patches were found 2623:YYYYMMDD:194015.943 starting automatic database upgrade 2623:YYYYMMDD:194016.159 completed 0% of database upgrade 2623:YYYYMMDD:194017.273 completed 1% of database upgrade 2623:YYYYMMDD:194019.414 completed 2% of database upgrade 2623:YYYYMMDD:194021.865 completed 3% of database upgrade ・・・
5.0 LTSのデータベースバージョン「05000000」であるのに対し、7.0 LTSの「07000000」が必要であると、出力があります。
その後、自動的にデータベースのアップグレードが開始されていることがわかります。
バージョンアップ中の挙動
バージョンアップ中に、以下のような挙動をすることがあります。
データベースのアップグレード中にWeb管理画面を表示
データベースのアップグレード中にWeb管理画面にアクセスすると、Zabbixデータベースのバージョンが要件を満たしていない旨のエラーメッセージが表示されます。
データベースのアップグレードを中断
データベースのアップグレードが中断した場合は、Zabbix Serverのサービスを再起動することで、中断した箇所からアップグレード処理が再開されます。
まとめ
Zabbix5.0から7.0へのバージョンアップは、5.0→6.0→7.0と段階を踏むことなく、5.0から7.0へ、一度で簡単にバージョンアップすることができました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
最後に
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