AWS Certified: SAP on AWS – Specialty のサンプル問題を解いてみた(3/4)

こんにちは、SCSK大口です。

前回の記事では、AWS Certified: SAP on AWS – Specialty のサンプル問題の Question 1 から 4 までを取り上げました。その続きを書きます。

本解説の内容については精査をしておりますが、非公式のものとなります。
各自ご確認お願い致します。

Question 5

問題

SAPテクニカルアーキテクトは、AWSクラウドのSAP HANAデータベースで実行されているSAPアプリケーションの高可用性セットアップに取り組んでいます。
プライマリおよびセカンダリSAP HANAデータベースは、AWSリージョン内の異なるアベイラビリティーゾーンの個別のプライベートサブネットで実行されています。クラスタリングソリューションは、SUSE Linux Enterprise HighAvailabilityExtension を使用しています。
これらのSAPシステムがホストされているVPC CIDRの範囲は10.0.0.0/16です。
ASCS / ERSクラスターに割り当てられているオーバーレイIPアドレスは10.9.9.9です。 SAP HANAクラスターに割り当てられているオーバーレイIPアドレスは10.0.9.9です。
SAP HANAシステムレプリケーションが構成されていますが、SAP HANAデータベースのクラスターソリューションが機能していません。
この問題を解決するには、SAPテクニカルアーキテクトは何をする必要がありますか?

A)SAP HANAインスタンスにパブリックIPアドレスが割り当てられているかどうかを確認します。パブリックIPアドレスが割り当てられていない場合は、パブリックIPアドレスを割り当てて、再試行してください。

B)オーバーレイIPアドレスの割り当てに対応するために、VPCCIDR範囲を10.0.0.0/8に変更します。

C)SAP HANAクラスターのVPC CIDR範囲外にある別のオーバーレイIPアドレスを使用します。

D)クラスターのセットアップが完了した後、SAP HANAシステムレプリケーションを構成します。

解説

SAP用語の解説を以下記載します。
ASCS: ABAP SAP セントラルサービスインスタンス。メッセージサーバとエンキューが含まれたもので、システム構成上、クラスタのグループに入れて、一つ必ず維持する必要があります。
ERS: エンキューレプリケーションサーバのこと。エンキューにはロックテーブルがあるのですが、それがレプリケーションされているサーバのことです。
ASCS と ERS は、対になるように構成しします。

高可用性構成は、以下のリンクにもある以下のような構成なのですが、

SAP on AWS High Availability Setup - SAP HANA on AWS
SAP customers can fully realize the benefit of running mission-critical SAP workloads by building reliable, fault-tolerant, and highly available systems in the ...

この構成の場合、Overlay IP は、VPC CIDR 以外のプライベートIPを使用する必要があります。

よって解答は、 C となります。

Question 6

問題

ある企業は、オンプレミスでテラバイトのデータを使用して SAP S/4HANA を使用して、Financial System を運用しています。 会社は、SAPランドスケープを AWS に移行する必要があります。 オンプレミスのデータセンターは 1Gbps AWS Direct Connect 接続を介してAWSリージョンに接続されています。 同社のネットワーキングチームは、SAP移行プロジェクトで全帯域幅を利用できるようにしています。 SAPソリューションアーキテクトは、ダウンタイムを最小限に抑えるソリューションを実装することにより、オンプレミスシステムを移行する必要があります。
これらの要件を満たすソリューションはどれですか?

A)Amazon S3 Transfer Accelerationを使用して、バックアップと復元を実行します。

B)SAP Software Update Manager(SUM)データベース移行オプション(DMO)をSystem Moveとともに使用して移行します。 AWS Snowballを使用してエクスポートファイルを転送します。

C)SAP HANAシステムレプリケーションを使用します。

D)SAPの従来のエクスポート/インポート(R3loadベース)を使用します。

解説

この場合、S/4HANA が、すでにHANAデータベースになっていて、広帯域の Direct Connect 接続が利用できるので、HANA Replication を利用するのが短時間での移行を可能とします。ですので、解答は、C になります。

SAPをクラウドに移行する手法はいろいろ考えられます。設問にもありますが、バックアップリストアでの移行、SUM の DMO オプションの利用、R3load を利用したデータベースの Export/Import が主な手法です。

SAP HANA は、データベースの高可用性構成として、Replication の機能があるため、広帯域のネットワークが確保できるのであれば、Replication を構成してデータベースを同期し、切り替え時に、Replication を停止し、SAPのインスタンスを構成する方法が短時間でに切り替えを可能とします。

Question 7

問題

企業のSAP本番ワークロードは、VMware vSphere および Microsoft Hyper-V プラットフォーム上のVM上のオンプレミス環境で実行されています。会社はSAPワークロードをAWSに移動する必要があります。SAPソリューションアーキテクトは、オンプレミスのSAP VMをAWSクラウドと並行して移動することを計画しています。
移行ソリューションは、ダウンタイムを最小限に抑え、移行中のSAPシステムのパフォーマンスに影響を与えてはなりません。セキュリティ上の理由から、移行用のツールやエージェントをインストールすることはできません。
これらの要件を満たすソリューションはどれですか?

A)AWS Application Migration Service(CloudEndure Migration)を使用して、軽量レプリケーションサーバーをセットアップします。設計されたブループリントに基づいてAmazon EC2インスタンスを起動して、カットオーバーを実行します。

B)AWS CLI を使用して、VM を OVA ファイルにエクスポートします。 S3 マルチパートアップロードを使用して、OVAファイルをAmazonS3にアップロードします。
ec2import-imageコマンドを使用してOVAファイルをインポートします。

C)AWS Migration HubでAWS Application Discovery Serviceを使用して、サーバー仕様情報を収集します。 Migration Hub コンソールから VM の移行を開始します。

D)AWS Server Migration Service(AWS SMS)を使用して、オンプレミスVMをAMIとして AWS にレプリケートするレプリケーションジョブを設定します。

解説

解答は、Dです。本問題は、SAPの知識は必要なさそうです。AWSの移行ツールの仕様の問題です。

解説では、「AWS Server Migration Service(AWS SMS)は、オンプレミスからの複数のVMの移行をサポートすることにより、この移行のダウンタイムを最小限に抑えます。 このソリューションは、ソースマシンへのエージェントの展開を伴わない唯一の解答オプションでもあります。」とあります。例えば、CloudEndure Migration では、Agent の導入が必要です。設問には、「移行用のツールやエージェントをインストールすることはできません。」とあるので、そのような解答は選べないことになります。

Question 8

問題

ある会社がSAPワークロードをOracleとVMwareで実行しています。 この会社は、プラットフォームをAWSに変更し、SAPワークロードをOracleからSAP HANAデータベースに移行する必要があります。
この目標を達成するために、会社はどのソリューションを使用できますか? (2つ選択してください。)

A)SAP Software Provisioning Managerを使用して、プラットフォームを変更し、SAPワークロードを移行します。

B)プラットフォームを変更し、AWS Application Migration Service(CloudEndure Migration)を使用してSAPワークロードを移行します。

C)システム移動でSAP Software Update Manager(SUM)データベース移行オプション(DMO)を使用して、プラットフォームを変更し、SAPワークロードを移行します。

D)AWS Database Migration Service(AWS DMS)を使用してデータベースを移行します。 AWS Application Migration Service(CloudEndure Migration)を使用してSAPワークロードを移行します。

E)AWSで VM Import / Export を使用して、プラットフォームを変更し、SAPワークロードを移行します

解説

解答は、A と C になります。設問にありますが、SAP社が提供する移行ツールとしては、ここでは以下の2つが取り上げられています。
SAP Software Provisioning Manager (SWPM)
SAP Software Update Manager (SUM) の Database Migration Option (DMO)

ツールの説明は一言では語りきれないので、参考のURLを挙げておきます。

SWPMについては、以下のURLを確認してください

Software Provisioning Manager
The Software Provisioning Manager is...

DMOについては、以下のURLを確認してください

301 Moved Permanently

SAPの環境移行としては、同じSAPのバージョンが同じ、かつデータベースも同じ種類で同じバージョンで環境移行することを通称で、同機種システムコピー(Homogeneous System Copy)と呼びます。

設問にあるように、DB が異なるもの(設問では、Oracle から、SAP HANA)に移行することを(OSが異なる場合でも)、異機種システムコピー(Heterogeneous System Copy)と言います。

前者の場合は、基本的にAWSのツールが活用できます。後者の場合は、SAPのツールを使わないとできないと考えていただくと問題が解きやすいように思います。

SAP HANA へのマイグレーションシナリオは以下にも記載があります。

Migration Scenarios - SAP HANA on AWS
The following table lists the migration scenarios that we will cover in detail in this guide. The tools and methodologies listed in the table were discussed in ...

ここで、記載のある SAP HANA classical migration は、SWPM で実行できるので、SWPM を利用するものと捉えていただくと解答が導けると思います。

次の記事に続きます。

AWS Certified: SAP on AWS – Specialty のサンプル問題を解いてみた(4/4)
新しいAWS認定資格として AWS Certified: SAP on AWS - Specialty の発表ががありました。 SAPの良さや面白さをちょっとでも知ってもらえたらという想いで、サンプル問題のポイントを解説してみたいと思います。
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