2024年2月以降のCatoクラウドの新しいサービス体系、基本サービス、オプション、マネージドサービスについて解説を行います。
これまで(2024年1月末まで)のサービス体系、および新旧の変更内容については以下の記事を参照ください。
基本サービス
Catoクラウドのサービスについては、以下の3つに対して基本料金が発生します。
- 拠点毎のPoP接続帯域、またはPoP接続総帯域
- モバイルユーザ
- Socket
拠点毎のPoP接続帯域、またはPoP接続総帯域
Catoクラウドでは、拠点は”Site(サイト)ライセンス“というものになります。接続する拠点毎の帯域として、25Mbps(最小)から、50M、100M、250M、500M、1,000M、2,000M、3,000M、5,000Mbps、10,000Mbps(最大)まで 10個のメニューが設定されています。
本社・支店・営業所、データセンターなど物理的な拠点だけでなく、AWS、AzureなどのクラウドにもSiteライセンスが必要となります。
契約帯域以上の速度は出ません。それ以上の通信はQoS設定に従い破棄(Discard)されます。
Siteライセンス以外に、接続する複数拠点の総帯域を購入する”Pooled(プールド)ライセンス“というものがあります。Pooledライセンスは、Siteライセンスとは異なり、10Mbps単位で拠点へ分割でき、拠点帯域の増速や減速を行うことが可能です。契約は、1,000Mbps以上(追加単位100Mbps)となります。
もちろん、ひとつのアカウントで、SiteライセンスとPooledライセンスの組み合わせも可能です。
料金は国により異なります。Catoクラウドでは、世界各国を大きく2つのグループ(Group1、Group2)と、単独で価格設定している Stand-alone Countries に分けられています。日本は、Group2 に所属します。
Stand-alone Countries は、中国、ベトナム、モロッコの3ヵ国が対象で、それぞれ国毎に価格設定がされているため、全部で以下の5つの料金体系となります。
- Group1(北アメリカ、ヨーロッパ)
- Group2(日本を含むアジア、オーストラリア、アフリカ、メキシコ)
- Stand-alone Countries(中国)
- Stand-alone Countries(ベトナム)
- Stand-alone Countries(モロッコ)
Group1、Group2、Stand-alone Countriesは以下(世界地図)の通りです。
Stand-alone Countriesについては、先ほどの25M、50M、・・・、10,000Mの 10個のメニュー設定ではなく、国内通信(Regional)/国外通信(Global)をそれぞれ1Mbps単位で契約を行います。ともに最小2Mbps以上の契約が必要。
価格としては(安い)Group1 < Group2 < Stand-alone Countries (高い)となります。
Pooledライセンスは、同じグループ内での分配が可能となっております。
Stand-alone Countries(中国、ベトナム、モロッコ)には、Pooledライセンスはございません。
通常は、SASEライセンスという後述のSocketの利用を前提としたライセンスになりますが、Socketを利用しない(IPsec接続)場合には、より安価なSSEライセンスを適用することも可能となっています。
モバイルユーザ
モバイルユーザ(=SDP※ユーザ)は、アカウント数による課金となります。
※SDP・・・Software Defined Perimeter(ソフトウェア定義境界)は、ZTNAの別名で、従来型のリモートアクセスとは異なり、ゼロトラストの原則に則ったセキュアなリモートアクセスです。Catoクラウドのリモート(モバイル)アクセスを意味します。
Group1、Gropup2については、共通の”Generalライセンス“となります。
Stand-alone Countries(中国、ベトナム、モロッコ)はそれぞれ別のメニュー体系となります。
購入したアカウント数以上はユーザ登録が行えません(エラーになります)
また、予備でGeneralライセンス 5つが付与されています。
SDPユーザは、10ユーザライセンスから購入が可能となります。追加も10ユーザ単位での購入となります。
Generalライセンスについては、10~500、501~1,000、1,001~5,000、5,001~10,000、10,001・・・、と契約ユーザ数毎にボリュームディスカウント料金が適応されます。
モバイルユーザは、端末にCatoクライアントをインストールしますが、1ユーザ(アカウント)で、3台(デバイス)まで利用することが可能です。
Socket
Socket(ソケット)は、物理ハードウェアアプライアンスとして、X1500、X1600、X1700の3機種があり、X1500の最大スループットが500Mbps、X1600が1,000Mbps、X1700が10,000Mbpsまでとなっております。
X1600については「ベーシックモデル」とSIMが搭載可能な「LTEモデル」がリリースされており、今後「Wi-Fiモデル」「Wi-Fi+LTEモデル」「5Gモデル」などがリリースされる予定です。
物理Socketを一切利用せず、仮想アプライアンス(vSocket)や、既存ルータやFirewall等を用いたIPsec接続のみを利用される場合は、Socketの費用は掛かりません。
Socketは、冗長(HA)構成を行うことが可能です。また、コールドスタンバイ(予備機)として手配することも可能です。
Socketは、一括購入するのではなく、サブスクリプション(サービス課金)となりますので、手配したSocketすべてに費用が発生します。
ラックマウントキットや、ウォールマウントキットも有り、同じくサブスクリプションで提供されています。
サブスクリプションのため、Catoクラウドのサービス終了時には、すべて返却(返送)いただく必要があります。
オプション
現在、以下 9つのオプションサービスがあります(2024年9月時点)
URLフィルタリングなどの SWG(セキュアウェブゲートウェイ)やFirewallについてはCatoクラウドの標準機能に含まれています。
No. | オプション | オプションサービス内容 |
---|---|---|
1 | Threat Prevention | アンチマルウェア(AM)、次世代型アンチマルウェア(NGAM)、IPS(Intrusion Prevention System)、DNS Security、Threat Intelligence、インラインAI/ML、アンチフィッシング |
2 | CASB | Cloud Access Security Broker SaaS・アプリケーション利用の可視化/評価/制御 |
3 | DLP | Data Loss Prevention 機密情報や重要データの漏洩対策 |
4 | RBI | Remote Browser Isolation Webブラウザ分離 |
5 | SaaS Security API | 外部クラウドサービスのAPIによるセキュリティ検査(アンチマルウェア、DLP) |
6 | XDR Security Pro | Extended Detection and Response 拡張検出と対応 |
7 | Digital Experience Monitoring Pro | Digital Experience Monitoring(DEM デム) ユーザー体験監視 |
8 | Endpoint Security(EPP) | Endpoint Protection Platform エンドポイントプロテクションプラットフォーム |
9 | Data Log Storage | Catoクラウドのデータ保管期間延長オプション |
Threat Prevention、CASB、DLP、RBIは、サービス基本料金(Site/Pooledライセンス、SDPユーザ)への追加料金となります。
Site(Pooled)ライセンスとSDPユーザは、必ず同じセキュリティオプションを選択する必要があります。
特定拠点のみオプションなし、拠点のみ・SDPユーザのみオプションなし、と言った契約はできません。
CASB、DLPは、2022年にリリース、RBI、SaaS Security APIは、2023年にリリース、XDR Security、Endpoint Security(EPP)は、2024年2月、DEM は2024年10月リリースされています。今後も新たなオプションが順次リリースされますが、契約だけですぐに利用できるのが、Catoクラウドの最大のメリットです。
Threat Prevention
パターンファイルマッチングのアンチマルウェア(Anti-Malware)と、機械学習エンジンを用いた振る舞い検知を含む次世代型アンチマルウェア(Next Generation Anti-Malware)、Catoクラウドで最もセキュリティ効果が高い IPS、不正なドメインへのアクセスをブロックする DNS Protection 、不審なアクセスをモニタリングする Suspicious Activity Monitoring(SAM)、Threat Intelligence、インライン AI/ML、アンチフィッシングなどの基本的な脅威対策がすべて含まれています。
CASB
SaaSアプリケーションやクラウドサービスの利用状況を可視化(=シャドーITの可視化)を行います。Cato社で各アプリケーションを独自のセキュリティ・コンプライアンス等の視点で評価した Application Credibility Evaluator(ACE)を利用しており、それを元に管理者が、アプリケーション毎に利用許可(Sanction)を行うことが可能になります。さらにアプリケーションのアクティビティ単位での制御を行うことが可能になります。例えば、DropboxやGmailでダウンロードは許可するが、アップロードは許可しないなどです。また、Office365の企業テナントのみの利用を許可する(個人利用を許可しない)なども、CASBオプションで実現が可能となります。
DLP
トラフィック上のすべてのファイルをスキャンして、機密情報の検出を行い、適切な措置を講じることができます。機密情報の特定には、事前にCato社で定義されたルール(データタイプ)を利用することも可能です。クレジットカードやマイナンバーカードなどは事前にルールが定義されていますが、個別に定義することも可能で、MIP(Microsoft Information Protection)ラベルとの連携も可能になっています。
RBI
ユーザーのエンドポイントデバイスの代わりに、Catoクラウドが、ユーザーのWeb閲覧セッションを実行し、その画面情報をユーザへ送信することによって、オンラインの脅威(不正プログラムのダウンロードや実行)を無力化するものです。
SaaS Security API
Catoクラウド以外から、SaaSアプリケーションやクラウドサービスを利用する場合、つまり外部とのコラボレーションを行う際の脅威を検出するために、SaaSアプリケーションへAPIを利用してセキュリティ検査(マルウェア検査やDLP)を行う機能となります。
2024年6月時点で、Microsoft Exchange/OneDrive/SharePoint、Google Drive/Gmail、Box、Slack、Salesforce、ServiceNow、GitHub、Workspace(Meta)に対応しております。
※SaaS Security API は、2024年5月以前は、1つのSaaSだけ検査可能な「SaaS Security API 1 App connector」、2つのSaaSを検査する「SaaS Security API 2 Apps connectors」、3つ以上のSaaSを検査する「SaaS Security API All Apps connectors」の3つのライセンス体系で帯域課金となっていましたが、2024年6月以降は「SaaS Security API」のみとなり、ナレッジユーザ課金となりました。
・DLPは、CASB契約が前提となります。
・SaaS Security APIは、DLP契約が前提となります。
・SaaS Security APIでマルウェア検査をする場合は、Threat Preventionの契約が前提となります。
XDR Security Pro
CatoのXDR Securityは、世界初のSASEベースのXDR(Extended Detection and Response)です。
XDR Securityには、CoreとProの2種類があり、XDR Security Coreについては、Catoクラウドをご利用のすべてのお客様が無料でご利用可能です。ただし、XDR Security Coreは、セキュリティオプション IPSのログを元にセキュリティインシデントの分析をしていますので、Threat Preventionの契約が前提となります。
また、現時点では、Microsoft Defender for Endpoint のみですが、主要なEDR製品(CrowdStrike、SentinelOne)との連携が予定されています。
XDR Security Proは、セキュリティインシデントに対する対応(SOC通知の対応)が可能なお客様向けに提供される機能で、AIベースの脅威ハンティング(Threat Hunting)、ユーザー行動分析(User Behavioral Analysis)、インシデントライフサイクル管理を追加したセキュリティオプションとなります。XDR Security Core同様Threat Preventionの契約が前提となります。
後述のCato社のマネージドサービスであるMDRは、XDR Security Proの契約が前提になります。
Digital Experience Monitoring
Digital Experience Monitoring (以下、DEM(デム))とは、アプリケーションのユーザー体験を監視するテクノロジーで、エンドユーザーとアプリケーション間のすべてのシステムの健全性を計測し監視します(2024年11月リリース)
CatoのDEMは、エンドユーザーのデジタル体験を包括的に監視することで、SaaS、クラウド、プライベートアプリケーションのパフォーマンスを把握することができ、通信経路上のボトルネックや問題の早期発見と迅速な解決が可能となるオプションサービスです。
DEMは、現在(2024年10月時点)Catoクラウドをご利用のすべてのお客様には Experience Monitoring として無料でご利用可能になっており、全てのアカウントで有効になっておりますが、11月リリース以降は無効化(非表示)になります。
[Monitoring]>[Experience Monitoring]
DEMは、現状の Experience Monitoring として、高度な AI 分析を活用して、インターネット、WAN、カスタムアプリケーション全体のユーザー エクスペリエンスを監視し、最適なパフォーマンスを確保することができます。(主な機能には、リアルユーザーデータの監視、ユーザー/サイト/アカウントレベルの集計、ソケットサイト合成プローブがあります)
11月の正式リリース後には、アラート機能と高度なトラブルシューティング機能を活用してエンドポイントの問題を迅速に特定し、課題解決時間を大幅に短縮することができます。
Device Monitoring機能が、エンドユーザのデバイスのパフォーマンスや、利用しているWi-Fiのパフォーマンスを監視、Synthetic Probe Minitoring機能が、LAN・Socket・インターネットG/W・トンネル・アプリケーションのパフォーマンスを監視し可視化することで、通信経路上のボトルネックをより詳細に特定することが可能になります。(主な機能には、ネットワークパス分析、プロアクティブアラート、ユーザー合成プローブとハードウェアメトリック、UCaaS(Unified Communications as a Service)統合があります)
Endpoint Security(EPP)
世界初のSASEベースのエンドポイントセキュリティ(EPP)となります。これまでのSASEのカバレッジ範囲を、ネットワーク層を超えてエンドポイントにまで拡張する製品となり、Cato管理アプリケーション(CMA)に完全に統合管理され、クラウドネイティブな他のセキュリティスタックと連携して動作します。
EPPは、端末にEPPソフトウェアをインストールします。SDPユーザの利用デバイス数上限と同様に3デバイスが上限となります。
オプションの課金体系について
オプションの課金は、Threat Prevention、CASB、DLP、RBIは、PoP接続帯域に伴う帯域課金体系となっております。
SaaS Security API、XDR Security Pro、DEM、EPP、MDRは、Knowledge Users(ナレッジユーザ)課金となります。
ナレッジユーザとは、企業のM365やG-Suite契約ユーザ数のことで、同契約ユーザ数での契約となります。
※SaaS Security API は、2024年6月から帯域課金からナレッジユーザ課金へ変更となっています。
Data Log Storage
Catoクラウド上でのデータ保管期間は、標準3ヶ月(1時間あたりのイベント数が200万以下)となっております。
Data Log Storage とは、データ保管期間を6ヶ月、12ヶ月に延長するオプションとなります。
延長を行うと、セキュリティのイベントログだけはなく、トラフィックデータなども保管期間が延長され、過去に遡って確認することが可能となります。1時間のイベント出力数による価格設定が行われております。
No. | ログ数(時間単位) | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 |
---|---|---|---|---|
1 | 200万イベント以下 | (標準) | ¥ | ¥¥ |
2 | 200万イベント以上、400万イベント以下 | ¥ | ¥¥ | ¥¥¥ |
3 | 400万イベント以上、600万イベント以下 | ¥¥ | ¥¥¥ | ¥¥¥¥ |
マネージドサービス
次に、Cato Networks社の提供するマネージドサービスについて紹介します。
No. | マネージドサービス | サービス内容 |
---|---|---|
1 | MDR | Managed Detection & Response 専任のセキュリティアナリストによるSOCサービス ※日本語未対応 |
2 | ILMM | Intelligent Last Mile Management ラストマイルインターネット回線管理サービス |
3 | NOC-as-a-Service | パートナー向け NOC サービス |
MDR
Cato社の専任のセキュリティ専門家によるアセスメントから、ゼロデプロイメント、全てのトラフィック常時監視し、継続的な脅威ハンティングをサービス提供します。定期的なレポートとサービスレビュー(オンライン会議)が行われます。
残念ながら、2024年4月時点では、MDRは英語対応のみ(レポートおよびオンラインのレビュー会議等)となっており、日本語は未対応となっております。
そのため後述しますが、SCSKでは個別に日本語対応したSOCサービスをご提供しております。
ILMM
Cato社のNOC(Network Operations Center)が、ラストマイルのインターネット回線のブラウンアウト(回線の品質やレスポンスが規定に満たない状況)や、顕著なパフォーマンス低下やブラックアウト(回線断)をリアルタイムに監視(検知)します。NOCが問題を検知し、回線を特定すると、NOCは、直接ISPへ(日本国内の場合は日本語で)連絡を行い問題の解決を図ります。ISPと協力し、ネットワークの問題原因を特定し、問題解決を図り、お客様へ対応内容を適宜ご報告します。
ISPには、事前にお客様の委任状をいただくことで、ISPへの直接問い合わせを代理で実施します。
特に、海外拠点へ多く展開されており、ご担当者は日本にしか居ない場合に、時差等の関係もあり、ラストマイルのインターネット回線不具合をCato社のNOCが管理を代行することが大きなメリットとなります。
NOC-as-a-Service
Cato Network Operations Centre as a Service (NOCaaS) は、お客様に NOC サービスを提供したいパートナー向けサービスとなります(2024年10月販売開始)
NOCaaS は、ネットワーク監視およびトラブルシューティングサービスを提供する専門のエンジニアチームを提供し、すべてのお客様のネットワークが最大限の稼働時間とパフォーマンスで最適な状態で稼働するように支援します。NOCaaS には ILMMやハンズフリー管理(Hands-free Management)が含まれています。
ハンズフリー管理(Hands-free Management)は、Catoまたはパートナーのいずれかが、お客様のネットワークの完全なハンズフリー管理を行うサービスです。専門スタッフが、ビジネスや技術要件の変更に伴うネットワークやセキュリティポリシーの変更をすべて行います。お客様、パートナー(またはCato)による、共同管理モデルでもご利用いただけます。
SCSKでは、NOC-as-a-Serviceやハンズフリー管理として、後述のサービス窓口、監視・障害一次切り分けから、変更作業代行、月次報告などの各種マネージドサービスをご提供しております。
MDRはナレッジユーザ課金となります。ILMM、NOCaaSは、お客様の全てのサイトに対し適用されることが前提で、特定サイトのみでのご利用はできません。料金は、1 サイト単位、またはPooledライセンスの場合は 1 Mbps 単位での提供となります(最低契約金額有り)
課金(請求)および契約期間について
SCSKでは、月額課金(月額請求)となります(一括請求も可能です)
サービス基本料金とオプション料金(セキュリティオプション、マネージドサービス)の合計を毎月ご請求いたします。
Siteライセンスの増速(例 25Mbps→50Mbps)や、モバイルユーザの追加(例 +10ユーザ)も、追加した月からの追加課金(請求増)となります。
Socketについてもサブスクリプションですのでアップグレードが可能です。X1500からX1600、X1700へのアップグレードを実施した場合は、アップグレード実施月からの追加課金(請求増)となります。
その他に、お客様毎に個別割り当てを行うグローバルIPアドレスも3つまでは基本契約に含まれますが、4つ目以上はオプション(追加課金)となります。
次に、Catoクラウドのご契約期間は、最低1年間となります。
複数年契約を行われるお客様も多くいらっしゃいます。
Catoクラウドの増速やモバイルユーザの追加、あるいはSocketのアップグレードは、契約期間中いつでも実施することが可能ですが、拠点の解約、帯域減速、モバイルユーザの削減、Socketダウングレードについては、契約更新時(更新月)にしか実施することができませんのでご注意ください。
また、契約期間中の増速・追加・アップグレードは、契約終了月までの契約になります。
例えば、2024年2月契約開始、2025年1月契約終了の1年契約の場合、2024年4月に拠点を増速した場合は、増速分の契約は2024年4月から2025年1月の10ヵ月間の契約となります。
Catoクラウドの最小構成は、1 Siteライセンス、10 SDPユーザとなります。
上記の最小構成は、モバイルユーザ 10名、拠点はクラウド(AWS)としてのSiteライセンス 25Mbpsとしています。
モバイルユーザ(日本)については帯域の制限(上限)はありませんが、一部の地域(中国やベトナム等)については上限があります。
AWSのvSocketには料金は発生しません。ただし、AWSの利用量(仮想マシン利用、通信量等)は別途必要となります。
最小構成の費用感としては、定価ベースで年間65万以下(月額6万円以下)となりますので、他のSASEソリューションと比較すると、非常に安価でスモールスタートが可能なソリューションとなります。
帯域が逼迫して際に、見積りやライセンス発行が遅いため業務に支障がでる可能性があるからです。特にスモールスタートで利用開始されるお客様は注意が必要です。SCSKでは、帯域増速やモバイルユーザ追加は、15時までの手配(注文書の受領)で、当日中のライセンス発行が可能となっておりますので、ご安心ください。
ちなみに、Pooledライセンスは1,000Mbps以上の購入となりますが、Siteライセンスの100Mbpsをベースに価格設定されているため、100Mbps以下の拠点の合計帯域が1,000Mbps以上になる場合は、Pooledライセンスの購入検討を行われた方がコストメリットがあります。特に、25Mbps以下の狭帯域(10M,20M)の拠点が多く存在する場合には非常にコストメリットがあります。
SCSKのマネージドサービスについて
SCSKでは、2019年よりCatoクラウドの取り扱いを開始し、お客様のニーズに応じて様々なマネージドサービスをご提供しております。
Catoクラウドをご検討中のお客様へのPoCの支援から、既存環境の現状調査、要件定義、設計・構築・導入支援、既存WANやセキュリティ機器からの移行設計/移行支援、拠点のインターネット回線の調達から、拠点のSocket設置作業など、ご要望に応じて、あらゆるサービスを提供することが可能です(もちろん、日本国内だけでなく海外も含みます)
また、SASE、Catoクラウドは、既存WANやセキュリティ機器の置き換えになるため、初期の構築だけでなく、運用保守が非常に重要となります。
そこで、SCSKが提供しているマネージドサービス(一部)をご紹介します。
No. | SCSKマネージドサービス | サービス概要 |
---|---|---|
1 | サービス窓口 | 24時間365日の電話・問い合わせシステムでのサービス受付窓口をご提供します。 海外拠点向けに英語対応を行う24時間365日の窓口もご準備しています。 |
2 | 監視・障害一次切り分け | 拠点の障害監視を行い、障害検知(またはお客様からの通報)時に、障害箇所(Catoクラウド/Socket/ネットワーク回線等)の一次切り分けを行います。 |
3 | 変更作業代行 | お客様に代わってCatoクラウドの各種設定変更作業を実施します。 |
4 | 月次報告会 | Catoクラウドから取得した各種データを分析して月次報告書を作成します。 ネットワークトラフィックの傾向分析、各種セキュリティログの分析結果を基にレポートを作成し、報告会を開催します。 |
5 | Socketオンサイト保守 | Socketのオンサイト24時間365日(駆付目標:4時間)保守サービス。 当社でSocket代替を事前手配した特別保守サービス。海外拠点向けのオンサイト保守サービスもご準備しています。 |
6 | SOC監視サービス | Catoクラウドのセキュリティログをセキュリティアナリストがリアルタイムで監視・分析を行い、必要に応じて、お客様へ電話・メールで通知を行います。 |
7 | セキュリティ アドバイザリサービス | お客様からの依頼に基づき、セキュリティアナリストが頂いた情報を調査・分析、知見をご提供します。 |
8 | ログ保管サービス | Catoクラウドではログ保管期間が定められているため、3年間の長期保管を行います。お客様のご依頼に応じてログを抽出してご提供します。 |
9 | 設定診断サービス | ※すでにCatoクラウドをご利用のお客様が対象 セキュリティ・アーキテクト・コスト(経済性)の3つの観点からCatoクラウドを推奨設定に基づき、現状の設定内容を確認し、報告書を作成します。 |
サービス窓口 ・・・ 24時間365日のサービス窓口となります。障害のお問い合わせを始め、Catoクラウドの技術的なお問い合わせについても、サービス窓口にて受付を行います。電話での受付と、技術問い合わせについては問い合わせシステムで受付を行っております。技術問い合わせは、平日9:00-17:00対応となります。
また、サービス窓口のご契約で、当社が運営するFAQサイトの契約者IDを発行します。FAQサイトには、一般公開情報とは別の追加情報や、Knowledge Baseへのリンク、当社作成の手順書・マニュアルなどをご提供しております。
月次報告会 ・・・ Catoクラウドから取得できるトラフィックデータや各種イベントログ(Events)をAPIで取得し、集計・分析した結果から月次報告書を作成します。ネットワークトラフィックの分析(当月度、および過去半年間の傾向分析)、各セキュリティログの集計・分析(前月比較)、モバイルユーザの利用状況(長期間接続のないユーザ抽出)、さらに、毎週リリースされるCatoクラウドの最新情報をとりまとめて月次報告書として作成し、報告会(オンライン)を開催します。
Socketオンサイト保守 ・・・ Socketのハードウェア障害時の日本全国4時間駆け付け目標のオンサイト保守サービスとなります。交換を行うSocketの代替機も、SCSKにて事前に準備しておりますので、お客様で予備機を手配しておく必要がありません(Socketの予備機コストが削減できます)
SOC監視サービス、セキュリティアドバイザリサービスは、以下をご覧ください。
ログ保管サービス ・・・ 2023年11月よりCatoクラウドのログを含むデータ保管期間(標準)が6ヵ月から3ヵ月に短縮されました。一方で3ヵ月を6ヵ月、12ヵ月に延長を行うオプション(前述のData Lake Storage)がリリースされていますが、比較的高価なオプションとなりますので、SCSKにてログを3年間保管するより安価なサービスとしてリリースしております。
設定診断サービス ・・・ Catoクラウドの現状設定内容について確認をして欲しいというご要望が多く、セキュリティ・アーキテクト・コスト(経済性)の3つの観点から、SCSKの推奨設定に基づき、現状の設定内容を確認し、報告書を作成し、報告を行うサービスとなります。すでにCatoクラウドをご利用になられているお客様が対象となります。
今後は、当社の推奨設定やノウハウを取りまとめた「Catoクラウド リファレンスガイド」や「APIツールキット」等のサービス提供も計画しております。
まとめ
Catoクラウドのサービス体系、基本料金、オプション、マネージドサービス、課金・契約、さらに、SCSKのマネージドサービスについても合わせてご紹介させていただきました。
“SASE”自体の知名度も低く、”Cato Networks社”、”Catoクラウド(Cato Cloud/Cato SASE Cloud)”の知名度もはまだまだ低い状況です。SCSKでは、2021年からSASEの主要ソリューションを一同に紹介を行うオンラインセミナー「SCSK SASE Solution Summit(通称 S4 エスフォー)」を定期的に開催しております。これまで13回開催し、1,800名以上の方にご参加いただいております。
2024年10月17日(木)SCSK SASE Solution Summit ~主要 SASE 4製品の違いや強みを横並びでご紹介!~
また、オンラインのCatoクラウド デモセミナーと、オフライン(対面)形式のCatoクラウド ハンズオンセミナーを全国5都市(東京/大阪/名古屋/博多/札幌)で開催しています。
2024年10月31日(木)Catoクラウドデモセミナー
2024年11月6日(水)ハンズオンセミナー 東京開催 ※ご好評につき2回目
セミナー以外に、Catoクラウドのお客様導入事例の制作、FAQサイト、この TechHarmony(技術ブログ)で、皆様のお役に立て、Catoクラウドの知名度アップに少しでも貢献できればと考えております。
少しでも、Catoクラウドにご興味がお持ちになられた方がいらっしゃれば、ご遠慮なくお問い合わせください。