Catoクラウドの2025年2月より適用される価格改定および新製品について解説しています。
本記事内で、実際のCatoクラウド価格についての記載はございません。
はじめに
今回の価格改定については、昨年同様 Cato Networks社から2024年11月に Pricing Update としてパートナーへアナウンスが行われたものとなります。
昨年も同時期に価格改定が実施されたので、今後は毎年2月に実施される可能性があります。
昨年(2024年)の価格改定について
昨年は、リージョン(APJ、NAM等)からグループへの変更や、セキュリティオプション統廃合など大きな変更がありましたが、今回はそれほど大きな変更はありません。
価格改定の概要
それでは、今回の価格改定(Pricing Update)と新製品(New Products)について解説を行います。
IoT/OT Security
Catoクラウドにおける新しいオプションとなる IoT/OT Security についてのリリースと価格体系のアナウンスがありました。
このセキュリティ機能は、SASEベースの保護を、IoT/OT環境まで拡張し、デバイスの可視化とセキュリティ強化を実現するものです。
本オプションは、Site(およびPooled)のみに適用されます。
Catoクラウドではこれまで、Siteとモバイルユーザは必ずセットでオプション契約が必要でしたが、IoT/OTセキュリティオプションについては、Site(およびPooled)にのみ適用されるオプションとなります。
本オプションは、すでに正式サービスリリースされており、12月時点で、すでにご利用することが可能となっております。
すでに、Catoクラウドをご利用のお客様は、[Resources]>[Device](旧CMA:[Assets]>[Device Inventory])での表示となります。
IoT/OTデバイスを自動検出し、Internet FirewallやWAN Firewallのルールのデバイス条件として追加することが可能となります。
Advanced Threate Prevention(ATP)
これまでの脅威防御(Threate Prevention)とは別に、高度な脅威防御(Advanced Threate Prevention)が追加されました。
Threate Prevention(TP)※現行オプション
・パターンファイルマッチングのアンチマルウェア(Anti-Malware)
・機械学習エンジンを用いた振る舞い検知を含む次世代型アンチマルウェア(Next Generation Anti-Malware)
・侵入防御システム(IPS)
・不正なドメインへのアクセスをブロックする DNS Protection
・不審なアクセスをモニタリングする Suspicious Activity Monitoring
Advanced Threate Prevention(ATP)※上記TPに加えて
・Remote Browser Isolation(RBI)
・サンドボックス(Sandbox)
RBIについては、すでに販売されているセキュリティオプションとなりますが、2025年2月以降は、単体のセキュリティオプションとしてRBIを購入できなくなります。そのため、現在RBIをご契約いただいているお客様については、次回の契約更新時に、ATPを契約いただくか、RBIを解約するかを選択いただく必要があります。
サンドボックスについては、Cato Networks社のこれまでの方針は、昨今の俊敏な企業ニーズには合致しないとし、その代わりとして、ゼロデイ脅威や、脅威を含む未知のファイルを防ぐための異なるアプローチを取っていましたが、多くのお客様(市場)のニーズに応じて、機能提供を開始したということになるかと思います。
サンドボックスは、通常ファイル(プログラム)を保護・隔離された環境で、システムやデータに影響を与えずに実行し、マルウェア検出やプログラムの動作検証を行うものですが、Catoのサンドボックスは、俊敏性を阻害する事前予防処理を行うのではなく、並行で処理を行い、事後に動作検証報告を行うものとなります。
モバイルが、SDPからZTNAへ名称変更
Catoクラウドのモバイルユーザは、これまでSDP(Software Defined Perimeter:ソフトウェア定義境界)としていましたが、世間一般的には、ZTNA(Zero Trust Network Access)の方がメジャーなので、名称をZTNAへ変更することになりました。
Catoだけが、ZTNA ではなく SDP と言っていたので非常に良いと思います。
ZTNA 価格体系変更
SDPから名称変更されたZTNAの価格体系の変更となります。
ZTNA(旧:SDP)は、契約ユーザ数毎に価格が異なっていました。いわゆるボリュームディスカウントがされていましたが、課金方法、計算方法が変更になりました。
以下のZTNA価格は説明のために価格を仮に設定をしたもので実際のCatoクラウドの価格ではありません。
現行価格体系
ZTNAユーザ数 | 価格(仮設定) |
10~500ユーザ | 1,000円/月 |
501ユーザ~1,000ユーザ | 900円/月 |
1,001ユーザ~5,000ユーザ | 800円/月 |
1,500ユーザの場合
・500 x 1,000円 = 500,000円
・500 x 900円 = 450,000円
・500 x 800円 = 400,000円
・500,000円+450,000円+400,000円 = 1,350,000円
新価格体系
ZTNAユーザ数 | 価格(仮設定) |
10~500ユーザ | 1,000円/月 |
501ユーザ~1,000ユーザ | 950円/月 |
1,001ユーザ~5,000ユーザ | 900円/月 |
1,500ユーザの場合
・1,500 x 900円 = 1,350,000円
上記のように、価格の計算方法がシンプルになりました。
すでに、Catoクラウドをご利用のお客様については、契約ユーザ数により値下がりになる場合も、値上がりになる場合もあります。
プレミアムサポートパッケージ(Premium Support Packages)
Catoクラウドのライセンス契約をすると、標準で管理ポータル(CMA)上からCatoサポートへチケットによる問い合わせが可能です。
ただし、現在サポートされているのは英語のみとなります。
この標準のサポートを Standard として位置づけ、新しく上位の Gold 、Platinum のサポートサービスが追加されました。
詳細は以下に比較表を掲載していますが、単なる問い合わせのサポートレベルの違いだけではなく、RMA(Return Merchandise Authorization:返品保証)つまり、Socketのハードウェア障害時の発送時間にも差がでていますので注意が必要です。
Catoクラウドのサポートは、現状英語のみがサポートとなりますので、SCSKでは日本語での問い合わせを”サポート窓口“サービスとして提供しております。
問い合わせは、問い合わせシステムでの受け付けとなっており、サポート窓口のご契約で、FAQサイトでの契約社アカウントも発行しておりますので、FAQサイトで一般公開していない詳細情報、当社作成の各種手順書等もご提供を行っております。
さらに、SCSKは、Cato Networks社より「Cato Distinguished Support Providers(CDSP)」認定を受けておりますので、他のパートナーと異なり、サポートエンジニアはTier1ではなく、Tier2/3レベルと直接やり取りを実施しておりますので、プレミアムサポートパッケーの Gold、Platinumレベルのサポート(問い合わせ回答)品質を提供することで、回答時間の大幅な短縮を図ることができています(まったく違います)
カスタマーサクセスエンジニア(Customer Success Engineer、CSE)
Cato Networks社にて、テクニカルアカウントマネージャー(TAM)が提供されていましたが、今後TAMの役割に代わるマネージドサービス担当として、カスタマーサクセスエンジニア(CSE)サービスが追加されました。
CSEサービスは、プレミアムサポートパッケージとは、別の追加サービスとして提供されます。
CSEは、プレミアムサポートパッケージ以外のあらゆる追加ニーズに対応できるよう設計されており、CSEは、Catoアーキテクチャの専門知識を有し、お客様の環境の積極的な分析を行い、より実践的な技術ガイダンスを含めたお客様の支援を行います。
CSEは、お客様がCatoのソリューションを十分に活用し、完全な導入を成功させるための戦略的な知見を提供します。
Data Lake Storage(DLS)
すでに、11月11日のアップデート情報でアナウンスが実施されていますが、1時間あたりの最大イベント数が200万イベントから250万イベントへと変更となっています。
DLSの有料ストレージ期間については変更はなく、従来通り、3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月の3種類となります。
Catoクラウドの標準のログ保管期間は3ヵ月です。
価格の変更もなく、全てのお客様に関してすでに適用済みとなっています。
価格適用のスケジュール
新価格は、2025年2月より適用されます。
契約期間中のお客様についても、2025年2月以降のライセンス追加時(拠点追加、拠点帯域増速、モバイルユーザ追加)は、すべて新価格が適用されることになります。
現行価格体系については、2025年1月末までのお見積り提示分(ご注文が2月末まで)が最終となります。
なお、Catoクラウドのご利用開始月(課金開始月)については、最長で2025年5月まで延長することが可能ですので、例えば、1月末見積り提示、2月末までにご注文の場合、5月利用開始(課金開始)も可能となっています。
また、これから新規にCatoクラウドをご契約するお客様については、契約期間(最低契約期間は1年)を複数年(2年以上)契約へすることも可能です。
まとめ
今回は、2025年2月の価格改定の変更部分を中心に解説していますが、2025年の新サービス体系については、来年(2025年1月)に改めて記事にする予定です。
Catoクラウドは、全世界(中国本土を含む)90以上の都市に自前PoP(Point of Presence)を設置し、ネットワーク接続を拠点まで保証するエッジデバイス(Socket)をサービス提供し、クラウドネイティブでゼロから開発されたアーキテクチャで、圧倒的な使いやすさ・シンプルさが、他のソリューションとは異なる大きなメリットを持つソリューションです。
日本国内でも、SASE普及期となり、SASEの知名度が上がるにつれ、誇張されたマーケティングが横行しています。
「海外のSASEは高額で、中小・中堅企業には向かない」→ ×
「SASEはそもそもマルチベンダーでしか実現できない」 → ×
「統合型(Unified)SASEソリューション」 → ×
「(SSEなのに)SASEソリューション」 → ×
SASEを提唱したガートナーも、ベストオブブリードのマルチベンダーのソリューションを組み合わせた SASE より、単一のベンダー(シングルベンダー)の SASE を導入すべきであるとしています。
SASE のサブセットである SSE では、ゼロトラストは実現できません(SSE は、境界型防御の”境界”クラウドリフトです)
シングルベンダーSASEは、世界初のSASEソリューションである Catoクラウドを、ぜひ一度ご検討ください。Catoクラウドにご興味を持たれた方は、ぜひ SCSK まで お問い合わせください。