SCSKではDropbox管理業務負荷の軽減及びエンドユーザの利便性を向上させるためのDropbox統合管理ツールとして「Smartdbx」を開発いたしました。
こちらの記事では「Smartdbx」についてご紹介いたします。
Dropbox(Business版)の機能と管理者について
Smartdbxのご紹介の前にDropboxの機能と管理者に関してです。
DropboxのBusiness(法人)版は個人版Dropboxとは違い、組織(=チーム)単位で契約を行うため、「テナント」と呼ばれる組織の環境が出来上がります。Dropboxではこのテナントを「チーム」とも呼びます。
テナントは管理者が各種設定を行うことができるため個人向けのDropboxでは実現できない、組織の情報管理を行うことができます。
組織で情報を管理するには、「管理者」は必要です。
ただ、組織の規模が大きくなればなるほど、管理者の手で組織管理を行うことは難しくなる場合があります。社内ルールの策定だけでは、メンバーの方が順守できているとは限りません。
全ての確認と管理を管理者が行うには運用負荷がかかる場合があります。
チームフォルダの作成
「チームフォルダ」とはDropboxの共有用のフォルダの一つで、管理者が作成し、管理者がアクセス権をつけるフォルダです。
この「チームフォルダ」にコンテンツを保存すると、アクセス権のあるメンバー全員と自動的に同期されます。
個人版のDropboxには存在せず、Business版のみの機能で、これがあることでファイルサーバーの代わりとして使用できます。
種類 |
特徴 | 用途 |
個人フォルダ | メンバーが作成した共有されていないフォルダ
所有者は、メンバー。 |
ファイルサーバーのユーザーフォルダの代わりとなる。 |
共有フォルダ | メンバーが作成し、メンバー間で共有状態のフォルダ
所有者はメンバー。 |
プロジェクトフォルダなど期間限定で共有したい場合に利用。 |
チームフォルダ | システム管理者が作成、管理する特別なフォルダ
所有者はシステム管理者。 |
部署単位でアクセス権を管理した上で情報共有を実施したい場合に利用。 ファイルサーバーの共有フォルダの主な移行先になる。 |
チームフォルダの作成や管理を管理者が行うと、管理者の作業は増えてしまいます。
また、管理者にフォルダ作成を依頼した際、ユーザーは管理者の作業完了を待つ必要がありました。
アクセス権限設定
Dropboxではチーム管理者が行うか、編集権限のあるユーザーが行いますが、会社規模が大きくなると統制がとりづらくなる場合があります。
社外との共有
組織の重要な情報管理のためにユーザーに自由に許可はできないことは多いと思います。ただDropboxでは外部共有先管理は管理者のみが行うため、管理者がすべて監視することが難しいです。
Smartdbxとは?
さて本題ですが、Smartdbxとは何でしょうか?
冒頭の記載と重なりますが、Smartdbxとは、Dropboxの管理者の業務負荷の軽減やエンドユーザの利便性を向上させるためのツールです。
フォルダ管理については自動化を行い、社外の共有については上長の承認を、アクセス権管理についてもツールを通し一括管理を実現できます。
「Smartdbx」には管理者業務を自動化する事で、管理者業務自体を極力なくし、管理者の運用負荷を軽減させる機能が用意されております。
SmartdbxとDropbox と組み合わせてお使いいただくことでもっと便利に、効率的にDropbox をご利用いただくことができます。
弊社がDropboxの管理ツール開発を始めたのは2017年からになります。
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2017年 ONEUPの開発・運用
Dropboxを導入した時から社内の運用管理の負荷低減、効率アップを目的としたツール(社内呼称:ONEUP)を開発、運用しています。
2022年 外部共有の管理機能をリリースして機能拡張
2023年 Smartdbx開発
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ONEUPに更に多くのDropboxプロジェクトで培った知見を取り入れ、多くのお客様からご要望が多い有益な機能をSmartdbxとして実現しました。
ではどんな機能があるのかについてご紹介していきたいと思います。
機能 | 機能詳細 | 基本/オプション |
アカウント/グループ管理機能 | •人事マスタ(組織と人)と自動連係 •Dropboxのアカウントおよびグループの連係 •アカウント情報の照会 •グループ情報の照会 |
基本機能① |
共有フォルダ管理 | •共有フォルダ管理機能 •共有フォルダ承認ワークフロー •共有フォルダ棚卸機能 サブフォルダ含みの棚卸しのみ、順次リリース(可視化機能として) •共有フォルダアーカイブ機能 (順次リリース) •フォルダテンプレート |
基本機能② |
社外共有フォルダ監視 | 個人フォルダや、共有フォルダ申請で申請されたチーム外共有以外の社外共有の監視・ブロック機能 | 基本機能③ |
全社ナレッジ共有 | 1,000人以上となるような大規模環境での全社共有するフォルダ管理機能 | オプション① |
カスタムドメイン(ファイル送受信) | 社外の方とのファイルの受渡をDropboxドメインを使わずに実現する機能 | オプション② |
機能紹介
今回はSmartdbxの基本機能3つについてご紹介いたします。
基本機能① アカウント/グループ管理機能
「Smartdbx」の利用アカウントを管理する機能です。
人事マスタから指定のcsvフォーマットで人、組織、役職などの情報を取り込んでDropboxアカウントと連携してDropboxグループの管理も行うことができます。
組織単位のDropboxグループを人事情報と連携することで、自動でグループ内メンバーを変更します。
メンバーも人事情報と連携して、アカウントの発行、削除を行うことができます。
また、組織や役職の情報はSmartdbx内の承認ワークフローにも活用しています。
基本機能② 共有フォルダ管理
社内外との共有フォルダ管理の一元化と効率化を行います。
フォルダ共有
Dropboxの標準機能として用意されている共有方法はいろいろありますがその中に「フォルダ共有」があります。
「フォルダ共有」とは、Dropboxのアカウントを持っているユーザ同士でファイルを共有・編集できる機能です。
業務を行う際に便利な機能で、社外との共同プロジェクトでもよくつかわれます。
共有フォルダ申請
共有するフォルダの種類の中に冒頭で記載した「チームフォルダ」があります。
組織のフォルダ管理においてチームフォルダは重要な役割を果たしますが
チームフォルダの作成や管理は管理者が行うため、管理者の作業は増えてしまいます。
また、管理者にフォルダ作成を依頼した際、ユーザーは管理者の作業完了を待つ必要がありました。
そこで、この機能を通して申請を行うことで管理者が作業せずに
自動でチームフォルダの作成・設定・アクセス権管理が行えるようになります。
社外との共有については外部共有先を事前に登録したり、必要に応じて申請時にワークフローを追加することで上長の承認を得ることができるようになります。
また、共有する社外の方(お客様やビジネスパートナー)と共有ルールなどを確認して遵守して頂く為、社外の方を含めた署名を回付する事も可能です。
署名には、Dropbox Signを使用いたします。
社外の方を含めたワークフローを利用する場合は、別途Dropbox Sign APIのご契約(有償)が必要となります。
「社外共有フォルダ申請」ワークフロー
弊社で実際に使用している「社外共有フォルダ申請」のワークフローを一例としてご紹介いたします。
※上司からの承認+署名回付を有効に設定
ワークフローは以下切替が可能です。
- 承認自体の有無
- 承認者のレベル(承認は課長まで、部長まで、など)
- 社内社外での切替
- 署名回付
基本機能③ 社外共有フォルダ監視
組織で情報を扱う中で、社外との共有について、不要な共有がされていないか、正しい相手に共有されているか、人手で監視が難しいという問題があります。
特に個人フォルダと社外との共有を自由に許可してしまうと、セキュリティ対策としては課題に上がることが多いです。
そこで本機能「社外共有フォルダ監視」を活用いただくことで社外との共有は申請されているところだけに限定します。
個人フォルダが社外共有された場合や、未承認の会社との社外共有は、自動で解除され警告メールが発信される仕組みです。
こちらの機能で、外部共有を申請したものに限定することで、安全性を高めています。
これらの機能によって、管理者の運用負荷を軽減させることができるため、より快適な業務をDropbox
で実現できます。
「Smartdbx」について詳しくはこちらをご覧ください。
次回は「Smartdbx」のオプション機能についてご紹介します!