こんにちは、SCSK株式会社 櫻本です。
2025/6/11-13に幕張メッセで開催されたInterop Tokyo 2025に参加しました。
Interop Tokyoは、ネットワーク・AI・クラウド・セキュリティなどの最新技術や業界動向を体感できる、日本最大級のIT展示会です。
※イベントの概要については他の方々が書いていますのでここでは割愛します。
このイベントには毎年参加しており、毎回ざっくりとした流行のキャッチアップのみで済ましていましたが、
今年は出展されている製品で担当している顧客の課題解決ができるかという観点で製品をチェックしてきました。
この投稿では顧客が抱える課題のうち、以下の課題に対して効果的な製品をご紹介いたします。
1.サーバの監視業務を行うオペレータが監視ツールからのアラートメッセージを目視で確認したうえで対応するため、多大な保守工数と人為的なミスの懸念を抱えている。
2.保守員がサーバにログインするためのアカウントを利用する際の手続き・事前作業によって発生する運用コストを削減したい。
1.WebSAM Automatic Message Call(NEC社)
サーバの監視業務を行うオペレータが監視ツールからのアラートメッセージを目視で確認したうえで対応するため、多大な保守工数と人為的なミスの懸念を抱えている。
担当顧客では各監視ツールのメッセージをJP1に集約させ、オペレータがJP1のコンソールを確認したうえで手作業でアラートを通知する運用を実施しています。(下図を参照)
この運用は24h/365dで行われており、オペレータ複数人での体制を敷いていることから高額な費用を必要としながら、目視でメッセージを確認していることからメッセージの見落とし・連絡先の誤りといったオペミスのリスクがあります。
WebSAM Automatic Message Call(AMC)は前述の課題を解決する製品となっています。(Zabbixブースで紹介されていました)
機能としてはZabbixやJP1などから送信されるメッセージをAMCで収集し、AMCが事前に定義されたパターンマッチングを基に所定の担当者・通知手段で通知するというものです。
前述の担当顧客の現状で表現するなら、オペレータが実施する業務を全て自動化するものとなります。
オペレータの業務を自動化することでコスト減+オペミスのリスク減が実現できるため、前述の顧客課題を解消することができる製品と思いご紹介させていただきました。
【1-2.機能概要(クラウド型通報サービス WebSAM Automatic Message Call: WebSAM | NEC)】
2.Password Manager Pro(ManageEngine社)
保守員がサーバにログインするためのアカウントを利用する際の手続き・事前作業によって発生する運用コストを削減したい。
担当顧客(前項と同じ顧客)では運用ベンダーがサーバにログインする際、大まかに以下の流れで手続きを行います。
下記手順の運用ではオペレータの負荷の高さや、サーバ利用時ログ取得に外部の録画ツールを必要といった課題があります。
①.サーバの利用者がサーバの利用申請を起票
②.システム管理者が承認
③.オペレータがアカウントの申請を確認して手動でOSのアカウントロック解除を実施する
④.利用者がアンロックされたアカウントを使用して作業を実施する(利用者は録画ソフトを使用して作業証跡を記録する)
⑤.作業終了後にオペレータが手動でアカウントをロックする
上記の課題を解消するためのツールとして、Password Manager Proをご紹介いたします。
Password Manager Proはワークフロー機能とリモートアクセス機能を統合した特権ID管理ツールです。
申請・承認フローを通したアクセス制御の全てをWebアプリケーションで提供し、操作履歴の記録や画面の録画により監査対応も可能となります。
前述の顧客のアカウント運用をツールで実現した場合、オペレータでの手動アンロック作業が不要となるため運用工数の削減が期待できます。
例えば、前述のアカウント運用手順で表現するなら、導入時は打消し線の箇所が不要となります。
①.サーバの利用者がサーバの利用申請を起票
②.システム管理者が承認
③.オペレータがアカウントの申請を確認して手動でOSのアカウントロック解除を実施する
④.利用者がアンロックされたアカウントを使用して作業を実施する(利用者は録画ソフトを使用して作業証跡を記録する)
⑤.作業終了後にオペレータが手動でアカウントをロックする
特権ID管理ツールの類似製品はいくつかありますが、前述のアカウント運用の実施内容に対してはマッチした製品であるため、ご紹介させていただきました。
まとめ
今回のInteropではテーマが具体的であるが故に比較的狭い視野でブースを見ることになりましたがその分、各製品の説明やデモンストレーションでは製品の細かい仕様や実装例を知ることができました。
この記事を見ていただいた皆様も、具体的な課題を解決するという明確な目的をもって参加することで製品やサービスに対してより深堀することができると思いました。