Rubrikってなに?初心者でもわかる次世代データ保護ソリューション

本記事は 新人ブログマラソン2024 の記事です

こんにちは。SCSKの新人、黄と申します。

最近、業務でRubrikのサービスを扱う機会がありましたが、TechHarmonyにはRubrikに関する記事があまり見当たりませんでした。そこで、今回Rubrikについてご紹介したいと思います。

本稿では、Rubrikおよび同社が提供する主要製品とその特徴的な機能についてご紹介します。

Rubrikとは

Rubrikは、2014年1月に設立され、バックアップ&復元からバックアップデータの活用までデータ管理に特化したIT企業です。本社はアメリカのカリフォルニア州パロアルトにあり、世界中に拠点を持っています。2024年4月にニューヨーク証券取引所での新規株式公開(IPO)で、企業価値は約56億ドルに達しました。

同社はクラウド・オンプレミス環境に対応したバックアップデータを管理できるソリューションを提供し、主に以下のような機能を備えています:

  • シンプルな運用
    直感的なインターフェースとポリシーベースの管理により、複雑なデータ管理を効率化します。
  • 即時データアクセス
    災害発生時やランサムウェア攻撃後の迅速な復元を実現します。
  • ポリシードリブンな自動化
    バックアップ、アーカイブ、復元などのプロセスを自動化し、運用負荷を軽減します。

これらの特徴を支える製品として、Rubrik Cloud Data ManagementRubrik Security Cloudが主要な柱となっています。

製品ラインナップ

Rubrik Cloud Data Management

Rubrik Cloud Data Management(以下、Rubrik CDM)は、クラウドやオンプレミス環境におけるデータ管理を根本から簡素化する、Rubrikの中心的なソリューションです。

以下の3つの特徴が特に注目されています:

多機能性:すべてを1つのプラットフォームで実現

Rubrik CDMは、データ管理に必要な主要機能を1つの統合プラットフォームで提供します:

  • バックアップと即時復元:システム障害やデータ損失時に迅速に対応可能
  • データアーカイブ:過去のデータも安全に保管し、長期的な保存ニーズに対応
  • レプリケーションとコンプライアンス:多拠点間のデータ同期や規制要件への対応を簡素化
すべてが1つのプラットフォームで統合するため、複雑なデータ運用が劇的に効率化されます。
柔軟性:どんな環境にも対応

Rubrik CDMは、下記の図に示したように、さまざまな環境に適応可能な柔軟性を備えています:

  • 多様な対応範囲:主要なOS(Windows、Linuxなど)、仮想化環境(VMware、Hyper-V)、クラウド(AWS、Azure、Google Cloud)などに対応
  • SaaSアプリの保護:Microsoft 365などの主要なSaaSプラットフォームをサポート
  • ベンダーロックイン回避:特定のクラウドプロバイダーに縛られることなく、自由に環境を選択可能

複雑化するITインフラにも柔軟に対応し、運用の選択肢を広げます。

拡張性:企業の成長を支える設計

Rubrik CDMはスケールアウト型アーキテクチャを採用しており、サーバーを増やすことで、データ量の増加や企業の成長に応じてシステムを無理なく拡張できます:

  • スムーズな性能拡張:必要に応じて筐体を追加だけで容易に容量とパフォーマンスをスムーズに向上。
  • 運用の安定性:スケールアップしても管理が複雑にならない設計。

優れた拡張性により、現在のニーズだけでなく将来的な運用にも対応できます。

Rubrik CDMがあれば、どんどん複雑になっていくIT環境でも、データ管理って意外と簡単にできるよね

そう!しかも、CDMには2つの展開形態があって、導入環境に合わせて選べるんだよ。

Rubrik CDMの展開形態

Rubrik CDMは、導入環境に応じて以下の2つの展開形態を選択可能です:

  • アプライアンス(Appliance)
    • Rubrik CDMを搭載した一体型ハードウェアデバイスとして、小規模から大規模環境まで柔軟に対応できる拡張型フラッシュアプライアンスが用意されています。(詳しくはRubrikを漫画で分かりやすく解説!【ネットワールド】をご覧ください。)
    • 特徴:
      • 即時導入が可能な「即插即用」型ソリューション
      • 高性能な専用ハードウェアでのデータ管理
  • ソフトウェア版(Software Edition)
    • Rubrik CDMのソフトウェア版であり、既存のハードウェアやクラウド上に導入可能で、柔軟な運用をサポートできます。
    • 特徴:
      • 既存のハードウェアやクラウド環境の活用可能
      • Remote Office/Branch Office(ROBO)など拠点が分散した環境や、クラウドを中心に運用する環境にも柔軟に対応可能

Rubrik CDMって本当に便利そうだね!
ところで、Rubrik Security Cloudってどんなものなの?

Rubrik Security Cloud

Rubrik Security Cloud(以下、RSC)は、複数のRubrik CDMを統合して、効率的かつ一元的に管理できるSaaSです。
クラウドやオンプレミス、複数拠点にまたがる環境を統合し、以下の特徴を備えています:

  • 複数のCDMシステムの統合管理
    RSCは、クラウドやオンプレミスに分散された複数のRubrik CDMを一つのインターフェースで効率的に統合管理します。
  • 全体可視化とモニタリング
    RSCは、複数のCDMシステムにまたがるデータ保護の状況や運用状況をリアルタイムで可視化します。
  • 操作とポリシーの一貫性
    複数のCDMにわたるポリシーの統一管理を実現し、複雑な環境でも効率的なデータ保護運用を可能にします。
  • SaaSによる軽量な運用
    RSCはSaaSとして提供されているため、専用のサーバーやソフトウェアの保守が不要で、手間を大幅に削減できます。

なるほど!RSCがあれば、いろんな場所にあるバックアップデータをまとめて管理できるんだね!

RSCとRubrikCDMを組み合わせて、異なる規模や環境のバックアップデータをしっかり管理できるね!
また、Rubrikはこの2つの主力製品以外にも、他にも役立つサービスを提供しているんだよ。

付加サービス:Rubrikのさらなる可能性

NoSQLデータベース対応

NoSQLデータベースは、柔軟なデータ構造と高い拡張性が特長で、大量のデータを扱う分散システムを利用したアプリケーションで広く採用されています。しかし、分散された環境ならではの下記のような課題も存在します:

  • ノード(サーバー)間でデータの整合性を確保する方法
  • 高負荷な状況でも十分な速度でバックアップを行う手段
  • 障害が発生したとき、素早く復元できる仕組み

このような課題を解決するために、Rubrik MosaicというNoSQLデータベースに特化したデータ保護ソリューションが提供されています。

Rubrik Mosaicの特徴

  • NoSQLデータのネイティブサポート
    MongoDBやCassandraなどの主要NoSQLデータベースに対応し、分散ノード間にまたがるデータを一貫性を保ちながらバックアップと復元できる機能を提供します。
  • CODRエンジンによる一貫性管理
    CODR(Consistent Orchestrated Distributed Recovery)エンジンを活用することで、障害発生時にも分散ノード間のデータ整合性を維持し、アプリケーションをすばやく復旧可能です。
  • 分散環境向けの最適化設計
    ノード間の通信遅延や高負荷時の処理など、分散システム特有の課題に対応し、安定性と効率性を向上させます。
  • 効率的なストレージ利用
    分散データの特性を踏まえつつストレージを最適化し、増え続けるデータの保管コストを抑えながらも、高いパフォーマンスを実現します。

ランサムウェア対策

ランサムウェア攻撃が日常化する中、Rubrikは独自のアプローチでデータ保護を進化させています。

不可変バックアップによりデータ改ざんを防ぎ、機械学習を通じて異常を即座に検知します。

  • 不可変バックアップ(Immutable Backup)
    Rubrik CDMは、バックアップデータを変更不可能な形式で保存します。これにより、ランサムウェアがバックアップを暗号化または削除するリスクを完全に排除します。                    

    • 適用範囲:オンプレミスやクラウド環境のいずれにも対応。
    • 長期保存:安全なデータ管理が可能なため、コンプライアンス要件にも適合。
  • 異常検知と脅威監視
    Rubrikは、Rubrik CDMとRSCを連携させることで、機械学習を活用してデータの異常な変化を検知します。Rubrik CDMはデータの収集と管理を担い、RSCはそのデータを基に高度な分析を行い、ランサムウェア特有の挙動を迅速に感知して被害を最小限に抑えることが可能です。              

    • 検知方法:通常のデータ操作パターンを学習し、大量の暗号化やファイルの急激な削除など、ランサムウェア特有の挙動を感知します。
    • 通知と可視化:異常が検知された場合、即座にアラートを出し、影響を受けたデータ範囲をわかりやすいレポート形式で提示します。

上記の方法により、オンプレミスでもクラウドでも同じ安心感を提供し、企業が抱えるセキュリティリスクを大きく軽減します。

多様なAPI活用

Rubrikは、幅広いツールやAPIとの連携を提供します。
たとえば ServiceNowのようなITSM(ITサービス管理)や運用プロセスの自動化を強化する運用管理ツールと組み合わせることで、日々の作業負荷を大幅に軽減できます。また、APIを通じて自動化を推進し、DevOpsやインフラ自動化戦略への柔軟な組み込みを可能にします。
こうした連携と自動化のしやすさが、現代のIT運用において大きな付加価値をもたらします。

Rubrikの付加サービスは、単なる補助にとどまらず、データ管理の可能性をしっかり広げてくれる!
Rubrik Mosaicやランサムウェア対策機能、そしてAPI活用が、それぞれのニーズに応えながら、企業のデータ管理を次のステージへと進めてくれる。

まとめ

今回の紹介では、Rubrikの主要な製品や機能について、基本的な部分を中心にお伝えしました。Rubrik Cloud Data Management(CDM)Rubrik Security Cloud(RSC) の統合管理機能、Rubrik Mosaic を活用したNoSQLデータベース対応、そしてランサムウェア対策API活用といったサービスの一端をご紹介しました。

しかし、Rubrikの魅力はこれだけではありません!実際には、ここで触れた以外にもさまざまな機能やユースケースがあり、もし興味があれば、公式サイトなどをチェックしてみてください。

内容をご覧いただき、ありがとうございました。今回の内容が、Rubrikをより深く理解するためのきっかけとなれば幸いです。

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