LifeKeeperのイベント監視の種類と参照の技法

こんにちは、SCSKの伊藤です。

保守業務とは切っても切れないトラブルシュート。
本記事では、LifeKeeperでのイベント監視および参照方法について、設定方法も含めてご紹介します。

LifeKeeperイベント監視の種類について

イベント監視の種類について、LinuxとWindowsで下記の方法があります。

【Linux】

    • ログ
    • SNMPトラップ
    • メール

【Windows】

    • ログ
    • SNMPトラップ

 

LifeKeeperログの確認方法

LifeKeeperのログについては、下記の方法で参照することができます。

    • [Linux]CLIコマンドでログファイル「/var/log/lifekeeper.log」を表示する。
    • [Windows]WindowsのイベントビューアからApplicationおよびシステムを表示する。

 

    • [Windows/Linux共通]LifeKeeper GUIまたはLifeKeeper Web Management Consoleから、リソースツリーのサーバ名を右クリックし、表示されたメニューから[View Log](日本語の場合は[ログの表示])をクリック

 

LifeKeeperログの見方

LifeKeeperのログは、以下のような形式で出力されます。

LifeKeeper for Linuxのログ
Aug 25 13:25:19 rhel01 quickCheck[4974]: ERROR:qsp:quickCheck:QSP-snmptrapd:134607:systemctl command has failed for “QSP-snmptrapd”
    • ERROR      : 重大度
    • quickCheck    : 実行処理
    • QSP-snmptrapd  : リソース名
    • 134607      : コード
    • systemctl~    : メッセージ

 

LifeKeeper for Windowsのログ
[08/29/2025 11:25:36] EventType: Error, Source: LifeKeeper, Category: General
Process: lkresfail.exe(1168) *ERROR* (No. 1620) Local recovery of resource IP-192.168.10.55 failed.
    • ERROR       : 重大度
    • 1620        : コード
    • Local Recovery~  : メッセージ
色を付けた部分の意味は、それぞれ下記の通り。

 

重大度
EMERG/FATAL LifeKeeper自体の動作に影響を及ぼす可能性のある内容
ERROR LifeKeeperのサービスやリソースに影響を与える障害
WARN LifeKeeperのサービスやリソースに対し、直ちに異常を示すものではない注意や警告
NOTIFY LifeKeeper自体やリソース等の状態が遷移したこと示す通知
INFO LifeKeeperに関する情報のメッセージ

 

実行処理(Linuxのみ)
restore リソースの起動処理
remove リソースの停止処理
quickCheck リソースの監視処理
deepCheck リソースの詳細監視処理
recover リソースの回復処理
<空白> 上記のいずれにも該当しないLifeKeeperの内部処理など

 

リソース名(Linuxのみ)

アラート元のリソース名が表示されます。

 

コード・メッセージ

各コードおよびメッセージは、SIOSマニュアルサイトのメッセージカタログに記載されておりますが、記載がないメッセージの詳細を確認したい場合はSIOSへの問い合わせが必要になります。

LifeKeeperメッセージカタログ(Linux) https://docs.us.sios.com/spslinux/9.9.1/ja/topic/combined-message-catalog
LifeKeeperメッセージカタログ(Windows) https://docs.us.sios.com/sps/8.11.0/ja/topic/combined-message-catalog
DataKeeperメッセージカタログ(Windows) https://docs.us.sios.com/sps/8.11.0/ja/topic/message-catalogs
Linux版はv9.9.1、Windows版はv8.11.0のリンクとなります。
Linux版は、LifeKeeperメッセージカタログにDataKeeperのメッセージも含まれます。

 

SNMPトラップによるイベント通知

LifeKeeperは、SNMPトラップでイベント通知することができます。

LifeKeeperのSNMPトラップはOSの機能を使用しているため、Windowsの場合は『SNMP サービス』の機能を追加、Linuxの場合は「net-snmp-utils」(RHEL5以降)または「net-snmp」(SLES11以降)のパッケージ導入を事前に完了しておく必要があります。

WindowsにSNMPサービスをインストールせずLifeKeeperをインストールした場合、LifeKeeperのSNMPトラップ設定がスキップされてLifeKeeperでSNMPトラップで利用できなくなりますので、LifeKeeperの再インストール処理を実行する必要があります。

 

LifeKeeper for LinuxのSNMPトラップ設定方法

    1. CLIにて「/opt/LifeKeeper/bin/lk_configsnmp <IPアドレスorホスト名> –query」コマンドを実行
    2. CLIにて「/usr/share/snmp/snmp.conf」ファイルに”defCommunity <コミュニティ名>”の記載を追加
      (snmp.confファイルが存在しない場合は作成)

 

LifeKeeper for WindowsのSNMPトラップ設定方法

1. Windowsツールのサービスから『LifeKeeper External Interfaces』 を起動(デフォルトは自動起動)

2. Windowsツールのサービスから『SNMP サービス』のプロパティを開き、「トラップ」タブより”コミュニティ名”と”トラップ送信先”を追加

3. Windowsツールのサービスから『SNMP サービス』を再起動

 

SNMPトラップ通知の見方

LifeKeeperのSNMPトラップは、以下のような形式で出力されます。

 
LifeKeeper for LinuxのSNMPトラップ
Aug 27 16:22:18 snmpserver01 snmptrapd[2343]: 2025-08-27 16:22:18 lkserver02 [UDP: [192.168.10.102]:33294->[192.168.10.100]:162]:#012DISMAN-EVENT-MIB::sysUpTimeInstance = Timeticks: (6370) 0:01:03.70#011SNMPv2-MIB::snmpTrapOID.0 = OID: SNMPv2-SMI::enterprises.7359.1.0.100#011SNMPv2-SMI::enterprises.7359.1.1 = STRING: “LifeKeeper Startup Complete”
    • lkserver02      : SNMPトラップ送信元サーバ
    • 100          : トラップコード
    • “LifeKeeper~    : メッセージ

 

LifeKeeper for WindowsのSNMPトラップ
Aug 27 15:42:47 snmpserver01 snmptrapd[2343]: 2025-08-27 15:42:47 192.168.10.99(via UDP: [192.168.10.99]:51372->[192.168.10.100]:162) TRAP, SNMP v1, community public#012#011SNMPv2-SMI::enterprises.7359.1 Enterprise Specific Trap (111) Uptime: 0:06:28.38#012#011SNMPv2-SMI::enterprises.7359.1.1.0 = STRING: “LifeKeeper Manual Switchover Complete”#011SNMPv2-SMI::enterprises.7359.1.3 = STRING: “LKSERVER01″#011SNMPv2-SMI::enterprises.7359.1.3 = Hex-STRING: 32 30 32 35 94 4E 20 38 8C 8E 20 32 37 93 FA 20 #01290 85 97 6A 93 FA 20 31 35 3A 34 32 3A 34 38 20 #01220 20 20 #011SNMPv2-SMI::enterprises.7359.1.3 = STRING: “IP-192.168.10.111
    • 192.168.10.99   : SNMPトラップ送信元サーバ
    • 100          : トラップコード
    • “LifeKeeper~    : メッセージ
    • IP-192.168.10.111 : リソース名

 

使用するSNMPクライアントおよびMIB導入状況によって、表示形式が若干異なる場合があります。
色を付けた部分の内、トラップコードおよびメッセージ以外の意味については「LifeKeeperログの見方」箇所を参照。
トラップコード・メッセージ

各トラップコードおよびメッセージは、SIOS技術情報サイトに一覧が記載されております。

SNMP トラップのメッセージが出力されるケース https://lkdkuserportal.sios.jp/hc/ja/articles/900004364383–Linux-Windows-SNMP
 
特定アラートのみをSNMPトラップ送信するような設定はありませんので、SNMPトラップの受信先で振り分けする必要がある点に注意してください。

 

メールによるイベント通知

LifeKeeperは、メールにてイベント通知することができます。

LifeKeeperのイベントメール通知機能は、mailxまたはs-nailパッケージのメールユーティリティを使用して通知を送信するため、事前にメールユーティリティの導入および設定が必要となります。

メールの設定については、その環境に合わせた設定が必要になります。

 

・LifeKeeper for Linuxのイベントメール通知設定方法

    1. CLIにて「/opt/LifeKeeper/bin/lk_confignotifyalias <送信先メールアドレス>」コマンドを実行

 

イベントメール通知の見方

LifeKeeperのイベントメール通知は、以下のような形式で出力されます。

 
LifeKeeper for Linuxのイベントメール通知

    • 差出人 : 送信元サーバのメールアドレス(メールの設定により異なります)
    • 件名  : メッセージ
    • 内容  : メッセージ(件名と同じ)

 

メッセージ

各メッセージは、SIOSマニュアルサイトに一覧が記載されております。

メールが生成される LifeKeeper のイベント https://docs.us.sios.com/spslinux/9.9.1/ja/topic/overview-of-lifekeeper-event-email-notification

 

一部のイベントのみ送信または除外するような設定はありませんので、メールを受信する環境にて振り分けおよび除外する必要がある点に注意してください。

 

さいごに

今回はLifeKeeperのイベント監視についてご紹介させていただきました。

メール通知に関しては、お客様から問い合わせをいただくことも多々ありますので、少しでも参考になれば幸いです。

 

詳しい内容をお知りになりたいかたは、以下のバナーからSCSKLifekeeper公式サイトまで

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