こんにちは、SCSKの木澤です。
先日2022/8/6に開催されましたコミュニティイベント、DevRel/CONFERENCE 2022のパネルディスカッションに登壇致しましたので、ご報告いたします。
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私のDevRelとの関わりについて
なぜ本イベントに、という説明にあたり、私のDevelopers Relations(DevRel)への関わりをご紹介したいと思います。
きっかけは2019年6月、”社外のコミュニティ活動に巻き込まれて人生観が変わった” 参加者代表としてDevRelコミュニティ勉強会登壇の機会を頂戴したことから始まります。
これをきっかけにDevRelの考え方や各種活動ついて興味を持つようになりました。
その後、同年末の社内のLT大会に登壇しDevRelの考え方を社内に対して発表する等の活動をしておりましたが、自分の業務との関連性を見出すことができなかったことから、当時は「SCSKもサービス提供型ビジネスへの変革途中であることからDevRelの考え方も今後大事になるのではないか?」という漠然とした認識を持つ程度でした。
転機になったのは2020年度よりAWSビジネスの推進チームにジョインしたこと。
プロモーション活動として社内外向けイベントへの企画や登壇、また社内の開発者支援活動として各種施策を実施していくにあたり、こうした社内での活動もDevRelとして位置づけられるのではないか?と考えるようになりました。
現在の活動の概要は昨年末に別の記事として纏めておりますので、宜しければご覧下さい。
DevRelのフレームワークはGAFAM等の大手外資系企業や、国内でもスタートアップ企業を中心に広まっていますので、SIerでの認知はまだまだこれからだと思っています。そんな中、運営の方よりご連絡いただき、SCSKでの取り組みについてご紹介の機会を頂いたというのが経緯となります。
今回のセッションテーマと概要
本セッションのテーマは「SIerだからこそDevRel活動をしよう」ということで、SIerの中で各種施策を進めるにあたっての日々の活動の気付きや苦労話、これから取り組まれる方へのヒントをお伝えするといった企画でした。
モデレーターはマイクロソフトのodashoさん、パネリストはデンソークリエイトの小島さん、伊藤忠テクノソリューションズの片野さんと私ということで以上4名でトークセッションをお届けしました。
特に小島さんに関しては、30代後半より発信活動を始めたことで人生観が変わった記事が大変有名です。
私も各種活動を進めるにあたってアウトプットの大切さを感じており、小島さんの記事を社内メンバーへ紹介するなど活用しておりましたので、共演は大変楽しみにしておりました。
トークテーマと私のお話しした内容
セッションでは自己紹介にて簡単に私の活動についてご紹介した後、各トークテーマについてお話しました。
私からお話しした内容について、改めて説明させていただきます。
当社の取り組みの紹介
本題に入る前に、参考までに当社の活動について紹介します。
「クラウドに強い」SCSKを目指す取り組みとして、開発者支援活動やコミュニティ活動を推進しています。
社内コミュニティ活動においては、自身の経験も踏まえ一連の施策を企画し実施しています。
- 知識を得るための勉強会
- 手を動かす場を提供するもくもく会
- アウトプットする場を提供するエンジニアブログ
活動を開始したきっかけ / 継続のモチベーション
きっかけ
SCSKは古くからクラウドへの取り組みを行っておりますが、残念ながらクラウド業界での知名度が低いと感じています。
その原因を考察するなかで、社外へのアウトプットが少ないのも一因ではないかと考えるようになりました。
これはSIerのビジネス構造にも起因しており、SIerはBtoBのビジネスで顧客/案件単位のプロジェクトで収益を上げているため、そもそも案件獲得は営業担当の役回り。エンジニアはお客様個社向けの提案等に同行することは多くありますが、広く露出することはあまりありません。
またSIerにおいては業種毎のお客様を担当する部署が存在し、インフラ/クラウドを提供する部署は各案件に対して専門知識を提供する階層構造になることが多いので、どうしても「受け身」になりがちです。
そのため「外に目を向けて」アウトプットするマインドを持つインフラ・クラウドのエンジニアは多くないと感じます。
そんなマインドを変革し、アウトプットすることによる技術力向上と当社のアピール、両面を目指したいと思い活動を始めました。
モチベーションについて
クラウドファーストのトレンドである現在、お陰様でクラウドの利用は増えているのは有りがたいことです。
また、私が運営している勉強会やエンジニアブログでアウトプットすることで社外で表彰されたり、社内で評価され新規ビジネスの担当部署に異動することができた等、活躍する社員も現われています。これらの活躍を支援できたことは単純に嬉しいと感じます。
こういったアウトプットベースの活動は当社オリジナルではなく、同様の活動をしている他社様もいらっしゃいます。
但しSIerである当社でこの活動を推進することでの可能性は未知数であり、今後の将来性に期待できると思っています。
こうした「ワクワク」もあり、日々活動しています。
苦労話・克服したポイント
過去の苦労話
私の各種活動は、2017年から開始している社内勉強会から始めたものとなり、はや5年になります。
コミュニティ活動を始めた当初、イベント企画・登壇者の選定等に孤軍奮闘した結果、モチベーションが低下した時期がありました。
その時克服できたのは、社内の勉強会等で培った仲間と助け合う関係ができたことです。
なので現在でも極力他の勉強会等にも極力参加し、協力するように心がけています。
現在の悩み
社内コミュニティの自走化が難しく、私のパッションに依存している状況になってしまっている状況が挙げられます。
背景としてSIerでの評価軸は「収益にどう結びついたのか」がベースにあるため、あくまで「種蒔き」であるイベントでの登壇などエバンジェリスト的な活動は案件獲得の成果としては見えにくく、評価が難しいものとなっています。私のロールを目指す後進が現れてほしいと考えていますが、積極的に(若手)社員を巻き込んで良いのかどうかという点ではジレンマを感じます。
そんな状況の中でも、少しでも自走化を目指すとして、運営状況・企画状況を説明する月例ミーティングを設ける等して、運営メンバーを増やす試みを開始しているところです。
社内で、社外発信する仲間を増やすには
本件が私の施策を進めるにあたり最も重要な項目になり、最も私が心血を注いでいるところです。
本エンジニアブログ TechHarmony は昨年春に立ち上げを行いましたが、エンジニアブログの立ち上げにおいて最初はアーリーアダプターとして社内のコミュニティ仲間を通じた発信をお願いしました。
(元々アウトプットに抵抗がないメンバーを巻き込んだ、という意図)
現在は社内コミュニティの皆さんのお陰で軌道に乗ることができたので、今後は一般の社員からの発信にも期待したく、社内ブログの執筆者やラインマネージャを通じた他部署への働きかけ、社内の説明会を開催したりして寄稿者を増やす努力をしています。
これから始めたい人へのアドバイス
私からは以下3点をお伝えさせて頂きました。
- 社外のコミュニティ活動に積極的に参加してほしい
私も各種活動の発端は、社外のコミュニティ活動に参加し社外の物差しを知ることができたことでした。
社外での評価を得ることは、いちエンジニアとしてのキャリア形成にプラスになりますし、SNS等で社外の交流を深めることで良い情報も得られるようになり、仕事にもプラスになります。
興味ある分野を見つけたら、積極的にコミュニティに飛び込んで、できれば発表まで行って「巻き込まれ力」を鍛えましょう。 - 社内での仲間を作ってほしい
上述もしましたが、心折れないためにも同士は必要かと思います。困ったときに助け合える、仲間を作りましょう。
社内のコミュニティやイベントに参加して興味志向が近い同僚を見つける、また私の場合は社内の同好会に参加し活動することで日頃より情報交換しています。 - 積極的にチャレンジする
SCSKにおいては、社内で目立った活動をしても余り叩かれない文化と感じています。
各社毎の文化の違いはあるかも知れませんが、自身がやりたい/やるべきと思った施策や改善活動は「あったらいいな」と思うだけではなく、仲間を巻き込んで積極的に取り組んでほしいと思います。
最後に
改めて本セッションを企画頂いた Journeyman さん、モデレーターの Shohei Oda さん、共演頂いた 小島 優介 さん、 片野 潤一 さんありがとうございました。
なお本セッションに関しては、小島さんからもアウトプットされているので、記事をご紹介させていただきます。
昨年のDevRel/Japan CONFERENCE 2021を拝見し、機会があれば私も登壇したいなと思っており早速実現できて嬉しい限りです。
本セッションをご覧頂いた皆様において、少しでもキャリア開拓の参考になればと思っています。
なお私の社内のコミュニティ活動においては、現状がゴールだとは思っていません。
エンジニアブログ等でのアウトプットされた情報でリレーションを増やすことができるよう、外部との交流イベントを開催し「触媒」となりたい。当社内だけではなく業界全体を活性化したい、そんな想いで活動しています。
今回の登壇も何かの縁だと思いますので、これをきっかけに今後の活動に繋げていければと思います。
素敵な機会を頂戴し、ありがとうございました! 今後ともよろしくお願いします!