AWSアーキテクチャ図についてちゃんと知る

こんにちは、ひるたんぬです。

先日AWS Summit Japanに初参加してきました。
最初から最後まで、その規模の大きさに圧倒され、あっという間に一日が経っていました。
参加レポについてはTechHarmonyにおいても他の方が書かれると思うので、今回はサミットに参加して、私がふと思った点について書こうと思います。

技術的な内容はありませんので、寝る前の読み物として…などで読んでいただけますと幸いです。

思ったこと

AWS Summitの基調講演や各セッションを見ていると、多くのセッションでアーキテクチャの説明が行われていました。その際に、

〇〇はAPI Gatewayを通してアプリケーションからのアクセスを可能にしています。
ここの部分についてはサーバレスにて設計しています。
などの説明と同時にアーキテクチャ図が投影されていました。
これを見ながら説明を聞くと、「こういう構成をしているのか~」や、「ここってこうじゃないの、なんでだろう…」と、各セッションの取り組みをより深く理解することができるなぁ~と感じました。(なんとなくでも、やっていることや構成が理解できるようになってきたのが嬉しい今日このごろです。)

と同時に、それぞれのセッションで投影されるアーキテクチャ図のスタイルに少なからず違いがあり、「標準的な書き方やガイドラインって何かあるのかな?」と漠然と思ったので、調べてみました。

 

結論

ありました。それも結構細かったです。びっくりしました。

 

具体的には?

AWS アーキテクチャアイコンの配布サイトにてガイドラインを確認することができました。
以下にその内容についてまとめていきます。

ガイドラインはすべて英語で記載されています。
私がまとめた内容と実際のガイドラインに齟齬がある場合がありますので、厳密に確認が必要な場合などは、公式ガイドラインをご確認ください。
「Release 18-2024.02.06」の資料を基に作成しております。

アーキテクチャ図の作成手順

  1. カラーテーマを選ぶ
    アーキテクチャアイコンには、背景色のタイプに合わせて「ライトテーマ」と「ダークテーマ」の2つが用意されています。作成物に合わせてより適切な方を選択します。
    「ライトテーマ」はWebサイト、「ダークテーマ」はプレゼン資料で用いられる傾向があるようです。
  2. リージョンやVPC(”Groups”と表現されています。)を配置する
    大枠の構造として、グループを配置します。
  3. アーキテクチャアイコンやリソースアイコンを配置する
    アイコンセットから必要なアイコンを選択し、適切な位置に配置します。
  4. 矢印でそれぞれのアイコンを結ぶ
    矢印でアイコンを結び、ワークフローを表現します。
  5. 【オプション】ステップを追加する
    アーキテクチャ図内に番号を付与することで、手順をわかりやすく表現できるようにします。

縦長なレイアウト(Wordやブログ記事など)の場合

この場合はPowerPointのスライドを縦長に設定し、アーキテクチャ図を作成します。

  1. PowerPointで「新しいプレゼンテーション」を作成する
  2. スライドのサイズを変更する

    「デザイン」→「スライドのサイズ」より「ユーザー設定のスライドのサイズ」を押下します。
    幅に「6.5″」、高さに「8.75″」と入力し、「OK」を押下します。
    背景色は白色に設定しておきます。
  3. ガイドラインに従いアーキテクチャ図を作成する
    上記「アーキテクチャ図の作成手順」を参考にしてください。
  4. 図として貼り付ける

    作成したアーキテクチャ図をすべて選択しコピーし、Wordにて「図として貼り付け」をします。
ブログ記事への貼り付け時や画像ファイルで保存したい場合などは、すべて選択したあとに右クリック→「図として保存」を選択することで可能です。

“Training and Certification” の場合

過去のガイドラインでは、スライド投影時のガイドラインとして記載されていたようですが、タイトルが変更されています。直訳すると「トレーニングと認定」ですが、これが何を指しているかはガイドラインから理解することはできませんでした…
過去のガイドライン記事の参考:株式会社BeeX 「AWSのアーキテクチャ作図ガイドラインを確認してみた」
  • テキストサイズと色について
    テキストサイズは「16pt」で「黒色」にしてください。
  • アイコンサイズと色について
    アイコンサイズや色は変更しないでください。
  • 線の太さと色について
    線の太さは「2pt」で、色は変更しないでください。
アイコンや線の色を変更しない理由として、アクセシビリティの検証を行っているためとありました。

各種デザインの使用上の注意

以降では、種類別にアーキテクチャ図に挿入する上での注意事項が記載されています。

グループ(VPC, サブネットなど)

  • サイズの変更方法
    枠の右下を選択して実施してください。
  • ネスト(入れ子に)する場合
    それぞれのグループの線の間に最低でも0.05″の間を空けてください。

引用:AWS 「AWS アーキテクチャアイコン PowerPoint用ツールキット

プリセットに適したものがない場合は”genetic group”を使用すること
必要に応じて自分でカスタムグループを作成すること
カスタムグループの雛形が用意されているため、アセットにあるアイコンと入れ替えて使用します。
入れ替えるアイコンはサイズ(ファイル名などに”32″とあります)や拡張子(.svg)の指定があります。
未承認のAWSアイコンを使用してグループを作成すること
グループに設定するアイコンのサイズを変更すること

アイコン

  • サイズの変更
    プレゼンテーションで使用する場合のみ拡大・縮小が許可されています。
    縦横比を維持するため、Shiftキーを押下したままサイズの変更をしてください。
    プレゼンテーション以外の用途では、サイズの変更はしないでください。
アイコンのトリミングをすること
アイコンを反転・回転すること
アイコンの形を変えること

矢印

  • プリセットを使用
    矢印はプリセットよりコピーして使用してください。
    サイズ(長さ)を変更する場合はShiftキーを押下したまま行ってください。
    → 同一直線上でサイズ変更ができます。
可能な限り直線と折れ線(直角)で各アイコンをつなぐこと
できない場合は、対角線(斜め)でつないでも良い
プリセットの矢印の形状が利用できない・存在しない場合はデフォルトの形状で使用すること
プリセットやデフォルト以外の形状の矢印を使用すること

アイコンラベル

  • フォントについて
    書体は「Arial」で、フォントサイズは「12pt」にしてください。
  • ラベルの改行について
    サービス名は2行以内に収める必要があります。
    また、”AWS”や”Amazon”と付く場合には、そのあとに続くサービス名を同じ行に含めなければなりません。そして、単語の途中で改行することは禁止されています。(下図参照)

引用:AWS 「AWS アーキテクチャアイコン PowerPoint用ツールキット

ドキュメント内で正式名称に言及せずに、略称のみ記載すること
略称が重複すること
例)ELB:Elastic Beanstalk, Elastic Load Balancing

番号吹き出し

  • スタイルについて
    黒丸に白色の字で番号を記載します。(アーキテクチャ図内で目立つようにするため)
    アーキテクチャ図の複雑さに応じて2種類のフォーマットが用意されています。
できる限り直線的に番号を順に振ること
左から右、上から下、時計回りなどに振ってください。
吹き出しの位置はなるべく統一すること
同一アーキテクチャ図で、サイズの異なる吹き出しを使用すること
文字や記号など、数字以外をラベルとして使用すること
吹き出しのサイズを手動で変更すること
新しい形の吹き出しを作成すること

 

おわりに

今回は技術的な内容とは少し離れましたが、AWSに触れる方の多くは一度は見ているであろうアーキテクチャ図について、そのお作法があるということを改めて知ることができました。今まで業務やこのブログにおいて何回かアーキテクチャ図を書いていましたが、ガイドラインに準拠していないところだらけで、少し恥ずかしく思っております。

ガイドラインに沿って作成することで、自然と見る相手にも分かりやすいアーキテクチャ図になると思うので、作図の練習を通してこのガイドラインを身につけていきたいなと思いました。

 

余談ですが…

この度AWS Japan APN ブログ弊社プレスリリースでも発表がありましたが、私(蛭田)は「2024 Japan AWS Jr. Champions」に選ばれました!

入社から一年と少し、そしてAWSに触れ始めてからおよそ半年でここに選出いただけたことはとても光栄であり、今までの取り組みを認めていただけたのだと達成感を感じております。ですが、これに満足しておしまい…では決してありませんので、限られた任期(1年)の中を後悔することのないように日々邁進してまいります。

著者について

2024 Japan AWS Jr. Champions

ひとこと:
同期に「おじさん」とよく言われます。なぜなのでしょうか…

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