HAクラスター/LifeKeeper用語説明1

こんにちは、SCSKの前田です。

HAクラスターソフトウェアである LifeKeeper を利用するにあたり、一般的の用語や専門的の用語が出てきます。
今回は、皆さんがクラスターソフトを少しでも身近に感じられるよう、各用語について説明していきたいと思います。

HAクラスターとは?

LifeKeeper が HAクラスターソフトウェアと言うことで、HAクラスターから説明したいと思います。

この「 HA 」とは、「 High Availability 」、日本語に訳すと高可用性となります。
また「クラスター」とは、複数のサーバーをまとめて1台のサーバーとして見せるシステムの事を指します。

よって、HAクラスターとは、サーバーを複数台使用して、冗長化することで障害が発生したとしてもシステムの停止時間を最小限に抑え、業務の可用性(Availability)を向上させるクラスターシステムとなります。

もし、業務が稼働しているサーバーで継続が不可能な障害が発生した場合、他の正常なサーバーに業務の切り替えが行われ、システム全体として業務が継続されるようになっています。

業務用のアプリケーションが起動しているサーバーで障害が発生しても、違うサーバーで同じ業務用のアプリケーションが起動させるので、業務が続けられるんだね。

ノードとは?

続いて、LifeKeeperでも良く登場する、ノードについて説明したいと思います。

「ノード」(node)とは、「結び目」「集合点」「節」といった意味になるようです。

Wikipediaによると、下記の通り項目によってさまざまな内容が出てきます。

ノード (ネットワーク) – ネットワークの節点。
ノード (グリーンランド) – グリーンランド北東部にある基地。
頂点 (グラフ理論) – グラフ理論における頂点や節点。ノードとも呼ばれる。
節点 (言語学) – 統語論において、範疇表示のある点。
Nord – クラビアのシンセサイザー製品。
Node.js – V8 JavaScriptエンジン上に構築されたJavaScript実行環境

そこで、LifeKeeperとしてのノードに関しては、ずばりクラスターを構成するサーバーの事を意味します。
例えば、1台のサーバーでご利用いただく Single Server Protection であれば1ノードでの構成になり、LifeKeeperを使って2台のサーバーでクラスターをご利用いただく場合、2ノードでの構成となります。
それ以上に可用性を高めるため3台のサーバーでクラスターをご利用いただく場合、3ノードでの構成になります。

      

LifeKeeperのライセンス購入も、ノード単位となっています。

リソースとは?

「リソース」(resource)とは「供給源」「資源」「財源」など資源を意味する英語です。物質的なものに限らず、様々な分野における抽象化された資源を表す用語として広く使われいます。

LifeKeeperでは、保護するアプリケーションやファイルシステム(共有領域)や仮想IPアドレス等、「リソース」として管理しています。アプリケーションやファイルシステム毎を個別にリソースが作成され、作成されたリソースに対し、停止や開始が行えるとともに自動で監視が行われ、異常と判断された場合は自ノード上で再起動が行われます。(設定によってリソースの再起動を無効にすることが可能です。)それでも異常が解消しない場合は他ノードへの切り替えが自動的に行われます。

稼働系と待機系とは?

「稼働系と待機系」とは、どの様な事なのでしょうか?

LifeKeeper等のHAクラスターソフトウェアとしては、複数台のノードを冗長化し、まとめて1つのノードとして見せるシステムになっています。

具体的には、複数台のノードでリソースが開始されているノードもあれば、リソースが開始されていない(停止されている)ノードも存在することになります。
このリソースが開始されているノードの事を稼働系ノードと言います。逆にリソースが停止されているノードの事を待機系ノードと言います。

フェイルオーバーとは?

LifeKeeperをはじめとしてHAクラスターソフトウェアで良く耳にする用語として、フェイルオーバーがあります。
この「フェイルオーバー」について説明したいと思います。

「フェイルオーバー」とは、稼働系ノードでサーバーやリソース等の問題が発生し、業務が続行できないような状態になった際、稼働系ノードから待機系ノードへリソースの状態を自動的に切り替えることを言います。

LifeKeeperでは、人の手を介入することなくソフトの観点から、ノードの異常やリソース(アプリケーション等)の異常を自動で検知し、障害と判断された場合は、自動的に稼働系ノードから待機系ノードに切り替えることで、業務を停止してしまう時間を極力減らすことが出来るソフトウェアになっています。

スイッチオーバーとは?

HAクラスターソフトウェアとして「フェイルオーバー」に似ている言葉として「スイッチオーバー」があります。
最後に「スイッチオーバー」について説明したいと思います。

稼働系ノードにてメンテナンスやバックアップ等、何らかの理由によりOSを停止する必要があるが、業務はそのまま停止したくない場合があります。そのため、稼働系ノードでの業務を待機系ノードに切り替える必要があります。
このように、稼働系ノードで開始しているリソースを手動で待機系ノードに切り替えることを「スイッチオーバー」と言います。

「スイッチオーバー」を実施することで、一旦稼働系ノードのリソースが停止され、待機系ノードでリソースが開始される処理が実行されるため、一時的に業務が途切れる事象が発生します。
そのため、「スイッチオーバー」を実施する際は業務が一時的に途切れても問題のない時間帯に実施する必要があります。

まとめ

今回はHAクラスターソフトウェアであるLifeKeeperで良く使われている用語について説明して来ましたが、いかがでしたでしょうか?少しでもLifeKeeperを身近に感じて頂けたら幸いです。
次回はLifeKeeperの内部で使われている機能の用語について説明したいと思いますので、お楽しみに!

公式ホームページ:「LifeKeeper」で安定稼働を実現 | SCSK株式会社

著者について

LifeKeeper業務に携わり早6年、愛犬との散歩が日課のおじさんです。

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