皆さま、こんにちわ。社内でOCIプリセールスを担当しております、越水と申します。
2025年度はOracle Cloud Infrastructure(以後、OCI)に関するブログ記事を定期的に発信していこうと思い、
この度、キーボードとマウスを取りました。どうぞよろしくお願い致します。
記念すべき一つ目の記事ですが、2024年12月に当課内のOCI技術担当者が行った、オラクルの生成AI戦略における重要ピースである「OCI Generative AI(RAG Agent)」「Oracle 23ai(Vector Search)」「Autonomous Database(ADB)」の3つの要素を組み合わせた検証を行いましたので、その概要について触れたいと思います。
本記事では、OCIのAI関連技術の最前線と、その業務適用の可能性について、実際の構築と検証を踏まえてご紹介します。
検証の背景と目的
私たちは主にOracle Database、Oracle H/W、OCIを取り扱っており、以下のミッションを持って日々、業務を行っています。
- OCIやOracle Databaseの新機能を深く理解すること
- OCIの機能をキャッチアップし、社内外への提案力を強化すること
最近はOCIの検証環境を使った技術検証やサービス開発に取り組んでおります。
今回は、流行りの生成AI系のサービスについて検証を行ってみることとして、当課で持つOCI環境上で以下の3つのサービスを統合した実環境を構築し、技術検証を行うことにしました。
- OCI Generative AI RAG Agent(生成AIによるエージェントサービス)
- Oracle 23ai Vector Search機能(Embedding × 高速検索)
- Autonomous Database(ADB) 上に構築したナレッジベース
検証内容と構成
今回の検証で構築した全体構成は以下の図となります。
ステップ①:RAG Agent の環境構築
OCI上に生成AIエージェントを構築。
ステップ②:ADBとの統合
Vector Searchのインデックス対象となるベクトルデータは、ADB上に格納。
Object Storageからデータを取り込み、ベクトル化し、検索用インデックスとして利用。
ステップ③:Vector Search連携
RAGのナレッジソースとして、23aiのVector Search機能を使う構成を検証。
独自ナレッジをEmbeddingし、類似検索の結果をもとに生成AIが回答する設計です。
システム全体像(構成のポイント)
- データ格納:Object Storage → ベクトル化 → Vector Store(ADB内)
- 検索&生成:RAG AgentがVector Search結果をもとに自然文生成
- オーケストレーション機能:Agent間の連携も可能(今後拡張予定)
実際の業務適用を見据えて
本検証では、以下のようなユースケースを想定しました。
- 我々が日々行うOracle保守業務における「問い合わせ履歴」をナレッジ化し、RAGで問い合わせへの回答の支援ができるか?
この仕組みを実用化できれば、社内ヘルプデスク・FAQ対応の効率化や、技術ナレッジ共有の自動化の前進が期待できます。
まとめ
今回は、「OCI Generative AI(RAG Agent)」「Oracle 23ai(Vector Search)」「Autonomous Database(ADB)」の3つの要素を組み合わせた検証環境の概要を説明しました。
次回は、23ai ベクトルデータ取り込みからVectorSearchを実施するまでの流れについてのブログ記事をアップロードしたいと思います。