Route53 マスターに向けて(基礎編)

こんにちは、社会人2年目の秋葉です!

最近、本格的にAWS関連の案件にアサインされ、インフラ構築や運用に関わる機会が増えてきました。
これまでの学習や研修とは異なり、実務でAWSに触れる中で、「ドメイン名の管理って意外と奥が深いな…」と感じる場面が多くなってきました。
DNS解決といったら、みなさんご存じ「Route53」ですが、社内のナレッジ(TechHarmony)を調べてみると、Route 53について詳しくまとめられた記事や事例が意外と少なく、体系的に学ぶにはやや苦労する印象を受けました。
そこで本記事では、これからAWSを扱う方や、Route 53をあまり理解してない方々に向けて、Route 53の主要機能を紹介していこうと思います!!
この記事をみたらRoute53マスターに近づけること間違いなしです!

Route53とは

突然ですが、インターネットを「大きな街」と考えてみましょう。
行きたいお店があったとき、あなたはどうやってそこにたどり着きますか?

もちろん、目的地をスマホで検索して向かうはずだと思いますが、住所まで丁寧に調べてなどいませんよね…、
インターネットの世界でも同じように、「192.0.2.1」とか「54.213.88.45」みたいな数字の羅列であるIPアドレスなど正直覚えられません…。

そんなときに活躍するのが「DNS(Domain Name System)」という仕組みです。

DNSは、インターネットの住所録のようなもので、「example.com」などの覚えやすい名前を、「192.0.2.1」などのIPアドレスに変換してくれる役割を担っています。これによって、私たちは難しい数字を覚えることなく、目的のWebサイトにスムーズにアクセスできています。

そして、このDNSの役割をクラウド上で高い信頼性・スケーラビリティをもって提供してくれるサービスが Amazon Route 53 です。Amazon Route 53は、AWSが提供するマネージドDNSサービスで、以下のような特徴があります。

  • ドメイン名とIPアドレスの変換(名前解決)を高速かつ安定して提供

  • 自動でのフェイルオーバーやヘルスチェック機能による可用性の向上

  • AWSの他のサービスとの統合による柔軟なシステム構成

  • 世界中のDNSサーバーネットワークによる高速レスポンス

つまり、Route 53を使えば、柔軟で信頼性の高いDNS環境を簡単に構築・管理できるというわけです!
これから、Amazon Route 53の基本的な使い方や設定のポイントについて、具体的にご紹介していきます。

 

ここで余談なのですが、「Route 53」という名前は、アメリカの有名な国道「ルート66」にちなんでいるそうです。
「情報のハイウェイを安全に導く道しるべ」という意味合いが込められており、53はDNSで使われるポート番号「53番」に由来しています。

 

マネージドコンソールで見たRoute53

さっそくAWSマネージドコントロールでRoute53を見てみましょう!
本記事(基礎編)では赤枠の部分の機能を中心に説明していきます。

以下のようなメニュー構成になっていません。
見慣れない用語など、最初は少しとっつきにくく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば直感的です。

  • ダッシュボード:サービスの全体状況やゾーン一覧を確認できます。
  • ホストゾーン:DNSレコードの設定を行うエリアです。ここでドメインごとにレコードを管理します。
  • ドメインの登録:Route 53で独自ドメインを購入・管理する機能です。
  • ヘルスチェック:指定したエンドポイントの状態を監視できます。
  • プロファイル:登録した設定値を他VPC内に反映することができます。

ホストゾーンとは

ホストゾーン(Hosted Zone)とは、あるドメイン名に対してのDNSレコードを管理するための領域です。
例えるなら「1つのドメインのDNS設定をまとめて管理するフォルダ」と考えるとわかりやすいです!

例えば、「example.com」 といったドメインを使う場合、そのドメイン用にホストゾーンを作成し、その中に「Aレコード」や「CNAMEレコード」などのDNSレコードを登録していく流れとなります。(※レコードについては後ほど説明)

パリックホストゾーンとプライベートホストゾーンの違い

上の画像でもわかるように、ホストゾーンには 「パブリック」 と 「プライベート」 の2種類があります。
違いは次の通りとなっています。

種類 特徴 主な用途
パブリックホストゾーン インターネット全体からアクセス可能 Webサイトの外部公開など
プライベートホストゾーン VPC内部のみで名前解決可能 社内システムや検証環境など

パブリックゾーンでは、インターネットに公開するドメイン(例:public.example.com)を管理し、世界中からアクセスされるWebサービスなどに利用します。

一方、プライベートゾーンはVPCと紐づけて使い、特定のネットワーク内だけで有効な名前解決を行います。用途としては、社内システムや検証環境を構築するケースが多いです。

DNSレコード(A / CNAME / MX / TXT)とは

DNSレコードとは、「特定のドメインにアクセスしたときに、どのサーバーと通信するか」を決めるための設定情報です。
例えば、「example.com といったドメインにアクセスすると、IPアドレスが 192.0.2.1 のサーバーに接続される」といった情報は、Aレコードと呼ばれるDNSレコードによって管理されます。

DNSレコードにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる役割を担っています。
今回は多数のレコードのうちで、よく使う4つのDNSレコードを簡単に紹介します!

レコード名 説明 用途
Aレコード 「ドメイン名」と「IPv4アドレス」を紐付ける。 Webサーバーやメールサーバーなど、IPv4で通信するサービスの宛先指定 名前IPv4
CNAMEレコード 「あるドメイン名」を「別のドメイン名」に変換する。 サービス名やサブドメインのリダイレクト、可用性向上のためのエイリアス利用など 名前別名
MXレコード メールの配送先を指定する。 メールサーバーの冗長化(複数定義可能)、受信ドメインの設定 メール配送先
TXTレコード テキスト情報をDNSに設定する。 サービス連携のドメイン所有確認、テキスト情報の登録 テキスト情報

ヘルスチェックとは

ヘルスチェックとは、特定のエンドポイント(例:WebサーバーやAPIなど)が正常に動作しているかを定期的に確認し、問題が発生した際には自動的に別の健全なエンドポイントへトラフィックを切り替えることで、サービスの継続性を保つ仕組みです。

 

プロファイルとは

Route 53のDNS関連設定(プライベートホストゾーン、Resolverの転送ルール、DNSファイアウォールルール)を「プロファイル」というひとまとまりで定義でき、そのプロファイルを、同じリージョン内の複数のVPCに一括適用できるようになります。

おわりに

ここまで、AWS Route 53の主要な機能について解説してきました。

私自身、実際に業務でRoute 53を使う中で、「DNSの奥深さ」や「どんな場面で何を使うか」を肌で感じることが多く、学び直すたびに新たな発見がありました。

最初は専門用語や仕組みに戸惑うことも多いかと思いますが、本記事が、「Route 53ならこういうことができる!」「この機能はこんな場面で役立つ!」という気づきのきっかけになればとても嬉しく思います。

本記事で紹介したポイントを軸に、ぜひ自身のプロジェクトや業務の中でRoute 53を活用してみてください。
これからAWSを使うみなさんの挑戦や成長の一助になれば幸いです。

ぜひ一緒に、“Route 53マスター”を目指して頑張りましょう!

著者について

かけだしのエンジニア。

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