Amazon Novaは、AWSが提供する基盤モデルです。
2024年12月3日にリリースされ、Amazon Bedrockで利用することができます。
サービス開始後約半年が経過し、モデルの追加や活用事例なども出てきました。
この記事では、改めてAmazon Novaについて基礎から理解し、活用方法をイメージできるような内容をまとめました。
Amazon Novaについて知らないので理解したい方、おさらいしたい方におすすめです。
Amazon Novaとは
さて、Amazon Novaについて詳しく見ていきましょう。

Amazon Novaって何なのかな?

AWSが提供するAIモデルで、テキストだけでなく画像、動画、音声を扱うことができるんだよ。
Amazon BedrockではAIプロバイダーより提供される多くのモデルを選ぶことができますが、AWSが提供するモデルも含まれており、それがAmazon Novaです。
モデルファミリー | 入力 | 出力 | 特徴 | 対象言語 | 対応リージョン |
Amazon Nova Micro | テキスト | テキスト | ・極めて低レイテンシー、非常に低コスト・高速応答 | 200以上 | アジアパシフィック (東京、シドニー)、米国東部 (バージニア北部)、欧州 (ロンドン)、AWS GovCloud (米国西部) |
Amazon Nova Lite | テキスト, 画像, 動画 | テキスト | ・超高速、非常に低コストのマルチモーダル
・インタラクティブでハイボリュームな用途に最適 |
200以上 | アジアパシフィック (東京、シドニー)、米国東部 (バージニア北部)、欧州 (ロンドン)、AWS GovCloud (米国西部) |
Amazon Nova Pro | テキスト, 画像, 動画 | テキスト | ・精度、速度、コストのバランスが取れた高性能マルチモーダル
・動画要約、AIエージェントなどほぼ全てのタスクに対応 |
200以上 | アジアパシフィック (東京、シドニー)、米国東部 (バージニア北部)、欧州 (ロンドン)、AWS GovCloud (米国西部) |
Amazon Nova Premier | テキスト, 画像, 動画 | テキスト | ・ファミリーで最も高性能・複雑なタスクや、他モデルを教育する「教師役」に最適 | 200以上 | 米国東部 (バージニア北部) |
Amazon Nova Canvas | テキスト、画像 | 画像 | ・プロ級の画像を生成・編集できる画像モデル
・配色の調整やレイアウト制御も可能 |
英語 | アジアパシフィック (東京)、米国東部 (バージニア北部)、欧州 (アイルランド) |
Amazon Nova Reel | テキスト、画像 | 動画 | ・高品質な動画を簡単に作成できる動画モデル
・自然言語でカメラモーションなども制御可能 |
英語 | アジアパシフィック (東京)、米国東部 (バージニア北部)、欧州 (アイルランド) |
Amazon Nova Sonic | 音声 | 文字起こし、音声 | ・人間のようなリアルタイム音声会話を実現する音声モデル
・スムーズな対話や関数呼び出しに対応 |
英語 (米/英アクセント)、スペイン語 | アジアパシフィック (東京)、米国東部 (バージニア北部)、欧州 (ストックホルム) |

ほとんどのモデルは東京リージョンで使えるんだね。
テキストのモデルはAmazon Nova Micro, Lite, Pro, Premierがあり、それぞれ賢さと費用が異なります。
200以上の言語に対応しているため、幅広く利用することができます。
Amazon Novaを使ってみる
実際にAmazon Novaを使ってみましょう。
どのような手順で利用できるかを見ていきます。
モデルを使えるようにする
- AWSマネジメントコンソールより、Bedrockを選択します
- Configure and learnより、モデルアクセスを開きます
- モデルアクセスを変更より、Novaファミリーにチェックをつけ送信を押します
- 少し待つと、アクセスが付与されましたと表示され、利用できるようになります
何故すべてのモデルが最初から有効化されていないのでしょうか。
気になったためAmazon Qに聞いたところ、いくつかの重要な理由からアクセスリクエストを求めているようです。
いくつかポイントを抜粋します。
リソース管理:明示的なアクセスリクエストを要求することで、AWS はこれらの強力なモデルのリソースをより適切に管理および割り当て、すべてのユーザーに最適なパフォーマンスを確保できます。
コスト管理:基盤モデルは計算負荷が高い場合があります。アクセスリクエストを要求することで、お客様がこれらのリソースを積極的に利用することを保証し、予期せぬコストの発生を防ぐことができます。
コンプライアンスとガバナンス:組織によっては、特定のコンプライアンス要件や社内ガバナンスポリシーを設けている場合があります。アクセスリクエストプロセスにより、管理者はこれらのポリシーに沿ってモデルの使用状況を確認し、承認することができます。
ユースケースの検証:Anthropic などの一部のモデルでは、AWS はユーザーにユースケースフォームへの記入を求める場合があります。これは、モデルが適切に使用され、AWS の責任ある AI 原則に準拠していることを確認するためです。
ライセンス契約の承諾: 一部のモデルでは、アクセスを許可する前に、特定のエンドユーザーライセンス契約 (EULA) を確認し、同意する必要があります。
Playgroundで使ってみる
- Bedrockの Chat / Text playgroundを選択します
- モデルを選択にて、Amazon Nova Proなどのモデルを選びます
- 設定欄でパラメータを選択し、チャットを実行します

こんなに簡単に使えるんだね。

Playgroundは、Amazon Bedrockをマネジメントコンソール上で簡単に試すことができるんだ。
Chat / Text playgroundではテキストを出力するモデルを扱うことができますが、Image / Video playgroundを選択することで、Nova CanvasやNova Reelといったモデルを試すこともできます。
Amazon Novaのビジネス活用
Amazon Novaは利用できるようになってからまだ半年程度ですが、実際に企業でビジネス活用した事例も出ています。
マーケターの時間を“解放”する。生成AIで切り拓く次世代マーケティングの兆し
電通デジタルさんにおけるAmazon Nova CanvasとNova Reelの活用事例です。
広告バナーを作成するため、過去人手で行うことで数週間かかっていた工程が、Nova Canvasの導入により最短10分程度になっています。
また、Nova Reelにより動画背景の作成や修正も効率化しています。
AWSの環境で画像や動画を生成できるというのは、既にAWSを利用している場合にはハードルが低く使いやすいのかもしれません。
おわりに
この記事ではAmazon Novaに関する基本的な内容と活用事例をご紹介しました。
生成AIをビジネスに導入する際、様々なモデルがあり比較検討に迷うことがあるかもしれません。
また、モデルの進歩は日進月歩であり変化しています。
今回ご説明した内容が少しでもお役に立てれば幸いです。
また、実際にAWSのコンソールから触ってみると、よりイメージがつきやすいのでおすすめです。