はじめまして。こんにちは。SCSKの髙橋です。
ServiceNowのライセンスの考え方が複雑でわからない、と質問いただくことが多いので
今回はITOM(IT Operations Management)について書いてみようと思います。
基本的な考え方
- 課金の単位
ITSM、CSMなどはユーザー単位の課金です。
ServiceNow社の資料などは月額で書かれていることも多いので注意です。
ITOM、HAMなどはサブスクリプションユニット単位。
SAMはサーバー単位。
SecOpsは脆弱性管理は、デバイス単位、セキュリティインシデント監理はユーザー単位だったりします。
- 契約期間
月額で書かれていることも多いですが、契約は1年単位ですが、3年契約がおすすめです。
1年契約だと割高になってしまうようです。
- ライセンスのパッケージ
だいたいStandard/Professional/Enterpriseと三段階用意されていることが多いです。
三段階に分かれていないサービスもあります。
主な違いは使える機能の種類です。
カスタムテーブルを作れる数の上限など、一部数量的な違いがあるサービスもあります。
- オプションやアドオン
データの暗号化とか生成AI機能とかはオプション購入する必要があります。
Professional以上じゃないと使えないオプションなどライセンスのパッケージと関係がある場合があります。
これが結構複雑なので、自分達のやりたいことがどのライセンスパッケージで使えるのか、
きちんと確認しましょう。
ITOMのサブスクリプションユニット課金の考え方
ITOMは、IT運用高度化ソリューションです。
ITOMはサブスクリプションユニット(SU)単位の課金です。
ServiceNow独自の重み付けがされたデバイス単位、という感じでしょうか。
具体的に書いてみますと、、、
物理サーバーや仮想サーバーは、1台で1SUですね。これはわかりやすいです。
PaaS 3個につき、、というのは、例えばAWS RDSとかAzure Active Directoryとかを1個とカウントします。
FaaSは、AWS Lambdaとかですね。
PCは、エージェントを入れて情報収集しているものに限るようです。
エージェントレスで情報収集できる場合は、課金対象外。
ITOMの機能群
ITOMは、大きくわけて3つの機能群に分かれます。
- Visibility
- Health
- Cloud Accelerate
Visibilityは、構成管理を自動化します。システム構成情報を自動収集、構成管理データベース(CMDB)を最新状態に
保ちます(Discovery)。構成情報とサービスを紐付け、グラフィカルに見えるようにします(ServiceMapping)。
Healthは、障害対応を自動化します。AIを活用し、イベントを一元管理します。
イベントの相関関係を可視化し、根本原因の対処を早期化します。
Cloud Accelerateは、クラウド運用をプロセス化し、管理を効率化します。
マルチクラウドのコストを一元管理し、サービスカタログを使ってプロビジョニングを自動化します。
ITOMのライセンスのパッケージ
ITOMは、ライセンスの種類によって使える機能が違います。
- Visibility
- Cloud Accelerate
- AIOps Professional
- AIOps Enterprise
Visibilityの機能(DiscoveryやServiceMapping)を使いたいなら、Visibilityのライセンスです。
Cloud Accelerateの機能(マルチクラウド管理やクラウドプロビジョニングの自動化)をしたいなら、
Cloud Accelerateのライセンスとなります。
AIOpsは、Professionalだと、Visibilityの機能に加えて、Health(イベント管理の一元化など)が利用できます。
Enterpriseになると、Cloud Accelerateの機能も加わって、IT運用全体の高度化が可能となります。
ちなみに、CMDBは、プラットフォームで提供される機能なので、
ITOMに限らずServiceNowを契約すると利用できるものです。
一つ一つ登録するか、データをインポートする等でCMDBを作成することが可能ですが、
煩雑な更新作業により最新化が漏れてしまうこともあります。
鮮度の高いCMDBは、運用を高度化させるためのまさに基盤、土台と言えるでしょう。
アドオン、オプションの種類
アドオンもたくさんあって、増え続けているので書ききれないのですが、最低限こんな感じかと。
- ITOM Professional Plus:Now Assist for ITOMというAIを使うためのライセンスで同じくSU単位課金です。
Visibility関連では、構成情報に関する履歴をサマリ出来たり、自然言語で検索することができます。
Healthでは、アラートのトリアージやビジネス影響の分析が可能です。
※Pro Plusを購入するには、前述のAIOps Pro以上の契約が前提となっていますので、注意してください。
- Platform Encryption:インスタンス全体の暗号化オプションです。
- Impact:ServiceNow社のサポート契約で、ライセンスとは別に有料の契約が必要です。
サポートのサービスレベルによってプランが複数用意されています。業務の重要性に応じて検討しましょう。
専任のエンジニアがつく最高位のプランもあります。
あとは、様々な他社製品のデータをServiceNowで統合したい場合は、
Workflow Data Fabricという別のサービスの購入が必要です。
他は、、、
ITSM、ITOMと書いてきましたが、ServiceNowにはまだまだたくさんの製品があります。
次は、Security書いてみようかな。
乞うご期待。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

