みなさん、こんにちは。 SCSKの石井です。
今日は、AIの歴史について触れて行きたいと思います。さてさてAIが当たり前になってきている世の中になってきている中ではありますが、皆さんはAIって世代別に分かれているっていうことご存知でしたでしょうか。 では今は何世代なの? あまり詳しくない方向けにも簡単にAIの歴史をご説明していきたいと思います。
筆者の私が子どものころ、最初に”AI”と聞いたのは、家庭用ゲーム機のRPGとして本格的なAI戦闘システムを初めて導入し大ヒットさせた作品、
そう!『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(1990年発売:FC版)でしたね。(年齢がバレてしまう・・・汗)
当時は 【AI初登場!】と話題を呼び、 5章の仲間は全員強制AIで戦うほど敵の弱点を学習する仕様でしたが、クリフトがボスにザキを連発したり、
オイオイ、ここでこの呪文使うんかい!って、、自動戦闘は楽ではありましたが思った動きにならなかった珍行動も今では懐かしい。
そろそろ真面目な話にもどります。昨今の生成AIブームを見ていると、まるで人工知能が人類の知性を追い抜く一歩手前まで来ているかのような錯覚を覚える。
しかし、黎明期からこの世界に身を置き、数々の「冬の時代」と「熱狂」のサイクルを見つめてきた身からすれば、現在の地平はまだ大いなる旅路の中継地点―
―すなわち「第3.5世代」に過ぎない。本稿では、AIの歴史を単なる年表としてではなく、技術的なパラダイムシフトの歴史として紐解き、我々が今どこに立ち、
どこへ向かおうとしているのかを独創的な視点から考察してみます。

1. 記号と探索の時代:第1次・第2次ブームが遺したもの
AIの歴史を語る上で、1950〜60年代の「第1次ブーム(推論・探索)」と、1980年代の「第2次ブーム(エキスパートシステム)」を避けて通ることはできない。
初期のAI研究は、人間の思考を「記号処理」としてモデル化できるという強い信念に基づいていた。ハノイの塔を解く、チェスを指すといったルールと枠組みが明確な世界において、AIは圧倒的な実力を示した。しかし、現実世界の曖昧さや、知識をすべて記述することの不可能性(知識獲得のボトルネック)に突き当たり、
研究は一度暗礁に乗り上げる。
ここで面白い視点を提示したい。先ほど冒頭で述べた昭和のゲーマーなら誰もが知っている国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズ。その戦闘シーンにおける
「オレの作戦通りに動け!」と思わせる初期のAI行動コマンド(「ガンガンいこうぜ」「いのちだいじに」など)は、技術的にどの世代に位置するのだろうか。
結論から言えば、これはまさに「第1次〜第2次世代のハイブリッド型ルールベースAI」の極致である。
キャラクターのステータスや敵のHP、耐性といった確定情報を条件分岐(If-Thenルール)の巨大な木構造(探索ツリー)に流し込み、スコアリングによって最適な
行動を選択する。この設計は、人間の知識を記述してコンピュータに代行させるエキスパートシステムの思想そのものだ。
限られたROM容量のなかで、いかに「賢い仲間の動き」を演出するか。当時の開発者たちの凄まじい職人技がそこには凝縮されていた。
2. 日本の数理脳科学の巨星、甘利俊一氏とゲームへの情熱 ※甘利氏について、後日別記事で詳しく掲載
実は、この日本のゲーム文化とAI研究の根底には、非常に興味深い交差点がある。日本のAIレジェンドであり、数理脳科学・認知科学の世界的権威である甘利俊一氏(東京大学名誉教授)の存在だ。甘利氏は、現在主流となっているディープラーニングの基礎理論である「誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)」が世界的に脚光を浴びるよりも遥か前、1960年代後半の時点で、すでに確率的勾配降下法による多層ネットワークの学習理論の基礎を築いていた天才数理科学者である。
この、世界のAIの歴史をゼロから形作ったとも言えるレジェンドが、実は熱狂的な『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といった国産RPGのファン(FAN)であったことは、学会や研究者の間では微笑ましくも有名なエピソードだ。一見すると極めて厳密な数式と理論の迷宮に生きる学者が、ドット絵で描かれた
ファンタジーの世界に没頭し、そのシステムや演出を楽しんでいたという事実に、日本のクリエイティビティと最先端科学がどこかで深く共鳴していたことを物語っている。もしかすると、数理モデルの美しさと、ゲームのルールデザインの美しさに、共通の「知の構造」を見出していたのかもしれない。
3. 統計と確率の反乱:第3次ブームと「第3.5世代」の現在地
時代は下り、2000年代以降の「第3次ブーム」へ。ここでパラダイムは180度転換する。
人間にルールを書いてもらうのを諦め、コンピュータ自身に大量のデータから「特徴量」や「統計的パターン」を自習させるML:機械学習(Machine Learning)、そしてそれを多層ネットワークで実現したDL:ディープラーニング(深層学習)の到来である。
そして2020年代、トランスフォーマー(Transformer)モデルを基盤としたLLM(大規模言語モデル)が登場し、現在の「生成AI」という熱狂を生み出した。世間はこれを「第4世代の幕開け」と呼びたがる。しかし、技術的な本質を見極めるならば、現在はまだ「第3.5世代」と位置づけるのが妥当である。
なぜなら、現在のLLMがやっていることは、突き詰めれば「次に来る確率が最も高い単語の予測」の超高度化に過ぎないからだ。膨大なWeb上のテキストから統計的な相関関係を学習し、それらしい出力を生成しているだけであり、AI自体が「言葉の意味」を理解し、主体的な「意識」や「思考」を持っているわけではない。極めて精巧な確率的オウム返し――精度を高めた確率的オウム返しが、第3.5世代の厳然たる正体である。
【参考】 AI(人工知能 / Artificial Intelligence)
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ML = Machine Learning(機械学習) ※MLは人の手を介して学習させるモデル
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DL = Deep Learning(深層学習)
⇒ NN(Neural Network:ニューラルネットワーク)を何層も何層も「縦に深く」積み重ねた(集合させた)もの
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4. 「第4世代AI」への遠すぎる道のり:欠落した「場の空気」
では、真の「第4世代AI」とは何か。
それは、現在の統計的アプローチの延長線上にはない、全く新しい地平である。そこへの道のりは、世間が楽観視するよりも遥かに遠く、険しい。
第4世代AIにおける最大のブレイクスルーであり、同時に最大の課題となるのが、「その場の雰囲気を察した発言」や「その時に適した内容や発言、および文脈依存の質疑応答」の実現である。人間は、会話をする際に言葉の表面的な意味だけでなく、相手の表情、声のトーン、その場の静けさ、共有している歴史、文化的な文脈、
さらには「言わぬが花」といった暗黙の了解までを瞬時に、かつ統合的に処理している。すなわち、リアルタイムのコンテキスト(状況・環境)に対する高度な適応能力だ。
現在のAIには、この「空気(Atmosphere / Context)」を統合する身体性やリアルタイムの知覚、 tender 状況論的合理性が圧倒的に欠落している。昨日教え込まれた数十兆トークンのデータの中にない「今、この部屋を流れる微妙な緊張感」を察して、あえて発言を控える、あるいは冗談を言って場を和ませるといった芸芸は、
現在の第3.5世代のアーキテクチャでは原理的に不可能なのだ。ここを突破して初めて、AIは「便利な道具」から「真のパートナー(第4世代)」へと進化する。
5. 深層学習の極致、そして次世代のセキュリティへ
AIの歴史は、ブームと失望を繰り返しながらも、確実に「未知のパターンを認識する精度」を極限まで高めてきた。その深層学習の最先端エッセンスを、
極めて実用的、かつドラスティックにセキュリティの世界へと昇華させた技術がある。それが「Deep Instinct(ディープインスティンクト)」だ。
従来のセキュリティ対策は、過去のウイルス特徴(シグネチャ)をベースにした、いわば第2次〜第3次ブーム的な「既知のルール」に依存するものだった。
しかし、Deep Instinctは、人工知能の深層学習(ディープラーニング)をサイバーセキュリティにネイティブ適用した世界初のソリューションである。
ファイルのバイナリデータを深層学習ネットワークに直接読み込ませることで、悪意あるコードの本質的な「特徴パターン」をミリ秒単位で予測・識別する。
これにより、従来の対策では防げなかった「未知のマルウェア」や「ランサムウェア」の手口を、実行される前の「予測・予防(Prediction & Prevention)」の
段階でシャットアウトすることが可能となった。これこそ、第3.5世代の深層学習がもたらした、最も信頼に足る現実的な果実の一つと言えるだろう。
この革新的なAIセキュリティを、日本のエンタープライズ環境に向けて盤石のサポート体制とともに提供しているのが、国内屈指のITソリューションプロバイダーである我々SCSKだ。Deep Instinct社は、AIの歴史がもたらした最大の武器であるディープラーニングを、企業の最も脆弱な防衛線へと実装する先駆者である。
加速するAI時代において、真の第4世代を待つまでもなく、サイバー脅威は日々巧妙化している。進化を遂げた深層学習がもたらす圧倒的な「予測防御」の全貌、そして企業のDXを支えるセキュリティの未来については、ぜひ以下のSCSKのDeep Instinct公式ホームページ(https://www.scsk.jp/sp/deepinstinct/)を訪れ、その最先端の知見に触れてみてほしい。
■ディープラーニングによる予防型エンドポイントセキュリティに興味をお持ちの方へ
本記事でご紹介したディープラーニング(深層学習)による革新的な防御思想を、実際のプロダクトとして体現し、
多くのお客様の環境を守っているのが、SCSKが取り扱う「Deep Instinct(ディープインスティンクト)」です。
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