【New Relic】MCP×AIエージェントによるインシデント調査の自動化

こんにちは、SCSKの内ヶ島です。

この記事では、New Relicが提供するMCP(Model Context Protocol)サーバーをAIエージェントから接続するまでのセットアップ手順を紹介します。
「New RelicのデータをAIエージェントから使えるらしいけど、どうやって始めるの?」という方に向けた入門ガイドです。

対象読者
  • New Relicを利用している運用担当者
  • NRQLに不慣れなエンジニア
  • インシデント対応の効率化に関心がある方

はじめに

New Relicを使った日々のシステム運用において以下のような課題を感じたことはないでしょうか。

  • NRQLの構文を覚えるのが大変
  • 複数のダッシュボードを行き来するのが手間
  • ログとメトリクスを横断的に見たいが、手作業では時間がかかる
  • 深夜のアラート対応で、素早く原因にたどり着きたい

こうした課題に対して「AIエージェントに自然言語で聞けばNew Relicのデータを取得・分析してくれる」という世界が実現しつつあります。

New RelicはMCPによるインテグレーションを提供しており、AIエージェントはMCPサーバーを介してNew Relic APIを利用します。これによりデータ取得と分析支援により、障害調査の効率化が可能です。
この記事ではAIエージェントとしてClaude Codeを利用してMCPサーバーへの連携でできること、手順について解説していきます。

本記事で説明しないこと

  • New Relicの初期セットアップ方法
  • AIエージェント(Claude Code)の選定・使用方法
  • MCPに関する詳細説明
  • New Relic EUリージョンを使用する場合の設定
  • セキュリティ、ガバナンスに対する考慮

MCP(Model Context Protocol)のインテグレーション

MCPとは、AI(LLM)が社内データや外部ツールと安全に接続・連携するためのオープンソースの共通規格です。
New RelicとAIエージェント間はNew Relic AI MCPサーバーを通じて接続します。

 

MCP利用の概略図

New Relic AI MCPサーバーは、New RelicによるリモートMCPサーバーの公式実装です(2026年6月時点でパブリックプレビュー)。MCPに対応したAI開発ツールとNew Relicのオブザーバビリティプラットフォームを橋渡しする役割を果たします。
開発者やインフラ運用者は、自分の作業環境を離れることなく、AIエージェントを通じてNew Relicの豊富なオブザーバビリティデータにアクセスできるようになります。

サポートしているAIツールは こちら をご参照ください。

できること

New Relic MCPサーバーでは、以下のようなことが可能です。

カテゴリ できること
シンプルなデータクエリ NRQLを知らなくても、自然言語で質問するだけでNew Relicのデータを取得できる
トラブルシューティング エラーログの分析、考えられる原因の特定をAIが支援
アラート確認 アラートステータスの確認、未解決のインシデント一覧の取得
パフォーマンス分析 ゴールデンメトリクス(スループット・レスポンスタイム・エラー率)の分析
デプロイ影響分析 デプロイ前後のシステムへの影響を分析
エンティティ管理 エンティティの検索・関連エンティティの探索

セットアップ手順

ステップ 1:前提条件の確認

以下を事前に準備してください。

  • New Relicアカウント(Full Platform User、APIアクセス権限付き)
  • グループメンバーシップとロールの確認
    • デフォルトの組織ロール(Organization Read Only / Organization Manager / Organization Product Admin)、またはMCPサーバーの読み取り権限があるカスタムロールが必要
  • パブリックプレビューの有効化
    • New Relic UI → 左下のユーザー名 → Administration → Previews & Trials → 「New Relic AI MCPサーバー」のプレビューを有効化
  • Claude Code CLI を利用できること

ステップ 2:認証情報の準備

認証方法は OAuth と APIキー の2種類があります。今回は簡単に設定できるAPIキーを使用して認証をしていきます。

本番環境での接続の際は、環境・リスク等を考慮のうえOAuthもご検討ください。

ユーザーAPIキーの取得方法

  1. New Relicにログイン
  2. ユーザーメニュー → API keys を選択
  3. 新しいユーザーキーを作成、またはコピー
  4. キーの形式:NRAK-XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX

ステップ 3:Claude Codeでの接続設定

Claude Codeがインストール済みであることを確認してください。

APIキー認証

コマンドラインから追加する場合:

claude mcp add newrelic https://mcp.newrelic.com/mcp/ --transport http --header "Api-Key: NRAK-XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX"

設定ファイルを編集する場合:

~/.claude.json (Windowsの場合は %USERPROFILE%\.claude.json)に以下を追記します。

{
  "mcpServers": {
    "newrelic": {
      "type": "http",
      "url": "https://mcp.newrelic.com/mcp/",
      "headers": {
        "Api-Key": "NRAK-XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX"
      }
    }
  }
}

MCPサーバーが登録されていることを確認します。

claude mcp list

以下のようにMCPツール一覧に表示されればOKです。

newrelic: https://mcp.newrelic.com/mcp/ (HTTP) - ✓ Connected

ステップ 4:接続確認

Claude Codeを起動し、試しに質問してみましょう。

New Relic MCPサーバを用いて今月発生したインシデントを端的にまとめて

MCPに対するコマンド許可を求められることがありますので、内容を確認し許可をしてください。

MCPサーバを通じてエラー無く以下のように情報取得が進んでいればOKです。

● New Relic MCPのツールスキーマを読み込んでからインシデントを検索します。

  Thought for 3s, called MCP (ctrl+o to expand)

● まずアカウント一覧を取得します。
  まず、New Relicのツールスキーマを読み込んで使用できるようにします。list_recent_issuesやsearch_incidentが関連しそうです。
  Thought for 26s, called newrelic 2 times (ctrl+o to expand)

● New Relic MCPのツールスキーマを読み込んでからインシデントを検索します。
... (以下略)

当社での検証から得た所感

実際にClaude CodeからNew Relic MCPサーバーに接続し、インシデント調査の検証を行いました。その所感を簡単にご紹介します。

検証内容概要

  • 事前設定
    • New Relic Infrastructure Agentを稼働
    • CPU使用率のアラートを設定
  • 検証
    • stressコマンドでCPU負荷をかけてアラート検知した状態で検証実施
    • AIエージェントで以下の指示を実施
      • 本日発生したCPU高騰インシデントを調査し、根本原因を分析して端的に報告してください
      • 今月発生したインシデントのサマリをMermaidでグラフィカルに分かりやすく表現してMarkdownファイルに出力してください
      • ここまでの調査にかかったトークン数、料金(日本円)を教えてください
  • 結論
    • サーバーにアクセスせずNew Relicで取得できている情報のみで根本原因(stressコマンドによるCPU高騰)が特定できた
    • 月間インシデントサマリがグラフィカルに表示された
    • 前2件を含むセッションのLLMトークン利用料概算を算出できた

所感

うまい(精度)

自然言語の指示だけで、New Relicから必要な情報に自動的にたどり着くことができました。NRQLクエリの構文エラーが発生した場合でも、AIエージェントがエラーメッセージを解析してクエリを修正し、再実行する挙動が確認されています。

早い(スピード)

指示から数分で調査結果が出力されました。同量の調査を手動で行った場合と比較して大幅な手数・時間短縮を実感できました。

安い(コスト)

検証時点(2026年6月)ではNew Relic MCPサーバーはパブリックプレビューとして追加料金なしで利用可能です(今後変更の可能性あり)。
課金が発生するのはLLMモデルの利用料のみで、検証では軽量なリクエストのため数十円程度でした(トークン量・モデルにより変動)。

現時点での制約

検証ではシンプルな動作でしたが、複雑なケースでは以下のような制約が出てきます。更なる発展の際に考慮が必要です。

  • 曖昧な指示では正確な分析ができない場合がある
  • メトリクス・ログが不足していると原因特定は困難
  • リアルタイム性はクエリ実行時間に依存

まとめ

本記事では、New Relic MCPサーバーの概要とClaude CodeでのMCP接続手順を紹介しました。

ポイントをまとめます。

  • MCP は、AIエージェントと外部システムをつなぐ標準プロトコル
  • New Relic MCPサーバー により、自然言語でNew Relicのデータにアクセスできる
  • セットアップは簡単。接続URLと認証情報を設定するだけ
  • NRQLを知らなくても、メトリクス・ログ・アラートの確認が可能

まずは接続して、「自分のアカウントにどんなエンティティがあるか」を聞いてみるところから始めてみてください。AIがNew Relicのデータを理解し、分析してくれる体験は、運用の考え方を変えるきっかけになるはずです。

参考リンク


SCSKはNew Relicのライセンス販売だけではなく、導入から導入後のサポートまで伴走的に導入支援を実施しています。くわしくは以下をご参照のほどよろしくお願いいたします。

SCSK Plus サポート for New Relic

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