こんにちは。SCSKの山口です。
Google Cloud にて利用できる『Google Agentspace』についてご存知でしょうか??
Agentspaceを利用することで、
- 組織全体のコンテンツを連携させ、根拠に基づいたパーソナライズされた回答を生成する。
- ワークフローアクションと連携してタスクを実行することで、従業員が必要な情報を適切なタイミングで入手する。
ことが可能となります。
Google Cloud 公式サイト:Google Agentspace | Google Cloud
本記事では、
『Google Agentspace』について色々と調査し、実際に触ってみましたので、その魅力について少しだけご紹介させていただければと思います。
また、「Agentspaceについてもっと知りたい!!!」という方はあわせて以下もご覧ください。


この記事に書いてあること
今回は、そんなAgentSpaceを実際に触ってみたブログになるのですが、下記について書きます。
ブレンドRAG
ブレンドRAGとは、Agentspace Enterpriseの主要な7つの柱のうちの一つとされている機能です。
ブレンドRAGを活用することで、複数の形式やプラットフォームに分散されたエンタープライズデータに基づく、AI生成ユースケースを強化することができます。
普段の業務において、一つの資料だけで完結する作業は限りなく少なく、複数のソースからの情報の収集が必要になることがほとんどだと思います。
今回ご紹介するブレンドRAGは、そういった「複数のデータソースから情報を収集し、精査する」際にかなり強力な機能になります。
とりあえず触ってみる
今回は、
- BigQueryテーブル(構造化データ)
- Cloud Storage上のテキストファイル(非構造化データ)
の二つをデータソース(データストア)として接続し、ブレンドRAGを構成します。
使用データ
BigQueryテーブル
過去のブログで使用した下記テーブルを流用します。
従業員の氏名、業種、誕生日、居住国が入っています。
Cloud Storage テキストファイル
もう一つのデータストアとして、Cloud Storageを指定し、下記テキストファイルを入れておきます。
- とある従業員の業種が変更になっており、とある従業員がアメリカへ引っ越した
- とある従業員が4月いっぱいで退職する
という内容の議事メモが含まれています。
しかし、このメモの内容はまだBigQueryの従業員情報のテーブルには反映がされていません。
この状態で二つのデータストアを接続し、最新の情報を返してくれるのか?を試します。
データストア接続
ここでは詳細な手順の説明を省きます。手順については下記ブログをご参照ください。
アプリを使ってみる
接続されているデータストアを確認します。アプリ画面右上の「ソースを管理」から確認できます。
議事録(Minutes)と従業員情報(User Datastore)の二つが接続されていることがわかります。
まずは、議事録(Minutes)の接続を切った状態で質問を投げてみます。
「エンジニアだ」という答えが返ってきました。こちらはBigQueryテーブルの内容と一致していますね。
次に、議事録(Minutes)を含んだ状態で同じ質問を投げてみます。(※ソースの変更は反映に時間がかかる場合があります。)
「以前はエンジニアだったが、セールスに変更になった」という答えが返ってきました。BigQueryテーブルとCloud Storage上のファイルの内容を収集し、回答を出力していることがわかります。
もう一つ、従業員が転居した情報も、変更履歴をふまえて回答してくれています。
2025年5月以降の情報を聞いてみると、
決定している将来の変更についても情報を回答してくれました。
最後に
今回は『Google Cloud のAgentspace』について実際のデモともにご紹介させていただきました。
複数のデータソース(データストア)を接続し、精査した上で回答を生成させる。そんなデモを実感いただけたと思います。
実務においては、
- いろんな場所にある
- いろんなフォーマットの
- いろんな人が書いた
情報を精査する必要がある場面が多くあると思います。
それは大抵、今回のデモのような小規模なデータではなく、膨大な量のデータになると思われます。
そんな時、今回紹介した「ブレンドRAG」を活用することで、情報の収集、精査が瞬時に可能になり、業務の大幅な効率化が見込めます。
また、Agentspaceは様々なデータソースの横断検索に対応しています。(※2025年4月時点)
そのため、導入にあたって「データソースを一か所に集約させる」という作業を行うことなく、現状の業務環境にフィットさせる形で利用を開始することが可能です。
デモを通して、皆さんにもこの恩恵をぜひ味わっていただきたいなと強く感じました。
今後とも、AIMLに関する情報やGoogle CloudのAIMLサービスのアップデート情報を掲載していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
[共同執筆者紹介]