Claude Code に要望を伝え続けたら数時間で3Dゲームが完成した話

コードを1行も書かず、アセットも買わず、2日で3Dゲームができました。

やったことは「こうして」「ああして」とレビューしていただけ。
使ったツールはClaude Codeだけ。

自然言語で指示を出し続けたら、Godotで3Dのローポリゴン(以下、ローポリ)の街が丸ごとできあがりました。
建物も木も犬も人間も、画像ファイルすら存在しません。すべてコードで動的に生成されています。

AIでどこまでゲームが作れるのか気になる方、バイブコーディングの実例を知りたい方向けの記事です。
 

何がすごいのか——3つのポイント

コードを一行も書いていない
GDScript(Godotのプログラミング言語)のファイルが30個以上、合計数万行ありますが、私が書いた行数はゼロです。「密度が足りない」「もっとポリゴンっぽくして」「電車に乗れるようにして」——こんな指示とフィードバックを繰り返しただけです。
アセット(素材)を一切購入していない
ゲーム開発では通常、キャラクターの3Dモデルや建物のテクスチャなどの「アセット」を購入するか、デザイナーに発注します。今回は外部アセットゼロ。犬も人間も家も木も、すべてGodot組み込みの箱・円柱・球を組み合わせてコードで動的に生成しています。起動するたびにプログラムが形を組み立てるので、画像ファイルも3Dモデルファイルも存在しません。
数時間、しかも張り付いていない
Claude CodeのAuto modeを使い、指示を出したあとは離席。戻ってきたら確認してフィードバックを返す——の繰り返し。

具体的には、Proサブスクリプションの5時間のレート制限に3回引っかかった(=AIが動いていた時間が約15時間)のですが、私がPCの前にいた時間は数時間程度です。4回目は週次のレート制限にも引っかかったので、そこで中断してこの記事を書きました。

1年前との比較

約1年前、私はAmazon Q CLIでPygameの簡単な2Dゲームを作る記事や、AIエージェントにゲーム向け資料を作らせる記事を書きました。当時は「AIでゲームの文字化けを直すだけでも新鮮」「企画書や設計書を出力させるのが精一杯」「サンプルの画像生成は出来る」というレベルでした。

それからたった1年で、3Dのローポリ世界をまるごとコードで自動生成し、歩き回れるゲームが完成するところまで来てしまいました。

ゲーム自体の完成度より、「Claude Codeに見た目と手触りをどこまで作り込ませられるか」という検証の記録です。

 

できあがったもの

最終的に、以下の要素が1つの街に詰め込まれています。

カテゴリ 内容
移動 移動、ダッシュ、ジャンプ。家の屋根や電車の上にも登れます
交流 NPCとの会話(顔アイコン+名前+テキストのRPG風ウィンドウ)、チャット、エモート
住人 犬たちが帽子やバンダナを着用し、住人同士で世間話をします
生き物 犬以外に猫・うさぎ・鳥が徘徊。近づくと逃げるので簡単な追いかけっこになります
アクティビティ 草原の落とし物あつめ、池での釣り、畑での花づくり、スライム踏みつけ
乗り物 町を走るローポリの蒸気トラムに飛び乗って移動できます
UI ミニマップ、次の目標を常時表示するタスクリスト、着せ替え機能

私がやったこと——レビューしていただけ

繰り返しますが、私がやったのは「レビュー」だけです。具体的にはこんな感じです:

  • 「戦闘なし・犬の街・穏やかな交流MMO」と最初の要件を伝える
  • 出来上がったものを見て「密度が足りない」「色が明るすぎる」とフィードバックする
  • 「ポリゴンにして」「電車に乗れるようにして」「スライム踏めるようにして」と追加要望を出す
  • 動かしてみてバグがあったら「会話が表示されないよ」と報告する

プログラミングの知識は使っていません。ゲームエンジン(Godot)の操作もしていません。Claude Codeがコードを書き、ビルドし、デバッグまでやっています。
 

制作の時系列

  1. Fable 5でプロトタイプ(2D版)——Proサブスクリプションで余っていたFable 5を使って着手。「戦闘なし・犬の街・穏やかな交流」という要件だけ伝えて、2Dアイソメトリックのドット絵ゲームとしてプロトタイプが完成。移動・会話・釣り・畑・季節イベント・マルチプレイまで一通り動くものができた▼初期
           

    ▼賑やかになってきた

    ▼家に入れた

    以降の動画はすべて音が出ます。

  2. モデル切り替え——Fable 5の週次利用制限に到達。以降はSonnet 5とOpus 4.8をメインモデルとして開発を継続。モデルが変わっても、それまでの方針や実装意図を引き継いだ状態で作業を続行できた
  3. 3D化を決意——Xのタイムラインを眺めていたら、Fableを使って3Dゲームを作っている人がたくさんいて驚いた。「自分もやってみよう」と思い、Godotでの3D化をClaude Codeに指示。Godotでは無理かと思ったが、問題なくやってくれた
  4. 最初の3D化——ドット絵を3D空間に配置——ただし最初はいまのようなポリゴンではなく、ドット絵のスプライトを3D空間に板ポリとして立てる方式だった。これはこれで悪くなかったが……
  5. ローポリ3Dへの全面移行——ブログ記事にするなら見栄えがするポリゴンの方がいいだろうと判断し、全部作り直すよう指示。建物・木・小物・犬・人間・大気・カメラをすべて作り直してくれた
  6. 作り込み——ジャンプ・ダッシュ・ミニマップ・タスクリスト・着せ替え・汽車・落とし物・スライム・NPC同士の会話・猫うさぎ鳥などを追加
    ▼ジャンプして汽車に乗る
           

    ▼釣り

  7. 仕上げ——会話表示をRPG風に刷新、主人公を人間キャラクターに変更など

 

ゲームプレイ動画

横に黒帯が残ってしまいました…。

 

技術的なポイント(※AIがやったこと)

以下は私ではなくClaude Codeが実装した内容です。私は「こうして」と言っていただけで、技術的な判断や実装はすべてAI側が行っています。参考情報として記載します。

すべての見た目は「コードによる手続き生成」でできています。外部の3Dモデルは使わず、Godot組み込みのプリミティブを組み合わせて、建物・自然物・キャラクターまで生成しました。

  • 建物・小物——単色マットのメッシュに太陽光・影・環境光を乗せています
  • キャラクター——犬(DogModel)と人間(HumanModel)は同じインターフェースを持つ箱組みモデル。歩くと脚と尻尾(または腕)が振れ、向きはモデル自体の回転で表現
  • 大気——手続き生成のパノラマ空、深度フォグ、ソフトなグロー、Filmicトーンマップの組み合わせ
  • 当たり判定——建物・小物・地形はすべて物理衝突判定付き。キャラクターが建物をすり抜けることはありません
  • 旧資産との互換性——見た目を2D→3Dに全面刷新した際も、ネットワーク同期や会話のコードは一切変えず、モデルだけ差し替えで対応できた(AIが互換インターフェースを維持してくれた)

AIがつまずいたところ(私はバグ報告しただけ)

  • 露出オーバー(画面が真っ白に)——3D化した瞬間に画面が真っ白になった。「白いよ」と伝えたらライティングの設定を直してくれた
  • 会話が表示されない——「会話出ないよ」と報告したら、入力処理のバグを見つけて直してくれた
  • 町の外がスカスカ——「広すぎて退屈」と言ったら、ダッシュの追加とオブジェクト配置の調整で解決してくれた

 

わかったこと

Fableを使わなくても3Dゲームは作れる
Sonnet 5やOpus 4.8でもGodotでの3Dゲーム開発は十分に可能でした。高価なモデルでなくても結果は出ます。
コードを一切見なくても完成する
自然言語の指示とフィードバックだけで、2Dドット絵からローポリ3Dアクションまで作り替えられました。プログラミングの知識は不要でした。
方向転換にはコストがかかる → AI開発の「土台」が必要
2回の大幅な方向転換(2D→3D、ドット絵3D→ポリゴン3D)で数時間を消費しました。AIでの開発は高速ですが、最初にある程度のビジョンを持っておくこと——つまりAI開発のための土台が必要だと感じました。
アセット購入なしでここまで作れる
コードだけの手続き生成でも、素朴なローポリなら「歩き回りたくなる街」は十分に実現できます。
効率良く開発するための環境を整える必要
開発のための環境を何も整備せずに始めてしまいました。その結果、時間もコストも掛かってしまいました。
AI-DLCなどの環境を整備し理解してから挑むべきでした。

暖かい光、接地影、ジャンプやダッシュの手触り——素朴なローポリでも積み重ねれば「歩き回りたくなる街」になりました。1年後にはどうなっているんでしょうね。

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