デジタル基盤停止のリスクを極小化する——SCSKが選ぶ高可用性クラスターの価値

こんにちは SCSK 池田です。

今回は、経営層のかたや、高可用性クラスター選定に携わる皆様むけに、デジタル化が進む中で企業の基幹系システムを支える高可用性クラスタの重要性を取り上げます。

DX投資が加速する一方で、システム停止リスクという見落とされがちな経営課題が浮上しています。
SCSKがサイオステクノロジー社の「LifeKeeper」と協業し、企業の事業継続性を支える背景と、その価値について解説します。

経営層が注目すべきDXの落とし穴

デジタルトランスフォーメーション(DX)が企業経営の最重要課題となった今、多くの経営者がIT投資の優先順位に頭を悩ませています。クラウド移行、業務システムの刷新、データ活用基盤の構築——目に見える投資が先行しがちですが、見落とされがちな根本的なリスクがあります。それが「システム可用性」、すなわちIT基盤が停止した際の事業影響です。

デジタル化が進むほど、企業の事業活動はITシステムと不可分になります。製造業の生産管理、金融機関の決済処理、小売業の在庫・物流管理、医療機関の電子カルテ——これらが数分でも止まれば、即座に業務に支障が出ます。しかし、可用性トラブルの損害は、単なる「システム復旧コスト」にとどまりません。

顧客体験の質低下によるブランド信頼の毀損、コンプライアンス違反に伴う法的・社会的責任、さらには競合他社への顧客流出。これらは財務諸表に現れにくい「目に見えない損失」で、回復に長期を要します。経営層にとって、可用性対策は「コスト」ではなく「事業継続性への投資」と捉え直したいものです。

ここで誤解を招きたくないのは、どんな技術を使ってもリスクを「ゼロ」にすることは不可能だということです。しかし、適切な対策でリスクを「極小化」し、万が一の際も事業影響を最小限に抑えることは十分できます。

ハイブリッド・マルチクラウド時代に求められる信頼性

企業のIT環境は急速に複雑化しています。オンプレミスからパブリッククラウド、プライベートクラウドまで——最適なインフラを組み合わせる「ハイブリッド・マルチクラウド」が標準となりつつあります。この多層化する環境では、従来型の災害対策・バックアップ体制では足りなくなっています。

従来の高可用性(HA)対策は、大規模な自然災害やハードウェア故障を想定した「有事のための保険」的な位置づけが強かったものの、現在は異なります。ソフトウェアの不具合、人為的ミス、サイバー攻撃、さらにはクラウドサービスの一時的な障害など、「日常に潜む停止リスク」への対応が欠かせません。

Business Research Insightsのレポートによると、世界の高可用性クラスタ市場規模は、2026年に139億2000万ドルと推定され、2026年から2035年までの予測期間中に6.6%のCAGR(複合年間成長率)で、248億4000万米ドルに達すると予想されています。リモートワークの定着による基盤負荷増大、サプライチェーンのデジタル化、金融・医療・公共分野での規制強化——こうした構造的な要因が、可用性投資を急務としています。

重要なのは、複雑な環境ほど「シンプルかつ確実な」可用性確保のアプローチを選ぶことです。異種混在するインフラ全体を統合的に監視・制御し、障害発生時の自動復旧で停止時間を極小化します。これが現代の高可用性クラスタに求められる中核的価値です。

なぜSCSKはLifeKeeperを選んだか

SCSKが高可用性分野でサイオステクノロジー社の「LifeKeeper」と手を組むのには、同製品の「実績に裏付けられた信頼性」と「技術的強み」があります。

LifeKeeperは世界中で90,000ユーザライセンスの導入実績を持ち、数十年に渡り市場に提供されてきた熟成された製品です。長い運用実績が示すのは、さまざまな業界・業務で「本当に止まりにくい」システムとして実証されていることです。高可用性製品では、新興技術の先進性よりも「現場で鍛えられた安定性」が経営判断の第一要件となります。

技術的には、オンプレミスからAWS、Azure、Google Cloudなど主要クラウドプラットフォームまで幅広くカバーします。企業のクラウド移行の進み具合に合わせて段階的に導入でき、既存投資を無駄にせず可用性を高められます。これは「予算を抑えつつリスクを減らしたい」という経営層の要望に応えるものです。

また、サイオステクノロジー社の技術サポートSCSKのシステム構築ノウハウ・保守サービスが組み合わさることで、導入前の設計から導入後の運用・トレーニングまで一貫して支援できます。製品の性能を最大限に引き出すパートナーシップ——これがSCSKの提案の強みです。

限られた投資で、どこまで可用性を高められるか

高可用性投資の最大の課題は「必要十分なレベルをどこに設定するか」です。全てのシステムを完全な冗長構成にするのは現実的ではなく、投資対効果の観点から優先順位付けが必要です。

LifeKeeperはこの経営判断を支援する設計思想を持っています。ミッションクリティカルな基幹系にはクラスタ構成による自動フェイルオーバーを適用し、重要度の低いシステムには監視・自動再起動機能のみを適用するSingle Server Protectionという選択肢もあり、こうした段階的・選択的なアプローチが可能です。

業種別に見ると、金融業界ではコアバンキングシステムの停止許容時間を極小化する対応、製造業では生産ラインと直結するMES(生産管理システム)の保護、医療・公共分野では人命・社会インフラに影響するシステムの継続運用が求められています。業務特性に応じた最適な構成を選べることで、限られたIT投資予算の中で最大の効果が得られます。

総合的な安心を実現する協業の価値

高可用性クラスタの導入は、「製品を買って導入すれば終わり」ではありません。運用開始後の監視、定期テスト、障害発生時の対応——継続的なサービスとしての側面が極めて重要です。

SCSKとサイオステクノロジー社の協業は、この「製品力」と「サービス力」を組み合わせることを目指しています。LifeKeeperの技術的強みを、SCSKの大規模システム構築ノウハウと全国展開のサポート体制に結びつけます。導入企業にとっては「最適な製品選択」と「確実な導入・運用」の双方を担保できます。

DX推進において、経営層がIT投資を評価する際の重要な視点は「リスクの見える化」です。可用性対策の投資効果は、システムが停止しない「平常時」には目立ちません。しかし、万一の事態での事業継続性の確保、そして日々の運用負荷低減によるIT部門の生産性向上——これらは定量的・定性的に評価価値のある投資です。

事業継続性への投資としての高可用性

デジタル化が進む中、ITシステムの可用性は「技術的課題」から「経営的課題」へと昇華しています。システム停止のリスクは、直接的な損失に留まらず、企業の信頼・競争力・存続そのものに関わります。とはいえ、技術的・運用的限界から「ゼロリスク」を達成することは困難です。

SCSKがLifeKeeperを通じて提供するのは、単なる製品・サービスではありません。複雑化するIT環境の中で、経営判断に資する「最適な可用性レベル」を設計・実現し、継続的に支えるパートナーとしての価値です。リスクを極小化し、万が一の際も事業影響を最小限に抑える——その実現に向けて、第一歩を踏み出す機会を検討していただければと思います。

まとめ

今回は、DXの進展で高まるシステム停止リスクと、SCSKが選ぶLifeKeeperによる高可用性環境の構築について解説しました。90,000ライセンスの導入実績を持つ熟成された製品と、SCSKのシステム構築・保守サービスが組み合わさることで、複雑化するIT環境の中で最適な可用性レベルを実現できます。事業継続性を脅かすシステム停止リスクに不安がある場合、ぜひSCSKにご用命ください。

詳しい内容をお知りになりたいかたは、以下のバナーからSCSK LifeKeeper公式サイトまで

著者について
池田 雄介

中学時代にMSXを手に入れ、N88-Basicでのプログラミングを覚える。その後、ユーザ企業の情シスから社会人人生をスタート。一部署に1台程度しかパソコンが割り当たっていない時代に、Windows95のパソコンを全国展開、本社、支店、工場のLAN/WAN化を推進。WindowsNTサーバを弄りながら、当時、流行り始めたイントラネットや社外向けのサイト作成・運用など担う。
2002年に現在のSIerへ転職。2007年からオンプレミスや仮想環境を中心としたインフラ基盤の構築に携わり、2013年からLifeKeeperを担当。以来13年に渡り、LifeKeeperビジネスに携わってきた。
最近はGemini、ChatGPT、Copilotを駆使して業務効率アップを模索中
趣味は、ゴルフ、お酒を嗜むこと、ドライブなど

池田 雄介をフォローする

クラウドに強いによるエンジニアブログです。

SCSKでは、自社クラウドと3大メガクラウドの強みを活かし、ハイブリッドクラウド/マルチクラウドのソリューションを展開しています。業界の深い理解をもとに、お客様の業務要件に最適なアーキテクチャをご提案いたします。サービスサイトでは、お客様のDX推進をワンストップで支援するサービスの詳細や導入事例を紹介しています。

LifeKeeperプロダクト
シェアする
×
タイトルとURLをコピーしました