「SCSK Cato クラウド AI チャットボット」をリリースしました

SCSKでは本日(2025/2/14)、当社独自開発の「Catoクラウド AIチャットボット」をご提供開始しました。

このAIチャットボットは、Cato公式のKnowledge Base等(※)に加え、当社の独自コンテンツであるFAQサイトと、この技術ブログ「TechHarmony」内のCato関連記事を情報ソースとしており、Catoクラウドに関する質問に日本語で応答します。

本日のリリースに先行して社内のCato担当者で利用してきましたが、情報の検索が大幅に効率化でき、現在ではCatoクラウドの運用において手放せないツールとなっています。

この記事では、AIチャットボットの便利さや活用方法、開発の背景などをご紹介します。

※Cato Networks公式の情報は Cato Networksに許諾を得た上で取り込みを行っています

これがSCSK Catoクラウド AIチャットボットです

実際の画面は、このように一般的なAIチャットです。

画面左側にはチャットの履歴が表示されており、過去の問い合わせ内容を確認できます。

また、画面上部にて、参照する情報ソースを切り替え可能です。

ソース選択 参照する情報 利用シーン
Cato公式情報のみ利用 Cato公式のKnowledge Base、Master Service Agreement等 知りたい機能があって、その機能のKnowledge Base等を探したいとき
すべての情報を利用 Cato公式のKnowledge Base、Master Service Agreement等に加え、SCSKのFAQサイト、技術ブログ記事 トラブルの切り分けをしたいとき
構成や利用例など機能を特定しない質問をしたいとき
利用例

さっそくCatoクラウドの機能について問い合わせをしてみましょう。

機能の説明の後、「参考情報」として参照したURLを明示します。AIの回答で概要を把握した後、より詳細を知りたい場合はKnowledgeを見て確認できます。

次に、トラブルの相談例です。情報は多いほうが良いため、ソースを「全ての情報を利用」としてみましょう。

トラブルシュートは、Knowledge Baseよりも当社のコンテンツに情報が多いため、ブログ記事とFAQを参照した回答が返ってきました。この場合も参照元へのリンクが明示されます。

このように、AIチャットボットは、問い合わせ内容に適切な回答を返すのはもちろん、情報元の確認も簡単となっており、疑問・問題のスムーズな解決を支援します。

AIチャットボット開発・リリースの経緯

SCSKではCatoクラウドのサポート窓口を設け、ご不明点へのご回答やトラブルシュートを行っておりますが、いただくお問い合わせの一部は、CatoのKnowledge Baseや当社FAQに掲載のある内容でした。お客様は、知りたい情報にたどり着けないためにお問い合わせいただいており、この背景には以下のような問題がありました。

Knowledge Baseは英語のため、検索には適切なキーワードを英語で指定する必要がある。
Knowledge Baseの情報量が多く、多数のページが検索Hitするため、その中から必要な情報を探し出すことが難しい。
当社FAQサイトや技術ブログは日本語だが、Knowledge Baseを補う目的で作成しているため、Knowledge Baseと重複する情報は掲載しておらず、網羅性がない。

このため、複数の情報ソースをうまく検索しないと情報が得られない状況でした。

そこで、すべてのソースを横断的にかつ自然言語で検索する手段として、このAIチャットボットを開発しました。開発後、以下のテストフェーズを経て効果測定とチューニングを行い、今回の正式リリースに至っております。

Ph1 社内でのテスト利用

社内のCatoクラウド担当にて利用し、問い合わせ対応の3割程度がAIチャットボットで解決できること、また情報の検索効率が大きく上がることを確認。

Cato Knowledge Baseを含む公式文書のRAGへの取り込みについては、Cato Networks社へ事前に許可を得て実施しています。

Ph2 一部お客様での先行利用

テストをご快諾いただいた一部のお客様にリリース。いただいたフィードバックより、以下のような点を改善。

    • 回答が英語になる場合があったため、常時日本語で回答するよう設定
    • AIが回答できない場合は、サポート窓口へのお問い合わせをおすすめするよう設定
    • Catoクラウドに関連しない質問には回答はしないよう制限していたが、ネットワークやセキュリティの一般的な質問には回答するよう緩和

Ph3 先行利用を拡大

さらに数社のお客様に段階的にリリース。以下のようなご感想をお知らせいただき、お客様における導入効果を確認。

Knowledge Baseの検索では欲しい情報にたどり着けないことがあったが、AIチャットボット経由だと日本語で聞けて、適切なKnowledgeへのリンクを返してくれるので便利。
サポートへの問い合わせ前にAIチャットボットに聞いてみるようにしたところ、解決できるものが多くあり、問い合わせの手間が省けた。回答の精度も高いと感じる。
不明点があるときに、Knowledge Base・FAQ・技術ブログ等をそれぞれ探す必要があったが、AIチャットボットが横断的に検索してくれるのでとても便利。検索にかけていた時間が70%程度削減された。

Ph4 正式リリース

当社にてCatoクラウドをご利用いただいているすべてのお客様向けにリリース。

このAIチャットボットは、お客様のCatoクラウド運用の効率化に大きく寄与するものと考えております。

Catoの「AIアシスタント」との違いは?

ところで、2025年1月にCatoが「AIアシスタント」をリリースしており、CMA(Cato管理画面)からご利用が可能です。

【Catoクラウド】新機能「AIアシスタント」がリリース
Catoクラウドより、2025年1月6日のアップデートにてAIアシスタントがリリースされました。AIアシスタントの実際の使用感や回答精度などについて記載しています。

AIアシスタントも回答精度が高く日本語に対応しているため使いやすいですが、以下のような機能差異があるため、当社内では2つのAIを使い分けしています。

機能 CMA AIアシスタント SCSK AIチャットボット
AI機能へのアクセス方法 CMAからアクセスできる 専用のWebサイトへのログインが必要
情報ソース Cato Knowledge Base Cato Knowledge Base、MSA等
+SCSK独自コンテンツ
回答の保存 回答の履歴が保存されない。
ページの移動で回答が消えてしまうため、回答を見ながらのCMAの操作等ができない。
回答の履歴が保存される。
チャットでやりとりをしながらCMAの操作ができる。

使い分けシーンとしては、CMA操作中にちょっとした仕様確認をしたいときにはCMA上のAIアシスタントを、トラブルシュートなどの長いやり取りや、CMAと並べて確認作業をしたいときはSCSKのAIチャットボットを利用する場面が多いです。どちらもいまや運用に欠かせません。

最後に

SCSKのAIチャットボットは、当社の「Catoクラウドマネージドサービス」をご契約のお客様に提供しております。

Catoクラウドの運用において強力なご支援となるツールですので、ぜひご活用いただき、フィードバックをお寄せいただけますと幸いです。

また、SCSKでは、今後も日本のお客様にCatoクラウドをご活用いただけるよう、Cato Academy動画コンテンツの日本語化を検討していきます。

著者について
Hitomi Watanabe

道産子ネットワークエンジニアです。
40%キーボードの愛好家です。

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