簡単にAIエージェントをデプロイできる機能をInfoWeaveにリリースしました

SCSKは2025年7月23日、生成AIサービスであるInfoWeave(インフォウィーヴ)にAIエージェント機能を新たに追加し、提供開始いたしました。

このサービスはAIエージェントを利用して様々な業務を自動化・効率化できるサービスで、早く・安く・安全に利用することができます。

マルチエージェント構成となっており、ブラウザ操作をはじめ、様々なシーンで活用できるものとなっています。

この記事では、開発の背景や利用シーンなどをわかりやすく説明します。

 

AIエージェント

AIエージェントとは?

AIエージェントとは何でしょうか?

いろいろな文脈で語られることがあり多様な意味を持ちますが、一般的には以下のように説明されています。

人工知能 (AI) エージェントは、環境と対話し、データを収集し、そのデータを使用して自己決定タスクを実行して、事前に決められた目標を達成するためのソフトウェアプログラムです。
目標は人間が設定しますが、その目標を達成するために実行する必要がある最適なアクションは AI エージェントが独自に選択します。例えば、顧客の問い合わせを解決したいコンタクトセンターの AI エージェントを考えてみましょう。
エージェントは自動的に顧客にさまざまな質問をし、内部文書で情報を調べ、回答でソリューションを提示します。顧客の応答に基づいて、クエリ自体を解決できるのか、それとも人間に渡すのかを判断します。

引用:https://aws.amazon.com/jp/what-is/ai-agents/

LLM、例えばChatGPTを使って調査を行う場合、プロンプトで指示を行う人間が事前にタスクを分解してあげて、質問する必要があります。

一方でAIエージェントの場合は、これらを人間の代わりに整理し、目標を達成することを主眼に実行されます。

依然として主体は人間ですが、よりAIに任せられる領域が増えてきたとも解釈できますね。

 

AIエージェントの普及

2024年7月のGartnerハイプサイクルでは、AIエージェントは一番左の「黎明期」に位置していました。

2025年8月時点では、さらに右側へとシフトし、期待値が高まっているフェーズに入っている考えられます。
*2025年版は発表されていないため、2024年版を引用しています。

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参考:https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20240910-genai-hc

 

また、Googleでの検索クエリを見ることができるGoogle Trendsで「AIエージェント」のキーワードで調査したところ、ここ1年間で右肩上がりを続けています。

 

2024年7月には、InfoWeave RAGがリリースされました。

当時はPoCとしてのご利用が多くありましたが、2025年度に入りよりコア業務への活用が進んでいると感じています。

AIエージェントも同様の流れを辿ると考えており、まずはPoCとして業務活用への試行、その後本格的に実際の業務に組み込んでいく動きになると思います。
 

InfoWeave AIエージェントとは?

InfoWeaveは、S-Cred+(エス クレド プラス)プラットフォームのオプションとして提供されている、生成AIサービスです。

自社のAWS環境に簡単にAIエージェント環境を構築できるサービスが、InfoWeave AIエージェントになります。

 

 

「AIエージェントを自社環境に導入したいが、課題が多くて難しい」とお悩みの方におすすめのサービスです。

課題の例
1. 外部SaaSを利用するとセキュリティが不安、またカスタマイズもできないので社内AWS環境に構築したい
2. AIエージェント環境を構築できるITエンジニアがいない
3. ユースケースはあまり定まっていないため、利用しながら探したい
InfoWeave AIエージェントの特徴
最短3日で利用開始可能
S-Cred+プラットフォームをご契約いただいていれば、最短3日で導入が可能です。
テンプレートをデプロイするだけでチャット画面やユーザー管理機能も作られるため、すぐに使い始めることができます。
通常社内でITエンジニアをアサインしてRAG環境を構築すると、設計・構築・テストなどで数ヶ月かかるため、比較するととても早く利用することができます。
マルチエージェント連携による⾼度な業務の⾃動化
ブラウザを操作するエージェントやAPI操作のエージェント、裏でPythonコードを書いてグラフ作成などを行うコードインタープリターエージェントなど、複数のAIエージェントが、Supervisorエージェントの配下で目的に応じて呼び出されます。
ユーザーはプロンプトで指示を出すだけなので、とてもシンプルです。
セキュアな環境での AI エージェント運⽤
外部SaaSではなく、ユーザーのAWS環境にデプロイして利用することができます。そのため、自社のセキュリティポリシーに準拠した形での運用が可能です。
社外サービスを利用する際は、社内でSaaS利用におけるチェックシートの申請が必要な企業も多いかと思います。社内で利用できれば、そのような手続きを回避できるかもしれません。

 

画面イメージ

いくつかサンプルの画面イメージをご紹介します。

*機能と画面は2025年8月上旬のものとなり、マイナーリリースにより変更となる場合があります

 

メイン画面

ユーザーが利用するメインの画面はこのようになっています。

ServiceCatalogによりデプロイされます。

AIエージェントを使った作業指示や履歴の表示、各種管理ができるようになっています。

 

AIエージェントへの作業指示

さて、実際にAIエージェントへ指示をしてみましょう。

作業指示画面で、プロンプトを入力します。

ここでは、稼働時間が少ないメンバーにRedmineでチケットをアサインする処理をエージェントにやってもらいます。

プロンプトには具体的な処理内容を記述しますが、勤怠システムやRedmineでどのボタンをクリックするかといった情報までは記載しません。

しばらくすると、作業結果が表示されます。

AI Robotさんの稼働時間が少ないことがわかり、Redmineのチケットが割り当てられました。

実際にRedmineを見ても、チケットがアサインされていることがわかります。

 

思考途中の状態も見ることができます。

メインとなるSupervisor Agentが、作業計画を立てるサブエージェント、結果を検証するサブエージェント、ブラウザ操作を行うサブエージェントなどへ指示を出し、処理をしています。

 

勤怠システムの画面構成を指示しなくても、情報を取得できました。

効果的に動作するようプロンプトを調整する必要がありますが、プロンプトのみで動作させることができます。

 

また、RPAと異なりある程度の画面レイアウト変更には柔軟に対応することができます。

 

管理画面

ユーザー画面とは別で、管理画面も用意されています。

ユーザーやグループの管理、利用状況の参照や共通プロンプトの設定などを行うことができます。

 

 

さいごに

今回は、InfoWeave AIエージェントのサービス開始にあたり、その概要をご紹介しました。

 

個人的には、2025年はまだAIエージェントの可能性を探っている方が多い状態だと考えています。

安全かつ効果的にAIエージェントを業務に取り入れるには、どのように利用すればよいのでしょうか。

実際に考えて使ってみるという用途に、InfoWeave AIエージェントは最適だと思います。もちろん、実業務への活用も可能です。

今後、利用できるモデルや機能など不定期でアップデートがされる予定です。

 

無料でのご相談やデモ環境の提供などを行っていますので、是非お問い合わせください。

著者について
Naoki.Umegatani

AWSにおける生成AIプロダクトのプロダクトマネージャをやっています。
業務
 インフラ運用 > 海外赴任 > AWS×AIサービス開発
資格
 AWS認定資格(取得済3)、PMP、TOEIC 900等
趣味
 海外のローカルな場所へ旅すること
好きなAWSサービス
 Amazon Q Developer

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