こんにちは、2024年度入社の秋葉です!
2025年の1月14日を持ちまして、約3ヶ月のクラウド人材研修が終了いたしました。
クラウドは利用しているけど、”クラウド人材研修”って一体何?と疑問に思っているあなたに向けてクラウド人材研修とは何か、その具体的な内容、そして研修によって何を得ることができたのか記載していきます!
クラウド人材研修の背景・目的
近年の急速なデジタル化は、市場や社会の変化を激化させており、顧客のDX推進を支援するためには、クラウドネイティブな知識とアジャイルな開発スタイルを備えた、即戦力となる人材が不可欠です。
しかし、経験豊富なクラウドエンジニアは不足しており、育成が急務となっています。特に、アプリケーション開発とインフラ運用、双方の知識とスキルを兼ね備えた「フルスタック人材」の育成は喫緊の課題です。
この背景から、SCシステム事業本部では新人育成プログラムとしてクラウド人材研修を実施しています。本研修の目的は、将来的なフルスタック人材育成を視野に入れ、クラウド基盤技術の習得、アジャイル開発手法の実践を通じて、クラウドネイティブな開発スタイルを早期に経験させることです。
技術スタック
フルスタックを目的とした技術スタックはAWSを基本に以下のように構成されていました!
- Javaアプリケーション
- SpringBoot
- IaC
- クラウド(AWS CloudFormation)
- コンテナ(Docker/Amazon ECR/Amazon ECS)
- CI / CD
- イミュータブルインフラストラクチャ
- ビルド/デプロイ自動化(AWS CodePipeline)
- ステートレス(Amazon ElastiCache)
- 負荷分散 / 冗長化
- ロードバランサー(Elastic Load Balancing ALB)
- 監視 / 通知
- 監視(Amazon CloudWatch Alarm)
- 通知(Amazon SNS)
研修内容
CNCF Cloud Native Trail Map をベースに構成したLesson0~Lesson9までの全10レッスンのカリキュラムで、クラウドネイティブの基礎から応用までを網羅的に学習してきました!
各Lessonのテーマは以下のようになっています。研修は、2人1チームの計8チームで進められておりチーム内だけでなく各チーム間で協力して研修に取り組んだことで全チームが期間内にすべてのLessonを終えることができました!
Lesson | Theme |
Lesson 0 | Preparation |
Lesson 1 | Introduction |
Lesson 2 | IaC Level 1 |
Lesson 3 | IaC Level 2 |
Lesson 4 | Redundancy |
Lesson 5 | Containerization and Orchestration |
Lesson 6 | CI/CD |
Lesson 7 | Observability |
Lesson 8 | Operations Automation |
Lesson 9 | Disaster Recovery |
全Lessonが終了すると以下のような構成図になります。
この一連のレッスンでは、Spring Bootを用いたWebアプリケーションをAWSクラウド上で構築し、CI/CDパイプラインによる自動デプロイと監視機能を備えた、堅牢なシステムの実現を目指します。
Lesson0では、Spring Boot・AWS・Gitなど開発に必要なツールの使い方や学習から始まり、最後の Lesson 9 では、災害などに備えて、システムをより堅牢にするための仕組みを作りました。具体的には、Lesson9ではDNS Failoverを実現することで東京リージョンで障害が発生した場合に備え、Webアプリケーションを自動的に別のリージョン(バージニア北部)に切り替えて、静的なエラー画面を表示する仕組みを構築しました。
このように、この研修を通して、Webアプリケーションの開発から運用、そして災害対策まで、一連の流れを学ぶことができたと思います!
研修を終えた新人たちの声
Kさん
当たり前のことだがコミュニケーションを密に取ることが大切だということを再実感した。また、問題が発生した際に原因の切り分けを行いながらトラブルシューティングを行うスキルが身に染み付いたと思っているので今後の業務に活かしていきたい!
Sさん
権限の管理に関して、必要最低限のポリシーをアタッチすることが簡単なようでとても難しかった。必要以上のポリシーを付与してついつい楽をしがちだが、不要なポリシーが無いか確認し同じロールを使いまわさないことを意識して業務に臨みたい。
Tさん
エラー発生時に画面共有しながら、ペアプログラミングできた経験はすごく良かったと感じた。今後の案件では研修を通して身に着けた、明確な作業内容報告の実施をチームメンバーに対して心がけていきたい!
Oさん
研修を通して一番忍耐力が身についたと思いました。開発中1つエラーを解決したら別のところでまたエラー、エラー三昧になってしまうこともあったけどそれに負けず最後までやり遂げれました。今後の業務にもエラー三味に負けない心で挑みたい!
運営の方々の声
Kさん
長期間の研修お疲れさまでした!
今回は技術講師としてではなく、スクラムマスターとして運営に参加いたしました。
アジャイル開発の形式を取り入れたことで、双方向のコミュニケーションが活発に行われ、とても楽しかったです。
また、実務ではあまり触れる機会がないサービス、(コンテナやCodePipelineなど)を学ぶ良い機会にもなりました。
(Javaのコードレビューも担当しましたが、新人研修以来のJavaということもあり、かなり苦戦しました…。)
最後の成果発表では、技術面だけでなくビジネススキルも習得できたとの報告をいただきました。
今回の経験が今後のプロジェクトでの活躍につながることを期待しています!
Kさん
約3ヶ月に渡る研修お疲れさまでした!
研修の背景・目的でもある「フルスタック人材」の育成に向けたアプリ(Java)とインフラ(AWS)両方の技術習得もそうですが、実案件をイメージした疑似プロジェクト形式(アジャイル開発手法の実践、2人1チーム計8チームのチーム編成)により、技術だけでなく様々なことを学んでいただけたのではないかと思っています。
最後の成果発表では学んだ成果を丁寧にわかりやすく報告されており、そのような皆さんと運営としてご一緒出来たことをとても嬉しく思っています。
本研修が今後の皆さんのご活躍に繋がることを期待しています!
終わりに
3ヶ月間のクラウド人材研修は、私にとって大きな経験であり、同時に大きな成長の機会となりました。右も左も分からない状態からスタートしましたが、CNCF Cloud Native Trail Mapをベースとした体系的なカリキュラム、そしてチームメンバーや講師の方々のサポートのおかげで、クラウドネイティブ開発の基礎をしっかりと築くことができました。
研修を通して特に印象に残っているのは、実践的な課題を通じて、座学だけでは得られないリアルな経験を積むことができた点です。エラーに遭遇した時の原因究明やトラブルシューティング、チームでの協力作業など、実際の開発現場で直面するであろう課題に取り組むことで、問題解決能力やコミュニケーション能力を向上させることができました。また、Kさんが述べているように、チームメンバーと密にコミュニケーションを取りながら課題に取り組む重要性を改めて認識しました。
最後に、この研修に関わってくださった全ての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました!