こんにちは、SCSKの坂木です。
先日、Zabbix7.4がリリースされました。本ブログでは、7.4の新機能を6つ紹介いたします。
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What's new in Zabbix 7.4
Create new resource discovery workflows, visualize your data in new ways, enjoy the improved user experience and much mo...
Zabbix7.4はポイントリリースのため、サポート期間が短くなっています。
本番利用する場合は8.0LTSがリリースされるまでお待ちいただく事をお勧めします。
ホストウィザード
ウィザード形式でホストを作成できるホストウィザードが追加されました。
対話形式で案内してくれるため、ユーザーが設定途中で迷うことがなく、初心者におすすめの機能となっております。
注意点として、Zabbix Serverとエージェント間の通信は暗号化必須となります(ウィザードに従って設定を進めると暗号化の設定がされ、別途暗号化の設定は不要です)
データ収集 -> ホスト -> Host Wizardから利用可能です。
ウィザードの画面はこちらのようになっております。

アイテムカード
アイテムカードは、ダッシュボードに新たに追加されたウィジェットの一種で、1つのアイテムの詳細を表示可能です。
表示可能なアイテムのデータは「メトリクス名」「最新データ」「トリガー」「データ型」「ホストインターフェース」「タイプ」「説明」「エラーテキスト」「ホストインベントリ」「タグ」の10種類が選択可能で、全て表示することも、任意のデータのみを表示することもできます。
こちらの画像は、すべて表示しています。
Zabbixのデフォルトのダッシュボードにねじ込んでみると、こんなかんじになります。
icmppingretry
icmppingretryとは、リトライのオプションを追加したPing監視です。
これまでPing監視で利用していたicmppingは疎通の成功/失敗問わず指定回数実施していましたが、icmppingretryを使用することでPing疎通がNGの場合のみ、再試行することができます。
詳細はこちらのブログに記載しております。

Zabbix7.4新機能検証(icmppingretry編)
Zabbixの7.4の新機能である「icmppingretry」について解説、検証いたします。
新しいトリガー履歴関数
アイテムの取得時間を評価するトリガー関数が3つ追加されました。
アイテム値の取得時間/間隔でトリガーを設定する場合に利用できます。
| キー |
概要 |
サポートされている型 |
| firstclock(/host/key,sec<:time shift>) |
定義された評価期間内の最も古い値のタイムスタンプ |
Float、Integer、String、Text、Log |
| lastclock(/host/key,<#num<:time shift>>) |
定義された評価期間内の N 番目に新しい値のタイムスタンプ |
Float、Integer、String、Text、Log |
| logtimestamp(/host/key,<#num<:time shift>>) |
N 番目に新しいログ項目値のログメッセージのタイムスタンプ |
Log |
インラインフォームバリデーション
テキストボックスの入力値の構文エラーが分かる、インラインフォームバリデーション機能が追加されました。
これまでは、ホストやアイテム等の作成時、追加ボタンを押すまでエラー出力がされませんでしたが、作成中に構文エラーが分かるようになりました。
地味ですけど、ありがたいです。。

ホストのプロトタイプの機能拡張
ホストのプロトタイプにて検出されたホストに対しても、ホストのプロトタイプを適用でき、階層的にホストを検出できるようになりました。
例えば、まずハイパーバイザーを検出するルールを動かし、次に、見つかったハイパーバイザー上で動作しているサーバ1-4を検出する、といった二段階の自動検出が実現できます。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本ブログでは「ホストウィザード」「アイテムカード」「icmppingretry」「新しいトリガー履歴関数」「インラインフォームバリデーション」「ホストのプロトタイプの機能拡張」の6つの新機能を紹介しました。
Zabbix7.4では他にも新機能が追加されているので、
こちらからご確認ください。
筆者の他のブログもよかったら見てやってください!

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