lkbackupでLifeKeeper構成情報のバックアップとリストアやってみた。

こんにちは、SCSKの伊藤です。

LifeKeeperで「リソース階層の拡張解除」をしようとしたら、誤って「リソース階層の削除」をしてしまった!
そんな経験はありませんか?

英語表示では「Unextend Resource Hierarchy」「Delete Resource Hierarchy」と似た表記がされていることもあり、誤って自分で削除してしまったことや、同僚が削除してしまい真っ青な顔で「削除してしまいました。」と連絡を受けたことがあります。
そんな時に復旧方法を知っていると、被害を最小限に留めることができます。

本記事では、LifeKeeper構成情報のバックアップとリストアについてご紹介します。

 

LifeKeeper構成情報のバックアップ・リストア機能について

LifeKeeperのバックアップ・リストア機能について
 「LifeKeeperのバックアップ・リストア機能をシステムの障害復旧に使えないのか。」
 「システムリストア後にLifeKeeperのリストアは必要なのか。」
 「LifeKeeperのバージョンアップや構築には使えないのか。」
などのご質問を受けるケースがあります。

LifeKeeperのバックアップ・リストア機能は、同一環境でのLifeKeeper構成情報の復元に特化した機能です。

システム障害時にはシステムのバックアップから復旧が必要であり、復旧後にLifeKeeper構成情報のリストアは基本的に不要です。
但し、システムリストア後にLifeKeeperが正常に動作していない場合は、LifeKeeper構成情報のリストアで復旧するケースはあります。

LifeKeeper構成情報のバックアップは、同一環境かつ同一LifeKeeperバージョンでの利用のみサポートされます
このため、構築用途やバージョンアップ後環境のリストアで使用することは保障されておりません。

また、LifeKeeper構成情報のバックアップ・リストア機能はLinux版のみ提供となり、Windows版では利用することができません

 

LifeKeeper構成情報バックアップの取得方法

LifeKeeper構成情報バックアップは、下記2パターンの方法で取得します。

  • CRONにより毎日午前3時に自動バックアップする「autmatic backup」
  • 任意のタイミングにコマンドを手動実行することでバックアップする「lkbackup」

どちらも「/opt/LifeKeeper/config」配下にバックアップファイルが作成されます。

「autmatic backup」は /etc/crontab の内容を修正することで取得タイミングを変更することが可能

 

lkbackupでLifeKeeper構成情報のバックアップとリストアやってみた。

今回は、「lkbackup」コマンドを使用してLifeKeeper構成情報のバックアップとリストアを試していきます。

■環境情報

ホスト名 アクティブサーバ = rhel01

スタンバイサーバ = rhel02

OS Red Hat Enterprise Linux release 8.6 (Ootpa)
LifeKeeper製品 LifeKeeper for Linux v9.9.1

LifeKeeper Web Management Console v1.3.1

■リソース階層

/kdump ファイルシステムリソース
 datarep-kdump データレプリケーションリソース
  ip-192.168.10.100 IPアドレスリソース

 

①事前にアクティブサーバ・スタンバイサーバ両方でlkbackupコマンドを実行してLifeKeeper構成情報バックアップを取得します。

[root@rhel01 ~]# /opt/LifeKeeper/bin/lkbackup -c
Executing on rhel01
Creating archive /opt/LifeKeeper/config/archive.2511041601.tar.gz
[root@rhel02 ~]# /opt/LifeKeeper/bin/lkbackup -c
Executing on rhel02
Creating archive /opt/LifeKeeper/config/archive.2511041601.tar.gz
「lkbackup -c」= LifeKeeper構成情報バックアップを作成

 

②「datarep-kdump」リソース上の右クリックメニューから、誤って「リソース階層の削除」を実行します。

 

③サーバとリソースが表示されますが、そのまま「確認」をクリックします。

 

④リソース階層の削除の実行確認が表示されますが、そのまま「削除」をクリックします。

 

⑤ 成功 が表示されたら、「閉じる」をクリックします。

 

⑥リソースが何もなくなりました。

 

⑦アクティブサーバ・スタンバイサーバ両方でlkstopコマンドを実行してLifeKeeperサービスを停止します。

[root@rhel01 ~]# /opt/LifeKeeper/bin/lkstop
Removed /etc/systemd/system/lifekeeper-graphical.target.requires/lifekeeper.service.
Removed /etc/systemd/system/lifekeeper-multi-user.target.requires/lifekeeper.service.
[root@rhel02 ~]# /opt/LifeKeeper/bin/lkstop
Removed /etc/systemd/system/lifekeeper-graphical.target.requires/lifekeeper.service.
Removed /etc/systemd/system/lifekeeper-multi-user.target.requires/lifekeeper.service.

 

⑧アクティブサーバ・スタンバイサーバ両方でLifeKeeper構成情報のリストアを実行します。

[root@rhel01 ~]# /opt/LifeKeeper/bin/lkbackup -x -f /opt/LifeKeeper/config/archivve.2511041601.tar.gz
Executing on rhel01
You are about to restore LifeKeeper configuration files from archive
/opt/LifeKeeper/config/archive.2511041601.tar.gz
Are you sure? (yes/no) yes
Extracting files from archive /opt/LifeKeeper/config/archive.2511041601.tar.gz
[root@rhel02 ~]# /opt/LifeKeeper/bin/lkbackup -x -f /opt/LifeKeeper/config/archivve.2511041601.tar.gz
Executing on rhel02
You are about to restore LifeKeeper configuration files from archive
/opt/LifeKeeper/config/archive.2511041601.tar.gz
Are you sure? (yes/no) yes
Extracting files from archive /opt/LifeKeeper/config/archive.2511041601.tar.gz
「lkbackup -x -f <バックアップファイル>」= 指定のバックアップファイルからリストア
 

⑨アクティブ・スタンバイ両方のサーバでlkstartコマンドを実行してLifeKeeperサービスを起動します。

[root@rhel01 ~]# /opt/LifeKeeper/bin/lkstart
Created symlink /etc/systemd/system/lifekeeper-graphical.target.requires/lifekeeper.service → /usr/lib/systemd/system/lifekeeper.service.
Created symlink /etc/systemd/system/lifekeeper-multi-user.target.requires/lifekeeper.service → /usr/lib/systemd/system/lifekeeper.service.
[root@rhel02 ~]# /opt/LifeKeeper/bin/lkstart
Created symlink /etc/systemd/system/lifekeeper-graphical.target.requires/lifekeeper.service → /usr/lib/systemd/system/lifekeeper.service.
Created symlink /etc/systemd/system/lifekeeper-multi-user.target.requires/lifekeeper.service → /usr/lib/systemd/system/lifekeeper.service.

 

⑩削除してしまったリソースが復旧していることが確認できました。

 

さいごに

今回は、LifeKeeper構成情報のバックアップとリストアについてご紹介させていただきました。
使用するタイミングは限定的ですが、少しでも参考になれば幸いです。

 

詳しい内容をお知りになりたいかたは、以下のバナーからSCSKLifekeeper公式サイトまで

 

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