本記事は TechHarmony Advent Calendar 2025 12/19付の記事です。 |
こんにちは、ひるたんぬです。
最近は急速に気温が下がってきましたね…
私は寒いときにブルッと鳥肌が立つのですが、なぜ感動したときや恐怖を感じたときも同じような反応をするのでしょうか?
さて、そのような探索を進めるためには、鳥肌が生じているときの脳の活動の様子を調べることが有効です。ところが、これがなかなか簡単ではありません。…(中略)…脳活動を測定するというさらに慣れない環境だと、鳥肌はもっと立ちにくくなることを覚悟しなければならないでしょう。これでは実験データを集めるだけでも気の遠くなる仕事になってしまいます。こうした事情から、鳥肌を測定して脳の活動と関連づけるという研究はこれまでのところ行われてきていないのです。
引用:academist「恐怖、感動、驚き——さまざまな感情体験で鳥肌が生じるのはなぜ?」
調査をする中で、傾向論のようなものはありましたが、具体的に鳥肌が立つメカニズムまで解明された研究は見当たりませんでした。
人間の身体の不思議の一つですね。
さて、今回は技術的な話とは少し離れますが、AWSのリージョンについて少し紐解いていきたいと思います。
AWSのリージョン
AWSでは、記事執筆時点(2025年12月)で37個のリージョンが存在しています。
日本国内でも「東京リージョン」や「大阪リージョン」が存在し、AWSに触れたことがある方なら一度は聞いたことがあるのではないかと思います。
そんなAWSのリージョンの中で「バージニア北部リージョン」は他のリージョンとは少々事情が異なります。
というのも、バージニア北部リージョンでないといけない場合(例:CloudFrontに紐づけるACMの証明書)や多くの新サービスの提供がバージニア北部リージョンから始まるなど…AWSに必須なリージョンと言っても過言ではありません。
そんな「バージニア北部リージョン」ですが、そもそもなぜ「バージニア北部」にリージョンが設立されたのでしょうか?
そもそも私は州名すら聞いたことがなかったので、その理由を調べてみました。
バージニア北部リージョン
バージニアってどこ?
まずは、バージニア州について少し調べてみます。
バージニア州はアメリカ本土の東部に位置する州です。
2020年現在の人口は8,654,542人で、12番目に人口が多い州です。
なぜバージニア北部に?
では、肝心な理由について考察していきます。
バージニア州北部には、通称「データセンター・アレイ」と呼ばれる世界最大のデータセンター集積地があります。
ここにデータセンターが集まってきた理由として、以下が挙げられます。
米国東海岸におけるインターネットの心臓部
1960~70年代に米国防総省ARPAが始めたARPANETの一大拠点がバージニア州アーリントンに置かれ、1980年代には東海岸初期のインターネットエクスチェンジMAE-Eastがタイソンコーナー(バージニア州)に開設されるなど、この地域は早くから通信インフラの要衝となっていました。
今日では、世界中のインターネットトラフィックの70%がこの「データセンター・アレイ」を通るまでになったとも言われています。
安価な電力供給
データセンターの稼働に欠かせない要因の一つとして、安定した電力供給が挙げられます。バージニアの地域には石炭ベルト地帯にある電力会社が、火力発電をメインに電力供給をしています。このこともあり、この地域の電気料金は、アメリカの平均より34%も安価だということです。
今後は石炭利用だけでなく、シェールガスや天然ガスでの発電などが進められるようです。
豊富な水資源
データセンターの冷却には欠かせない大量の水ですが、バージニア州には2008年に水処理施設が完成しました。
この処理施設の再生水を冷却に再利用することにより、データーセンター事業者は安価に大量の水を使用することができ、水道事業者は従来捨てていた水に、大きな処理コストをかけることなく値段をつけて販売できるようになりました。
税制面での優遇
バージニア州では、新規資本投資が1億5000万ドル以上、50人以上の新規雇用を生み出すプロジェクトでは、導入されるサーバーなどの危機に対して、各種税金が免除されるという制度もあります。
他のリージョンは?
上述した通り、「バージニア北部リージョン」が設立された理由としては「通信・電力・水」といったインフラに加え、「税制」面でのメリットが大きかったため、と考えられます。
では、他のリージョンが設立された理由は何なのでしょうか?
例えば、東京リージョンの例を見てみます。
東京リージョンは2011年3月に提供が開始されました。その時のインタビュー記事を見てみると、
顧客の多くは米国(東部および西部)やシンガポールのデータセンターを利用している。この物理的な距離によって「遅延(レイテンシ)」と「国外へのデータ配備」という問題が発生していたが、その解消が国内ユーザーの大きな要望だった
引用:ZDNET「AWS幹部に国内データセンター設立の背景を聞く–普及には「楽観的」」
AWSを使いたいがデータは日本に置かなければならない、だからデータが日本にあることを確認したいというニーズがあった。
引用:ZDNET「AWS幹部に国内データセンター設立の背景を聞く–普及には「楽観的」」
と、顧客ニーズがきっかけになっていることが伺えます。
終わりに
今回は、普段何気なく使っているAWSリージョンの設立背景について、自分なりに調査してみました。
バージニア北部リージョンはインフラ・税制上のメリットから、それ以外のリージョンは顧客ニーズからという結論に至り、バージニア北部リージョンでのリソース使用料金が、他のリージョンよりも比較的安価な理由も頷ける結果となりました。




