こんにちは。SCSK渡辺(大)です。
2026年1月〜4月にかけて、AWSとAnthropicの協業が一気に加速しました。
新モデルの連続リリース、開発者ツールの統合深化、サイバーセキュリティの新イニシアチブ、そして史上最大規模の投資拡大まで。
正直、情報を追いきれないので Kiro に整理してもらいました。
本記事では、この期間に発表された主要ニュースを時系列で整理し、それぞれ「誰にとって嬉しいのか」「何が変わるのか」を掘り下げます。
引用元はAWSまたはAnthropicの公式サイト・ブログを中心にしています。
- 忙しい人向け:3分でわかるまとめ
- 目次
- タイムライン一覧
- この記事で出てくる用語の補足
- Claude Opus 4.6 — Bedrock提供開始(2月5日)
- Claude Sonnet 4.6 — Bedrock提供開始(2月17日)
- Kiro — Claudeモデル対応の加速(2月〜4月)
- Claude Certified Architect — Foundations 試験開始(3月12日)
- Project Glasswing & Claude Mythos Preview(4月7日)
- Bedrock IAMプリンシパル別コスト配分(4月17日)
- Claude Opus 4.7 — Bedrock提供開始(4月16日)
- Amazon × Anthropic 投資拡大 & Claude Platform on AWS(4月20日)
- Claude Cowork in Amazon Bedrock(4月21日)
- AgentCore新機能 — Managed Harness / CLI / Skills(4月22日)
- 今後の注目ポイント
- 引用元一覧
忙しい人向け:3分でわかるまとめ
この4ヶ月を一言でまとめると、「Claudeが開発者のツールから、組織全体のインフラへと進化した」ということです。
なぜそう言えるのか?以下の3つの変化が根拠です:
- 使える人が広がった:これまでClaude CodeはエンジニアがBedrock経由で使うものでしたが、Claude
Coworkの登場で営業・経理・人事などエンジニア以外の全社員がClaude Desktopを安全に使えるようになりました - 管理の仕組みが整った:IAMプリンシパル別コスト配分により「誰がいくら使ったか」が見える化され、組織全体でのAI利用を管理できるようになりました
- 長期的な安定供給が保証された:Amazonの最大330億ドル投資と、Anthropicの10年1,000億ドルAWS支出コミットにより、両社の協業が長期的に継続する見通しとなりました
以下のテーブルは、AWS × Anthropicのエコシステム全体がこの4ヶ月でどう変わったかを、レイヤーごとに整理したものです。
| レイヤー | 説明 | 2025年末まで | 2026年4月時点 |
|---|---|---|---|
| Claudeモデル | Bedrock上で使えるAnthropicのAI | Opus 4.5 / Sonnet 4.5 | Opus 4.7 / Sonnet 4.6 / Mythos Preview |
| 開発者ツール | エンジニアがコードを書くためのツール | Claude Code(Bedrock対応済み)/ Kiro | Claude Code + Claude Cowork(Bedrock対応)+ Kiro(GovCloud対応・Opus 4.7対応) |
| エージェント基盤 | AIが自律的にタスクを実行する仕組み | AgentCore Runtime | AgentCore Runtime + Managed Harness + CLI + Skills |
| コスト管理 | Bedrockの利用料金の可視化 | AWSアカウント単位でしか把握できない | IAMプリンシパル単位(チーム別・個人別に把握可能) |
| Claudeの利用方法 | AWSアカウントからClaudeを使う手段 | Amazon Bedrockのみ | Amazon Bedrock + Claude Platform on AWS(Preview) |
| セキュリティ | AIを使った防御の取り組み | 標準的なモデル利用 | Project Glasswing(Mythosによるゼロデイ脆弱性の自動発見) |
| 認定資格 | Claudeのスキルを証明する試験 | なし | CCA Foundations(Anthropic初の公式認定試験) |
| 投資規模 | AmazonからAnthropicへの出資額 | Amazon累計80億ドル | Amazon累計最大330億ドル / Anthropic 10年間で1,000億ドル以上をAWSに支出コミット |
特に注目すべき3つのニュース
- Project Glasswing(4月7日) — Anthropicの最強モデル「Claude Mythos」がサイバーセキュリティ特化で限定公開。AWS・Apple・Google・Microsoftなど約50組織がパートナーに。コーディング能力テスト(SWE-bench Verified)で93.9%、サイバーセキュリティテスト(Cybench)で100%を達成
- Amazon × Anthropic 投資拡大(4月20日) — Amazon 50億ドル追加投資、Anthropic 10年間で1,000億ドル以上をAWSに支出コミット。新たに「Claude Platform on AWS」も発表
- Claude Cowork in Bedrock(4月21日) — エンジニア以外もClaude Desktopを安全に使えるように。データはAWS内に留まり、Anthropicへのシートライセンス(1人あたり月額○円)は不要の従量課金
観点別の評価
| 観点 | 良い点 | 検討・留意すべき点 |
|---|---|---|
| コスト | Sonnet 4.6がOpus並みの性能をより低コストで提供。IAMプリンシパル別コスト配分で可視化も改善。Coworkはシートライセンス不要の従量課金 | Opus系は高性能な分、料金も相応(入力5ドル/出力25ドル per 100万トークン)。Claude Codeの利用量は開発者によって大きく異なるため、IAMコスト配分を活用した予算管理の仕組みづくりが重要 |
| セキュリティ | Project Glasswingは防御側に先行アクセスを提供する画期的なアプローチ。Bedrock経由ならデータはAWS内に留まる | Mythos Previewは現時点では限定公開のため、一般利用はできない。AI全般の能力向上に伴い、防御側・攻撃側双方の能力が高まる点は業界全体の課題として注視が必要 |
| 選択肢と柔軟性 | Claude Platform on AWSの登場で選択肢が増加。Claudeは3大クラウド(AWS / GCP / Azure)すべてで利用可能な唯一のフロンティアモデル | AWSとAnthropicの長期的なパートナーシップが深まる中、自社の要件に合った利用形態(Bedrock / Claude Platform on AWS / 直接API)を選定することが重要 |
| 開発者体験 | Claude Code / Cowork / Kiro / AgentCoreの統合が進み、「開発→テスト→デプロイ→運用」の全フェーズでClaude + AWSの組み合わせが使える | ツールの選択肢が増えた分、「どれを使うべきか」の判断が複雑に。用途に応じた使い分けガイドの整備が望まれる |
目次
- タイムライン一覧
- Claude Opus 4.6 — Bedrock提供開始(2月5日)
- Claude Sonnet 4.6 — Bedrock提供開始(2月17日)
- Kiro — Claudeモデル対応の加速(2月〜4月)
- Claude Certified Architect — Foundations 試験開始(3月12日)
- Project Glasswing & Claude Mythos Preview(4月7日)
- Bedrock IAMプリンシパル別コスト配分(4月上旬)
- Claude Opus 4.7 — Bedrock提供開始(4月16日)
- Amazon × Anthropic 投資拡大 & Claude Platform on AWS(4月20日)
- Claude Cowork in Amazon Bedrock(4月21日)
- AgentCore新機能 — Managed Harness / CLI / Skills(4月22日)
- 今後の注目ポイント
- 引用元一覧
タイムライン一覧
| 日付 | ニュース | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 2月5日 | Claude Opus 4.6 Bedrock提供開始 | Anthropicの最高性能モデルがAWSで使える |
| 2月17日 | Claude Sonnet 4.6 Bedrock提供開始 | Opusに迫る性能をより安く |
| 2月5日〜 | Kiro — Claudeモデル対応の加速 | GovCloud対応、Opus/Sonnet 4.6即日対応、1Mコンテキスト |
| 3月12日 | Claude Certified Architect Foundations | Anthropic初の公式認定資格 |
| 4月7日 | Project Glasswing & Claude Mythos | AIがゼロデイ脆弱性を自動発見する時代の幕開け |
| 4月17日 | Bedrock IAMプリンシパル別コスト配分 | 「誰がいくら使ったか」が見える化 |
| 4月16日 | Claude Opus 4.7 Bedrock提供開始 | コーディング性能がさらに向上、東京リージョン対応 |
| 4月20日 | Amazon 50億ドル追加投資 & Claude Platform on AWS | 史上最大規模のAI投資。Claudeの安定供給を長期保証 |
| 4月21日 | Claude Cowork in Amazon Bedrock | エンジニア以外もClaude Desktopを安全に使える |
| 4月22日 | AgentCore Managed Harness / CLI / Skills | コードを書かずにAIエージェントを動かせる |
この記事で出てくる用語の補足
AIモデルやAWSサービスの名前がたくさん出てくるので、先に整理しておきます。
用語一覧を開く(クリックで展開)
| 用語 | ざっくり言うと |
|---|---|
| Amazon Bedrock | AWSが提供する「AIモデルの窓口」サービス。Claude、Nova、Llamaなど複数のAIモデルをAPI経由で使える。データはAWS内に留まるので、セキュリティ面で安心 |
| Claude | Anthropic社が開発したAIモデルのブランド名。性能順に Mythos > Opus > Sonnet > Haiku というラインナップがある |
| トークン | AIモデルが文章を処理する単位。日本語の場合、1文字が1〜3トークン程度。料金は「100万トークンあたり○ドル」で計算される |
| コンテキストウィンドウ | AIモデルが一度に読める文章の量。1Mトークン ≒ 日本語で約30〜50万文字(文庫本5〜8冊分) |
| SWE-bench | AIモデルの「プログラミング能力テスト」。GitHubの実際のバグ修正タスクを解けるかを測定する。スコアが高いほど優秀 |
| Kiro | AWSが開発したAI搭載のコードエディタ(IDE)。VS Codeベースで、Claudeモデルを使ってコードの生成・レビュー・テストを支援する |
| Claude Code | Anthropicが開発したターミナル(コマンドライン)で動くAIコーディングツール。2025年5月にGA(正式版)。Bedrock経由でも利用可能 |
| Claude Cowork | Claude Desktopアプリのエンタープライズ向けモード。エンジニア以外のビジネスユーザーがリサーチや文書作成にClaudeを使える |
| AgentCore | AWSが提供する「AIエージェントの実行基盤」。AIが自律的にツールを使って作業するための仕組み |
| MCP | Model Context Protocol。AIモデルが外部ツール(データベース、API等)と連携するための標準規格 |
| IAM | AWSの認証・認可サービス。「誰が何にアクセスできるか」を管理する |
| ゼロデイ脆弱性 | まだ誰にも知られていないソフトウェアのセキュリティ上の弱点。発見されるまで対策が取れないため非常に危険 |
Claude Opus 4.6 — Bedrock提供開始(2月5日)
何が変わったのか
Claude Opus 4.6は、Anthropicが「世界最高のコーディングモデル」と位置づけるフラッグシップモデルです。
これがAmazon Bedrockで使えるようになったことで、AWSの認証(IAM)やネットワーク分離(VPC)といったセキュリティの仕組みの中でOpusを利用できるようになりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コンテキストウィンドウ | 1Mトークン(日本語で約30〜50万文字を一度に読める) |
| 最大出力トークン | 128K |
| SWE-bench Verified(コーディング能力テスト) | 80.8%(Opus 4.5と同等水準を維持しつつ他の能力が大幅向上) |
| Terminal-Bench 2.0(ターミナル操作テスト) | 65.4% |
| 推論(Reasoning) | サポート(Extended Thinking対応) |
| 料金 | 入力 5ドル / 出力 25ドル(100万トークンあたり) |
誰にとって嬉しいのか
- エンタープライズ開発チーム:複雑なコードベースの理解・リファクタリングに最適。長時間のエージェントタスクでも安定動作
- Claude Code利用者:Bedrock経由でOpus 4.6を使えるため、APIキー管理不要・IAM認証・VPCエンドポイントのセキュリティメリットを享受
- Kiroユーザー:Kiro IDEでもOpus 4.6が同日(2月5日)に利用可能に(2.2xクレジット乗数)
参考:Claude Opus 4.6 now available in Amazon Bedrock — AWS What’s New
Claude Sonnet 4.6 — Bedrock提供開始(2月17日)
何が変わったのか
| 項目 | Sonnet 4.6 | Opus 4.6(参考) |
|---|---|---|
| SWE-bench Verified(コーディング能力テスト) | 79.6% | 80.8% |
| OSWorld(PC操作の自動化テスト) | 72.5% | 72.7% |
| コンテキストウィンドウ | 1Mトークン | 1Mトークン |
| 入力 / 出力料金 | 3ドル / 15ドル per 100万トークン | 5ドル / 25ドル per 100万トークン |
注目の新機能:Context Compaction(コンテキスト圧縮)
長い会話を続けると、AIモデルが読める量(コンテキストウィンドウ)の上限に近づきます。Sonnet 4.6では、上限に近づくと自動的に過去のやり取りを要約して圧縮する機能が追加されました。これにより、長時間の作業でも会話が途切れにくくなります。利用方法はシンプルで、APIリクエストに「入力トークンが○○を超えたら圧縮する」というパラメータを追加するだけです。
誰にとって嬉しいのか
- 大量にAIを使う組織:Opus並みの性能を、より低コスト(入力3ドル/出力15ドル vs Opusの5ドル/25ドル)で利用可能。大量のリクエストを処理する場合に最適
- Claude Codeユーザー:Claude Codeの早期テストでは、Sonnet 4.5より70%の確率で好まれた(Anthropic公式発表)
- Kiroユーザー:Kiro IDEでも同日(2月17日)に利用可能に(1.3xクレジット乗数)
参考:Claude Sonnet 4.6 now available in Amazon Bedrock — AWS What’s New
Kiro — Claudeモデル対応の加速(2月〜4月)
Kiroとは
Kiroは、AWSが開発したAI搭載のコードエディタ(IDE)です。VS Codeをベースにしており、Claudeモデルを使った「スペック駆動開発」が特徴です。普通のAIコーディングツールが「コードを書いて」と頼むとすぐコードを生成するのに対し、Kiroはまず要件定義書(スペック)を作り、それに基づいてコードを生成・検証するというアプローチを取ります。
この期間のKiroの主なアップデート
Kiro Models Changelogに基づく時系列です:
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2月5日 | Claude Opus 4.6対応 — Bedrock提供と同日。2.2xクレジット乗数。us-east-1で利用可能 |
| 2月10日 | オープンウェイトモデル追加 — DeepSeek 3.2(0.25x)、MiniMax 2.1(0.15x)、Qwen3 Coder Next(0.05x)が利用可能に。低コストの選択肢が増加 |
| 2月17日 | Claude Sonnet 4.6対応 — Bedrock提供と同日。1.3xクレジット乗数。us-east-1とeu-central-1で利用可能 |
| 2月下旬 | GovCloud(US-East / US-West)対応 — 米国政府機関や規制産業の開発者がKiroを利用可能に |
| 3月24日 | Opus 4.6 & Sonnet 4.6が1Mコンテキストに正式対応 — 200Kから1Mに拡大し、「experimental」マークが外れてGA(正式版)に |
| 4月17日 | Claude Opus 4.7対応 — 2.2xクレジット乗数。まずIAM Identity Center認証ユーザーから段階的に展開 |
ポイント
- Bedrockへの新モデル追加と同日にKiroでも利用可能になるパターンが定着。AWSのAI開発ツールとしてのKiroの位置づけが明確に
- Claudeだけでなくオープンウェイトモデル(DeepSeek、MiniMax、Qwen等)も選択可能。クレジット乗数が低い(0.05x〜0.25x)ため、コストを抑えたい場合の選択肢になる
- 3月24日のアップデートで、Opus 4.6とSonnet 4.6が1Mコンテキストウィンドウに正式対応。大規模なコードベースやドキュメントを一度に読み込めるようになった
- エンタープライズ向けにはModel Governance機能も追加。管理者が「どのモデルを使って良いか」を制御でき、データレジデンシー要件に対応
参考:Kiro Models Changelog / Opus 4.7 is now available in Kiro — Kiro Blog
Claude Certified Architect — Foundations 試験開始(3月12日)
何が変わったのか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験名 | Claude Certified Architect – Foundations(CCA-F) |
| 開始日 | 2026年3月12日 |
| 試験時間 | 120分 |
| 問題数 | 60問(多肢選択) |
| 合格スコア | 720 / 1000 |
| 受験料 | 99ドル |
| 前提知識 | Claudeでの本番システム構築経験6ヶ月以上 |
試験範囲
- Claude Agent SDKを使ったエージェントシステム設計
- MCP(Model Context Protocol)のサーバー/クライアント実装
- Claude Codeの
CLAUDE.mdを活用したプロジェクト管理 - 6つの本番シナリオ(カスタマーサポートエージェント、マルチエージェントパイプライン、CI/CD統合など)
誰にとって嬉しいのか
- AIアーキテクト・エンジニア:スキルの客観的証明が可能に。AWS認定資格と同様に、転職・昇進の武器になる
- SIer・コンサルティング企業:AnthropicのClaude Partner Networkと連動。1億ドルのトレーニング・セールスイネーブルメント投資の一環
- 組織の意思決定者:チームのClaude活用スキルを定量的に評価できる
Project Glasswing & Claude Mythos Preview(4月7日)
何が起きたのか
Anthropicは2026年4月7日、Project Glasswingを発表しました。これは、Claude Mythos Previewという未公開の最先端モデルを使い、世界の重要ソフトウェアのセキュリティ脆弱性を発見・修正するイニシアチブです。
簡単に言うと、「AIが人間のセキュリティ専門家よりも高い精度でソフトウェアの弱点を見つけられるようになった。その力を、まず防御側(守る側)に先に渡して、悪用される前に弱点を直そう」という取り組みです。
Claude Mythos Previewのスペック
| 項目 | Mythos Preview | Opus 4.6(参考) |
|---|---|---|
| SWE-bench Verified(コーディング能力テスト) | 93.9% | 80.8% |
| SWE-bench Pro(より難しいコーディングテスト) | 77.8% | 53.4% |
| Cybench(サイバーセキュリティテスト) | 100% | — |
| コンテキストウィンドウ | 1Mトークン | 1Mトークン |
| 最大出力トークン | 128K | 128K |
| 提供形態 | ゲーテッドリサーチプレビュー(許可された組織のみ) | 一般提供 |
| 利用可能リージョン | us-east-1のみ | 複数リージョン |
Project Glasswingのパートナー
ローンチパートナー(12組織):
Amazon Web Services、Anthropic、Apple、Broadcom、Cisco、CrowdStrike、Google、JPMorganChase、Linux
Foundation、Microsoft、NVIDIA、Palo Alto Networks
加えて約40の追加組織(インターネットの重要インフラを構築・保守する企業)が参加。
Anthropicのコミットメント
- 1億ドルのモデル利用クレジットをProject Glasswing参加者に提供
- 400万ドルのOSSセキュリティ組織への直接寄付(Linux Foundation経由250万ドル + Apache Software Foundation 150万ドル)
- リサーチプレビュー後の料金:入力25ドル / 出力125ドル per 100万トークン(Anthropic公式)
誰にとって嬉しいのか
- セキュリティチーム:数千のゼロデイ脆弱性を自律的に発見できるモデルを防御目的で利用可能。従来の自動スキャンツールでは見つけられなかった脆弱性を検出
- OSS開発者・メンテナー:Linux Foundationがパートナーに含まれており、OSSの重要プロジェクトのセキュリティ強化に直結
- AWS顧客:Amazon Bedrock経由でアクセス可能(許可リスト制)。AWSのCISO Amy Herzogも「AIによる防御を脅威が出現する前に構築する」と言及
▼ なぜ「慎重なリリース」なのか — 背景を読む(クリックで展開)
Anthropicは、Claude Mythosの能力が非常に高いレベルに達していることを認識しており、責任あるリリースのために以下の方針を採用しています:
- 防御優先:まず防御側(セキュリティチーム、OSSメンテナー)にアクセスを提供し、脆弱性を修正する時間を確保
- 段階的公開:インターネットの重要インフラを担う組織を優先し、徐々にアクセスを拡大
- 学びの共有:パートナーが発見した知見を業界全体で共有し、エコシステム全体のセキュリティを向上
UK AI Security Institute(AISI)は、Claude Mythosが「他のどのモデルも合格できなかったサイバーセキュリティテストに合格し、事実上すべてのテストで他のフロンティアモデルを上回った」と確認しています。
Anthropicのレッドチーム評価では、主にメモリ安全性の脆弱性に焦点を当てた結果が公開されています。
参考:Project Glasswing — Anthropic / Amazon Bedrock now offers Claude Mythos Preview — AWS What’s New
Bedrock IAMプリンシパル別コスト配分(4月17日)
何が変わったのか
これまでBedrockのコストは「AWSアカウント全体でいくら」としか把握できませんでした。チームが増えてClaude CodeやCoworkを使う人が増えると、「誰がどれだけ使っているのか」が見えないという課題がありました。
新機能により:
- AWSの利用明細レポート(CUR 2.0)に、誰がリクエストしたかの情報が自動で記録される
- IAMユーザーやロールに「チーム名」「コストセンター」などのタグを付けておけば、チーム別・プロジェクト別・個人別のBedrock利用コストを分析可能
- AWS Cost Explorer(コスト分析ツール)でグラフ化もできる
具体例
| 誰が | 何を使ったか | いくら | |------------------------------|-------------------------------|----------| | arn:aws:iam::...:user/alice | Claude4.6Sonnet-input-tokens | $0.069 | | arn:aws:iam::...:user/alice | Claude4.6Sonnet-output-tokens | $0.214 | | arn:aws:iam::...:user/bob | Claude4.6Opus-input-tokens | $0.198 | | arn:aws:iam::...:user/bob | Claude4.6Opus-output-tokens | $0.990 |
誰にとって嬉しいのか
- FinOps(コスト管理)チーム:「どのチームがどのモデルにいくら使っているか」が一目瞭然。予算超過の早期検知が可能
- Claude Code / Coworkを組織展開する管理者:開発者ごとの利用量を把握でき、コスト管理とガバナンスの両立が実現
- マルチテナントSaaS事業者:テナント(顧客)ごとのAIコストを正確に按分可能
参考:Introducing granular cost attribution for Amazon Bedrock — AWS ML Blog
Claude Opus 4.7 — Bedrock提供開始(4月16日)
何が変わったのか
| 項目 | Opus 4.7 | Opus 4.6(参考) |
|---|---|---|
| SWE-bench Verified(コーディング能力テスト) | 87.6% | 80.8% |
| SWE-bench Pro(より難しいコーディングテスト) | 64.3% | 53.4% |
| コンテキストウィンドウ | 1Mトークン | 1Mトークン |
| 高解像度画像 | 対応(チャート、密なドキュメント、画面UIを正確に読み取れる) | 標準解像度のみ |
| Adaptive Thinking | 対応(質問の難しさに応じて「考える量」を自動調整) | Extended Thinking |
| Bedrock提供リージョン | us-east-1、ap-northeast-1(東京)、eu-west-1、eu-north-1 | — |
Opus 4.6との違い(わかりやすく言うと)
AWSの公式ブログによると:
- あいまいな指示でもより適切に対応してくれる(「いい感じにして」でもちゃんと動く)
- 問題解決がより徹底的になった(手抜きしない)
- 指示への追従がより正確になった(言ったことをちゃんとやる)
- 長時間タスクでも途中で迷子にならなくなった
Kiroでの対応
Kiroでも4月17日(Bedrock提供の翌日)にOpus 4.7が利用可能になりました(Kiro Changelog)。2.2xクレジット乗数で、まずIAM
Identity Center認証ユーザーから段階的に展開されています。
誰にとって嬉しいのか
- エージェント開発者:長時間の自律タスク(8時間以上)でも安定動作。AgentCoreとの組み合わせで本番運用に耐えるエージェントを構築可能
- ナレッジワーカー:スライド作成、財務分析、データ可視化などの業務タスクが改善
- 東京リージョンユーザー:ローンチ時点で東京リージョン(ap-northeast-1)に対応。日本のユーザーにとってレイテンシ(応答速度)面で大きなメリット
APIアクセス
Opus 4.7はbedrock-runtime(AWS標準のAPI)とbedrock-mantle(Anthropic互換のAPI)の両方で利用可能です。
以下はサンプルです。
# Anthropic SDK(Bedrock Mantle経由)
from anthropic import AnthropicBedrockMantle
mantle_client = AnthropicBedrockMantle(aws_region="us-east-1")
message = mantle_client.messages.create(
model="us.anthropic.claude-opus-4-7",
max_tokens=32000,
messages=[{"role": "user", "content": "..."}]
)
参考:Claude Opus 4.7 is now available in Amazon Bedrock — AWS What’s New
Amazon × Anthropic 投資拡大 & Claude Platform on AWS(4月20日)
投資の全体像
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Amazonの即時投資 | 50億ドル(約7,500億円) |
| 将来の追加投資(マイルストーン連動) | 最大200億ドル(約3兆円) |
| Amazonの累計投資額 | 最大330億ドル(過去の80億ドル + 今回50億ドル + 将来最大200億ドル) |
| Anthropicの10年間AWS支出コミット | 1,000億ドル以上 |
| 確保するコンピュート容量 | 最大5GW(ギガワット) |
| 使用チップ | Trainium2 → Trainium3 → Trainium4 + Graviton |
| Anthropicの年間売上(ランレート) | 300億ドル以上(2025年末の90億ドルから急成長) |
Claude Platform on AWS とは
新発表。AnthropicのClaude Platformを、AWSアカウント内から直接利用できる新しい選択肢です。
これまでClaudeを使うには「Bedrock経由」か「Anthropicに直接契約」の2択でしたが、新たに「AWSアカウントのまま、Anthropicのネイティブ体験を使う」という第3の選択肢が加わります。
| Amazon Bedrock | Claude Platform on AWS | |
|---|---|---|
| 推論インフラ(AIが動く場所) | AWS管理(データはAWS内に留まる) | Anthropic管理(データはAnthropicインフラを経由) |
| 認証・課金・監査 | AWS(IAM / CloudTrail / AWS Billing) | AWS(IAM / CloudTrail / AWS Billing) |
| 利用可能モデル | Claude + Nova + Llama + Mistral + DeepSeek等 | Claudeのみ |
| AWS管理機能 | Guardrails、Knowledge Bases、Agents、PrivateLink等 | なし(Anthropicネイティブ機能を利用) |
| データレジデンシー(データの保管場所) | AWSリージョン内 | Anthropicインフラ経由 |
| 追加の契約・認証情報 | 不要 | 不要 |
| ステータス | GA(正式版) | Coming Soon(プレビュー) |
誰にとって嬉しいのか
- 全AWS顧客:Claudeの安定供給が長期的に保証される。5GWのコンピュート確保は、「使いたいときに使えない」状況の低減を意味する
- Anthropic APIを直接使っている組織:Claude Platform on AWSにより、既存のAWSアカウント・IAM・課金をそのまま使いながらAnthropicネイティブの体験を得られる
- データの保管場所に厳しい要件がある組織:Bedrockは引き続きAWSインフラ内でデータが完結。要件に応じて使い分けが可能
- アジア・欧州のユーザー:国際推論の拡大が明記されており、東京を含むリージョンでの可用性向上が期待
参考:Anthropic and Amazon expand collaboration for up to 5 gigawatts of new compute — Anthropic / Amazon and Anthropic expand strategic collaboration — About Amazon
Claude Cowork in Amazon Bedrock(4月21日)
何が変わったのか
Claude Coworkは、Anthropicのデスクトップアプリ「Claude Desktop」のエンタープライズ向けモードです。これまでAnthropicのサーバーを経由していましたが、Amazon Bedrock経由でAIの処理を実行できるようになりました。
つまり、社員がClaude Desktopを使っても、データが社外(Anthropicのサーバー)に出ないということです。
Claude Code vs Claude Cowork — 何が違うのか
| Claude Code | Claude Cowork | |
|---|---|---|
| 対象ユーザー | 開発者 | 全社員(営業、マーケ、経理、人事等) |
| インターフェース | ターミナル(黒い画面)/ IDE | デスクトップアプリ(普通のチャット画面) |
| 主な用途 | コーディング、コードレビュー、リファクタリング | リサーチ、文書分析、レポート作成、データ整理 |
| Bedrock経由 | 対応済み | 今回新たに対応 |
| MCP対応 | 対応 | 対応 |
| 対応OS | macOS / Linux / Windows | macOS / Windows |
エンタープライズ向けの特徴
- データの保管場所:AIの処理はAmazon Bedrockで実行。データはAWSリージョン内に留まる
- 認証:AWS IAMまたはBedrock APIキーで認証
- ネットワーク分離:VPCエンドポイント経由でアクセス可能(インターネットを経由しない)
- 監査:AWS CloudTrailで全操作を記録
- 課金:AWS Billingに統合。Anthropicへの別途シートライセンス(1人あたり月額○円)は不要。使った分だけの従量課金
- テレメトリ:Anthropicに送信されるのは匿名の集計データ(トークン数、モデルID、エラーコード)のみ。設定で無効化も可能
- デバイス管理:MDM(モバイルデバイス管理)システムから設定をプッシュ可能
誰にとって嬉しいのか
- IT管理者・CISO:社員が個人のAIサービスに業務データを入力してしまうリスクへの対策として有効。Bedrock経由なのでデータがAWS外に出ない
- エンジニア以外の社員:プロダクトマネージャーがリサーチブリーフを作成、経理が月次レビューを整理、オペレーションがSOPを統合——すべてClaude Desktopから
- 既にClaude CodeをBedrock経由で使っている組織:同じセットアップをそのまま流用してCoworkを展開可能
AgentCore新機能 — Managed Harness / CLI / Skills(4月22日)
そもそもAIエージェントとは
AIエージェントとは、AIが自分で考えて、ツールを使って、タスクを完了する仕組みのことです。普通のAIチャットは「質問→回答」で終わりますが、エージェントは「目標を与えると、自分でWebを検索したり、コードを実行したり、ファイルを操作したりして、最終的な成果物を作る」ことができます。
何が変わったのか
| 新機能 | ざっくり言うと | ステータス |
|---|---|---|
| Managed Harness | 「AIモデル」「指示文」「使えるツール」を設定するだけでエージェントが動く。プログラミング不要 | プレビュー |
| AgentCore CLI | ターミナルからエージェントの作成→テスト→デプロイ→運用を一貫して実行 | GA |
| Pre-built Skills | AgentCoreのベストプラクティスをClaude Code、Codex、Cursorに直接提供。Kiroには既にPowerとして組み込み済み | 近日公開 |
Managed Harnessの特徴
- マルチモデル対応:Bedrock / OpenAI / Geminiを切り替え可能。セッション中のモデル切り替えも可能
- ファイルシステム永続化:エージェントがタスクを中断・再開可能
- ビルトインツール:Shell(コマンド実行)、ファイル操作がデフォルトで有効。Browser(Web閲覧)、Code Interpreter(コード実行)、MCP、Gateway等を追加可能
- 追加料金なし:Harness自体は無料。裏側のRuntime(CPU/メモリ)の従量課金のみ
誰にとって嬉しいのか
- エージェント開発者:「AIに考えさせる→ツールを選ばせる→実行する→結果をAIに戻す」というループを自分でプログラムする必要がなくなる
- プラットフォームチーム:CLIとCDKサポートにより、エージェントのデプロイをCI/CDパイプラインに組み込める
- Claude Code / Kiroユーザー:Pre-built Skillsにより、AgentCoreのベストプラクティスがIDEから直接利用可能
参考:Amazon Bedrock AgentCore adds new features — AWS What’s New
今後の注目ポイント
- Claude Platform on AWSのGA(正式版):価格体系やデータの保管場所に関する詳細が明らかになる
- Trainium3の本格稼働:2026年後半に予定。AIの処理コストの低下やキャパシティ拡大が期待
- Project Glasswingの成果公開:パートナーが発見した脆弱性の共有が進む見込み
- Claude Mythos Previewの一般公開時期:現時点では未定。段階的な拡大が予想される
- AgentCore Managed HarnessのGA:プレビューから正式版への移行時期
- Kiroの進化:Opus 4.7対応の全ユーザーへの展開、さらなるモデル追加やエンタープライズ機能の強化
引用元一覧
全引用元を表示(クリックで展開)
| トピック | 引用元 |
|---|---|
| Claude Opus 4.6 | AWS What’s New |
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