こんにちは。今年度からCato Cloudを担当することになりました斎須です。
私はこれまで20年以上、ネットワークエンジニアとして基幹ネットワーク、データセンターネットワークのに携わってきました。キャリアの初期からCiscoやJuniperをはじめとしたネットワーク製品やセキュリティ製品を中心に扱い、データセンターの運用支援や企業のコアネットワーク、WAN/LANの設計・構築などを経験してきました。Catoを担当する前は、Cisco ACIやCatalyst Centerといったソリューションを主に担当していました。
経験的(年齢的)にベテランと呼ばれる程度になったネットワークエンジニアである私が、ひとつのネットワークサービスとして、そしてネットワーク製品のひとつとしてCato Cloudに触れてみて感じたことをお話ししてみたいと思います。これまで扱ってきたネットワークとの違いや、実際に触ってみて感じた感想をできるだけネットワークエンジニアの視点でお伝えできればと思います。
この記事を通して、Cato Cloudを少しでも身近に感じてもらえたらうれしいです。

Catoを理解しようとした
長年Ciscoを中心としたRouter、Switch、Firewallなどを扱ってきた私にとって、ネットワークを考える際には、LAN/WANの構成、ルーティング、冗長化、通信経路、そしてどこでセキュリティ制御を行うかを整理することが基本にありました。SD-WANについても、インターネットや閉域網など複数の回線をUnderlayとして利用し、その上にOverlayを構成して、拠点間の通信経路を制御するという考え方は理解していました。
そのためCatoを見たときも、最初はSD-WANの延長として、
「Overlayはどこまで張られているのか?」
「拠点間のルーティングはどこで制御されているのか?」
「冗長化や障害時の経路切り替えは、どのような仕組みになっているのか?」
「どのようなセキュリティ機能があり、通信経路のどこで処理されるのか?」
「設定や運用はどのように行うのか? CLIなのか、GUIなのか?」
SocketはCPEやSD-WAN Edgeに相当するのか?
最初に思ったことが、「Socketは何をする機器なのか?」という点でした。これまでの経験からやはり機器そのものがどのような動作をするのかが気になりました。
見た目だけで考えると、SocketにはWAN側とLAN側のインターフェースがあり、拠点に設置してCato Cloudへ接続します。そのため、これまでの知識に当てはめれば、RouterやSD-WAN Edgeに近い位置付けに見えます。
最初は、「SocketはCato版のRouterやSD-WAN Edge」くらいなんだという感覚で見ていました。ただ、Socketを単純にRouterとして考えると、少し違和感があります。
従来のRouterやSD-WANでは、RouterやWAN Edgeを起点として、Routing Table、Interface、WAN回線、Tunnelなどの状態を確認しながら通信経路を追うという見方をすると思います。
一方、CatoではSocket単体ですべての機能が完結しているわけではなく、SocketからCato Cloudへ接続した先を含めてネットワーク全体を捉える必要があります。
そのため、Socketの役割を理解するには、
LAN側のネットワークをCato Cloudへ接続する拠点側のEdge(接続点)
と捉えると、私には理解しやすくなりました。
つまり、
LAN → Socket → WAN(Underlay)→ Cato Cloud
という関係です。
Socketを従来のRouterと置き換えるイメージで考えていましたが、これが間違いだった様です。
もちろん拠点側のネットワーク機器として見ると、RouterやSD-WAN Edgeと共通する部分もあります。しかしCato全体で見ると、Socketだけを見るのではなく、SocketとCato Cloudを含めた通信経路全体で考える必要があります。
私自身、最初はSocketの中に「従来のRouterのどの機能があるのか」を考えながら学習をしていました。
しかし、
「SocketはRouterなのか?」と考えるより、「SocketはCato Cloudへ接続するために何をしているのか?」と考えた方が、私には理解しやすくなりました。
Socket単体で考えることをやめることで、少しずつ整理できるようになりました。
そして次に気になったのが、SocketからCato Cloudへの接続、つまりOverlayがどのように構成されているのかという点でした。
Overlayはどこまで張られているのか?
Socketの役割を整理した次に気になったのが、「Overlayはどこまで張られているのか?」という点でした。
SD-WANでは、インターネットや閉域網などの物理回線をUnderlayとして利用し、その上にOverlayを構成して拠点間通信を実現する、という考え方には馴染みがあります。
そのためCatoについても、最初は、
「拠点AのSocketと拠点BのSocketの間にOverlay Tunnelが張られているのか?」
というイメージを持っていました。
しかしCatoの場合、Socketは対向拠点のSocketに直接Tunnelを張るのではなく、インターネットなどのUnderlayを利用してCato CloudのPoPへTunnel(DTLS)を確立します。これを拠点Aから拠点Bへの通信として単純化すると、私の中では次のように整理すると分かりやすくなりました。
つまり、「拠点Aと拠点Bの間にサイト間VPNを張る」ように考えるのではなく、それぞれのSocketがCato Cloudに接続し、そのCato Cloudを介して拠点間通信を行うという見方になります。
PoPをどう考えるか
ここで私が重要だと感じたのが、PoPの存在です。
従来のサイト間VPNであれば、
一方Catoでは、
さらにSocketのPoP接続は固定的なものではなく、CatoにはPoP選択の仕組みがあります。接続後もConnection SLAによる評価が行われ、パケットロス、ジッター、遅延などが評価指標として使われます。ここも、私がCatoを理解するうえでポイントになった部分でした。
「対向拠点」ではなく「Cato Cloudへの接続」として見る
最初は、「拠点Aから拠点BへのTunnelはどこにあるのか?」という観点で理解をしようとし学習をしていました。
しかしCatoでは、それぞれのSocketとCato Cloudとの接続を起点に考えたほうが、全体像を整理しやすくなります。
Underlayとしてインターネットなどの回線があり、その上でSocketがPoPへ接続する。そして拠点間通信はCato Cloudを介して相手側の拠点へ到達する。
この構成が分かってくると、次に気になったのが、
「拠点Aから拠点Bへのルーティングは、いったいどこで制御されているのか?」という点でした。
拠点間のルーティングはどこで制御されているのか?
Overlayの構成が見えてくると、次に気になったのが拠点間のルーティングをどこで制御しているのかという点でした。
従来のRouterを中心としたネットワークであれば、通信経路を確認するときにはルーティングテーブルを確認します。
例えば、ある拠点から別の拠点にあるネットワークへ通信する場合、
「この宛先へのRouteはどこから学習しているのか?」
「Next Hopはどこなのか?」
「どのInterfaceから転送されるのか?」
といった情報を確認しながら、通信経路を追っていきます。Cisco機器を長く扱ってきた私の場合、
show ip route <宛先IPアドレス>
などでルーティングテーブルを確認するのは、設計/構築/トラブルシューティングでも馴染みのある方法です。
そのためCatoについても、最初は「Socketのルーティングテーブルを確認すれば、拠点間の経路が見えるのではないか」という感覚で考えていました。
LAN側のルーティングは比較的イメージしやすい
まず、SocketからLAN側を見る部分については、従来のネットワークと比較しても理解しやすいところでした。
例えば、拠点内にL3 Switchがあり、その配下に複数のネットワークが存在する構成を考えてみます。
Socketに直接接続されていない192.168.10.0/24や192.168.20.0/24に到達させる場合には、CMAのNetworksで、宛先SubnetとSocketから見たNext HopをRouted Networkとして設定できます。
つまり、
Destination : 192.168.10.0/24
Next Hop : LAN側L3 Switch
Destination : 192.168.20.0/24
Next Hop : LAN側L3 Switch
という考え方です。ここまでは、RouterにStatic Routeを設定するときとそれほど大きく変わりません。
「この宛先Networkへ行くためのNext Hopはどこか」
というIPルーティングの基本的な考え方は、Catoでも同じです。
違って見えたのは、その先だった
私が少し感覚の違いを感じたのは、その先です。
従来のネットワークでは、RouterごとのRouting Tableを確認しながら、
というように、各Routerが持っている経路情報を順番に追うことで、End-to-Endの通信経路を理解していました。
一方、Catoでは前章で触れたように、それぞれのSocketがCato CloudのPoPへ接続します。
そのため、拠点間通信も、
という構成で考えることになります。
Routed Networkとして定義されたLAN側ネットワークはCato内へ広告され、他拠点との通信に利用できます。
ここで私の中では、ルーティングの見方が少し変わりました。
Router単体ではなく「SiteとNetwork」で見る
CiscoのRouterを扱っていると、「このRouterがどのルートを持っているのか」を見る癖があります。
ところがCatoでは、それだけでなく、「このSiteには、どのNetworkが存在しているのか」そして、「そのNetworkへCato Cloudを経由して、どのように到達するのか」という見方をした方が、全体像を整理しやすいと感じました。
つまり私の中では、
Router単体のRouting Tableを見て経路を追う
という感覚から、
Siteに存在するNetworkと、そのNetworkへの到達性をCato Cloud全体から見る
という感覚へ少しずつ変わっていきました。
これは「ルーティングを意識しなくてよくなった」という意味ではありません。
むしろ、
- Destination Network
- Subnet
- Next Hop
- Static Route
- LAN側のL3構成
- WAN側への通信経路
といった、従来からあるLayer 3の知識はそのまま必要です。違うのは、それらを見る範囲です。
私にとっては、
「このルートはどのRouterが持っている?」という見方から、「この拠点から相手の拠点まで、通信はどう流れる?」という見方になった。
と考えると、Catoのルーティングが理解しやすくなりました。
BGPも利用できるが、まずはStatic Routeで考えた
もちろん、Catoの経路制御はStatic Routeだけに限定されるわけではありません。
より動的な経路交換が必要な場合にはBGPも利用でき、SocketはBGPによる経路交換に対応しています。CMAからBGP Neighborの受信経路・送信経路を確認することもできます。
ただ、私が最初にCatoのルーティングを理解するうえでは、いきなりBGPから考えるより、
LAN側Network → Next Hop → Socket → Cato Cloud → 対向Site
というStatic Routeをベースにした通信経路から考えた方が、全体を整理しやすく感じました。
また、実際にBGPを利用してLAN側機器とSocket間で経路交換を行う場合には、Cisco RouterでBGPを構成するときと同じ感覚ですべての経路制御ができると考えず、Cato側で利用できる機能や経路制御方法を確認したうえで設計する必要があります。※Catoで利用できるBGP AttributeはCisco等のルータと比較すると限定されるため
ルーティングの考え方そのものは変わらない
Catoを触ってみて感じたのは、CatoだからといってIPルーティングそのものの考え方が変わるわけではない、ということでした。宛先Networkがあり、そのNetworkへのNext Hopを決め、通信を転送する。この基本は変わらないという事が理解出来ました。
一方で、従来のようにRouterを1台ずつ見ながらEnd-to-Endの経路を追うのではなく、Site、Network、Socket、PoP、Cato Cloudまで含めた一つの通信経路として見る。
ここが、私にとって従来のネットワークとの大きな見え方の違いでした。
そして、この通信経路が理解できると、次に気になったのが、
「回線やSocket、PoPに障害が発生した場合、この経路はどのように切り替わるのか?」
という点でした。
次は、冗長化と障害時の経路切り替えについて見ていきます。
冗長化や障害時の経路切り替えはどうなっているのか?
ルーティングの考え方が見えてくると、次に気になったのが冗長化と障害時の経路切り替えでした。
従来のネットワークでは、可用性を確保するために、機器や回線を二重化し、それぞれの障害をどのように検知して通信を切り替えるかを設計します。
Ciscoを中心としたネットワークであれば、例えば、
- LAG/MLAG/vPC
- HSRP / VRRP
- Routing Protocol(OSPF/EIGRP/iBGP/eBGP)
- IP SLA
- Route Tracking/Interface Tracking
などを組み合わせて、
「何を監視するのか」
「何をもって障害と判断するのか」
「障害時にどの経路へ切り替えるのか」
「復旧したら元の経路へ戻すのか」
といったことを一つずつ考えていました。そのためCatoでも最初に気になったのは、
「回線障害やSocket障害が発生した場合、いったいどこが障害を検知して、どこで経路を切り替えているのか?」という点でした。
WAN回線の冗長化
まず分かりやすいのが、Socketに接続するWAN回線の冗長化です。
CatoではWAN LinkをActive/ActiveまたはActive/Passiveとして構成できます。Active/Activeでは複数のActive WAN Linkを評価してトラフィックを制御し、Active/Passiveでは通常Primary Linkを使用し、性能がSLA Thresholdを下回った場合にPassive Linkへ切り替える仕組みが提供されています。
ここで面白かったのが、単純にInterfaceのLink Up/Downだけを見ているわけではないという点です。
CatoのSocketとPoPはWAN Linkについて、Latency、Packet Loss、Jitter、Congestionなどを継続的に評価します。Active/Passive構成では、その評価をもとにSmart SLAがFailoverを判断します。 アクティブ/パッシブ ソケットサイトの接続SLA設定の構成
私の中では、
↓
Interface Down
↓
冗長回線への切替
という単純な冗長化ではなく、
↓
Socket ⇔ PoP
↓
Latency / Loss / Jitter等の監視
↓
Connection SLA
↓
経路切替
Socket自体を冗長化した場合はどうなるのか
次に気になったのがSocketそのものの障害です。回線を2本にしても、Socketが1台しかなければSocket自体が単一障害点になります。そこでSocketを2台構成にすると、Primary / SecondaryによるHA構成を取ることができます。LAN側ではVRRPが利用され、Socket HAを構成するとVRRPが自動的に作成されます。
イメージとしては、
となります。
従来の構成でもVRRP自体は馴染みがありますが、CatoではSocket HAの一部としてVRRPが組み込まれている点が、私にとっては分かりやすいポイントでした。
従来ネットワークとの違いをどう捉えたか
ここが、私がCatoの冗長化を理解するうえで一番面白いと感じた部分です。従来のネットワークでは、
Gateway冗長化 → HSRP / VRRP
経路切り替え → Routing Protocol
到達性監視 → IP SLA
状態連動 → Track
Catoでも冗長化の基本的な考え方がなくなったわけではありません。
実際、Socket HAのLAN側ではVRRPが使われていますし、WAN LinkのActive/Active、Active/Passiveといった概念もあります。 ただ、私がCatoを触って感じた違いは、
個々のプロトコルや機器の設定から冗長化を見るのではなく、LAN → Socket → WAN Link → PoP → Cato Cloudという通信経路全体から可用性を見る
という点でした。
「VRRPはどう設定するか」「IP SLAとTrackをどう組み合わせるか」
という個々の設定から入るのではなく、「どの障害を想定し、その障害に対してCatoのどの仕組みで通信を継続させるのか」という見方をする。ここでも、RouterやFirewallを1台ずつ見ていたときとは、少し視点が変わったように感じました。
次は、セキュリティ機能について見ていきます。
セキュリティ機能はどこで処理されるのか?
Socket、Overlay、ルーティングまで理解してくると、次に気になったのがセキュリティ処理はどこで行われるのかという点でした。従来のネットワークでは、
のように、構成図を見れば「この通信はどのFirewallを通り、どこでセキュリティポリシーが適用されるのか」を比較的イメージしやすい構成でした。そのためCatoでも最初は、
「Firewallはどこにあるのか?SocketがFiwawall?」という見方をしていました。
しかしCatoでは、Firewallだけでなく、IPSやCASB、DLPなど複数のセキュリティ機能が提供されています。例えばIPSはWAN、Inbound、Outboundのトラフィックを保護対象としており、複数の機能と組み合わせて利用できます。
そのため、「Firewallがどの装置として配置されているのか」を探すよりも、
「Cato Cloudを通る通信に対して、どのセキュリティポリシーが適用されるのか」という視点で見る方が、私には理解しやすく感じました。
私にとって大きかったのは、「Firewallをどこに置くか」から、「通信に対してどのセキュリティポリシーを適用するか」へ考え方が変わったことでした。
ネットワークとセキュリティを別々の装置として追いかけるのではなく、通信経路と、その通信に適用されるセキュリティ制御を一緒に見る。ここまで理解したところで、ようやく最初に感じていた、
「CatoのFirewallはいったいどこにあるのか?」という疑問も少しずつ腹落ちしてきました。
セキュリティの各機能については最初に紹介しました”Catoクラウド エンジニアブログまとめ記事”を見てください!
設定や運用はどうするのか? CLIなのか、GUIなのか?
最後に設定や運用をどのように行うのかという点でした。長年Cisco機器を扱ってきたため、
show ip route
show interface
show standby
show ip ospf neighbor
show bgp
show logging
といった体が覚えているようなコマンドから、ConfigやRouting、Interface、冗長化などの状態を確認することには慣れています。一方で、ACIのAPICやCatalyst Centerなど、コントローラからネットワーク全体を設定・管理する環境も経験してきました。
そのため、GUIからネットワーク全体を管理すること自体に大きな違和感があったわけではありません。
それでもCatoを触り始めたときには、
「SocketのConfigはどこにある?」
「Routingの状態はどこで確認する?」
「TunnelやWAN回線の状態はどこを見る?」
「障害時には何を起点に切り分ける?」
「通信ログはどこで確認する?」
といった疑問はありました。
APICやCatalyst Centerとも少し違う
APICやCatalyst CenterもGUIを中心とした管理ですが、私の中で特徴は、その先にあるSwitchやFabricなどのネットワークインフラを管理しているという点だと思っています。
そして、GUIから全体を見ながらも、詳細な状態確認やトラブルシューティングではCLIを使って確認することがあります。何より、ネットワークエンジニアとしてはやはりCLIが大好きです。
ルーティングテーブルやInterfaceの状態、Neighbor情報などをコマンドで直接確認すると安心する、というのは長年の習慣なのかもしれません。その感覚でCatoを見ると、個人的に印象的だったのが、機器単体のCLIを管理手段として残さず、CMAを中心とした設定・運用に割り切っていることでした。
最初は「CLIから直接確認したい」と思うこともありましたが、一方で、ここまで管理の考え方を割り切っているのは潔いとも感じました。
コアやデータセンターをやってきたからこそ気になること
もう一つ、コアネットワークやデータセンターネットワークを担当してきた身としては、Cato Cloudの中が利用者から見るとブラックボックスになることも、正直なところ気になります。
これまでであれば、TopologyやRouting Table、Interface、Tunnelなどを確認しながら、
「どこを通っているのか?」
「どこで経路が決まっているのか?」
「障害が発生したらどこで切り替わるのか?」
と、通信経路をかなり細かいところまで追いかけていました。
その経験があるだけに、SocketからPoPへ接続した先のCato Cloudについても、「この中では実際にどう動いているんだろう?」と、ネットワークエンジニアとして純粋に気になります。
ただ、そうした内部まで利用者が直接管理するのではなく、Cato Cloudそのものをサービスとして利用するという考え方も、従来のネットワークとの違いなのだと思います。
「まず機器を見る」から「まずCMAを見る」へ
Catoでは、Socket単体のConfigを起点にするのではなく、CMAから、
Site / Network / WAN Link / Policy / Events
といった単位で設定や状態を確認していきます。
私にとって、これは単純な
CLI → GUI
という操作方法の変化ではありませんでした。
むしろ、
「まず機器にログインしてshowコマンドで確認する」という感覚でしたが、Catoでは「まずCMAを見て、Siteや通信の状態を確認する」
という運用上の視点の違いでした。
もちろん、Routing、Subnet、Next Hop、WAN回線、冗長化など、これまで培ってきたネットワークの知識が不要になるわけではありません。むしろ、その知識があるからこそ、CMAに表示される情報から通信経路や障害箇所を考えることができます。
変わったのはネットワークの知識ではなく、その知識を使ってネットワークを見る場所なのだと思います。
そして、ようやく理解できたこと
ここまで、
- Socketは何をするのか
- Overlayはどこまでなのか
- Routingはどう考えるのか
- 冗長化や障害時の切り替えはどうなるのか
- セキュリティはどこで処理されるのか
- 設定や運用はどこから行うのか
と、一つずつ学習してきました。
最初の私は、Catoの中にRouter、Firewall、SD-WAN Edgeなど、これまで自分が知っているネットワークの構成要素との対応関係を探していたのだと思います。
しかし、個々の機能を理解していくと、
「Catoを従来のネットワーク機器と一つひとつ対応させようとすること自体が、少し違っていたのではないか」
と思うようになりました。
もちろん、Routing、冗長化、WAN、Firewallといったネットワークの基本的な考え方がなくなるわけではありません。
ただ、それらを個々の機器として見るのではなく、拠点からCato Cloudを経由して宛先へ到達するまでの一つの通信として見る。
この視点に変えてから、Catoの構成が自分の中でようやく腹落ちしてきました。
まとめ
今回、Socket、Overlay、Routing、冗長化、Security、運用という観点から、Catoを自分なりに整理してみました。
最初はRouterやFirewall、SD-WANなど、これまで自分が知っているネットワークの構成要素にCatoを一つひとつ当てはめて理解しようとしていました。しかし実際に触れていく中で、Catoは個々の機器だけを見るのではなく、拠点からCato Cloudを経由して宛先へ到達するまでの通信全体として捉えると理解しやすいと感じるようになりました。
もちろん、Routing、冗長化、WAN、Firewallといった、これまで身につけてきたネットワークの知識が不要になるわけではありません。APICやCatalyst Centerのような集中管理の考え方を含め、これまでの経験があるからこそ理解しやすい部分も数多くあります。
一方で、「どの機器をどう設定するか」だけではなく、「通信がどのように流れ、どこで制御され、どう守られているのか」をサービス全体から見る。
この視点の変化が、私にとってCatoを理解するうえで一番大きなポイントでした。
20年以上ネットワークに携わってきましたが、まだまだ新しい発見があります。
これまで培ってきた知識をベースに、新しいネットワークの考え方を理解していくことも、ネットワークエンジニアの面白さなのかもしれません。





