【Google Cloud】Gemini Enterprise Plus を使い倒す① – 概要とライセンスの選び方

こんにちは。SCSKの島村です。

皆さんはGemini Enterpriseを既に知っていてご利用されていますでしょうか?
Gemini Enterprise 『Plus』 のライセンスを購入したので、実際に何ができるのかを整理してみました。  
本記事では、ライセンス体系の違い、利用可能な機能についてをシリーズ全体の導入としてまとめます。

本記事では、
『Gemini Enterprise』について色々と調査し、実際に触ってみましたので、その魅力について少しだけご紹介させていただければと思います。

【掲載内容に関する注意事項】
本ブログの図解やインフォグラフィックスの一部については、視認性向上のため生成AI(Generative AI)を活用して作成しています。また、記事内の技術的な挙動やデータについては、Google Antigravity(AI-IDE) 環境下での検証結果に基づいています。万全を期しておりますが、環境の差異やAI生成による細部の解釈については、公式ドキュメントと併せてご確認ください。
まず押さえておきたいのが、「Gemini Enterprise」は 単一の製品名ではなく、3つのプロダクトを束ねる統合ブランド だということです。
2026年4月の Google Cloud Next で、Google Cloud のAIポートフォリオは「Gemini Enterprise」というブランドに統合されました。
エージェント時代を全社規模で支えるための再編です。従来バラバラだった製品群が1つの傘の下に整理され、以下の 3つの柱 で構成されています。

3つの柱の連携

Agent Platform で構築・テスト・ガバナンスを整えたエージェントを
Enterprise App の Agent Gallery を通じて従業員に届ける
for Customer Experience では顧客向けにエージェントを提供する
 
 本シリーズでは主に Gemini Enterprise App と Gemini Enterprise Agent Platform を中心にご紹介していきます。

Gemini Enterprise App のエディション比較

3つの柱のうち、今回購入した「Plus」ライセンスが関わるのは Gemini Enterprise App です。

Gemini Enterprise App は従業員の日常業務をAIで加速するためアプリケーションですが、エディションによって利用できる機能の幅が大きく異なります。
「Plus で何が解放されるのか?」を理解するために、エディションの違いを整理します。

また、App 単体で完結しない開発者向けの検証(ADKでのエージェント構築、Google Chat へのデプロイ等)は Gemini Enterprise App にも踏み込むことになります。Plus ライセンスには Agent Platform の利用権も含まれているため、本シリーズではその領域もカバーします。

※ Frontline エディション(現場スタッフ向け)は Standard / Plus のアドオンとして購入可能 です。
※ 記事執筆時点(2026年6月)の情報。公式:Gemini Enterprise: Google の AI でビジネスを加速 | Google Cloud

Business で十分な人 / Standard以上が必要な人 とは?

Business で十分なケース

  • 個人またはチーム単位でAIチャットを活用したい
  • ノーコードのAgent Designerで簡単な自動化を試したい
  • 高度なセキュリティ要件は今のところ不要

Standard / Plus が必要なケース

  • ADKで独自エージェントを構築して社内展開したい
  • サードパーティ製エージェント(ServiceNow、Salesforce等)を導入したい
  • VPC-SC やデータ所在地の制御が必要(金融・医療等の規制業界)
  • 300人超の組織に全社展開したい

Plus で利用可能な主要機能の全体像

エディションの違いを押さえたところで、Plus で実際に何ができるのかをカテゴリ別に整理します。大きく 4つのカテゴリ です。
日常のWorkspace利用からエージェント開発まで、幅広い活用が可能です。

Gemini Enterprise App(Plus エディション)で利用できる機能は大きく4つのカテゴリに分かれます。

Plus ならではのポイント(Business では使えない機能)
以下は **Standard / Plus 限定**(Business では利用不可):
  • ADK カスタムエージェントの導入
  • サードパーティ製エージェントの利用
  • Gemini Code Assist Standard
  • VPC-SC / CMEK / データ所在地によるセキュリティ強化
  • NotebookLM のコンプライアンス機能

Gemini in Google Workspace

日常の業務ツール内でGeminiが使える機能群(Google Workspace ライセンスとの組み合わせ)。
アプリ メール要約、返信案生成、トーン調整
Gmail 文章生成、校正、要約、翻訳
Google ドキュメント 関数提案、データ分析、自動分類
Google スプレッドシート 関数提案、データ分析、自動分類
Google スライド スライド自動生成、画像生成
Google Meet リアルタイム議事録、翻訳字幕
Google Chat 会話要約、スペース横断検索

NotebookLM Enterprise

社内資料をソースにした信頼できるAI Q&A + マルチフォーマット出力
▢ 基本機能
  • マルチソース対応(PDF、Google ドライブ、Webページ、YouTube、音声等を1ノートブックに最大50ソース)
  • 1ソースあたり最大50万ワードの大容量対応
  • ソースのみに基づく回答(ハルシネーション防止)+ インライン引用

▢ Studio 出力機能(ソースから多様な成果物を自動生成)

機能 説明
音声解説(Audio Overview) ポッドキャスト形式の音声要約、ライブQ&A対応
スライド資料 ソースからスライドデッキを自動生成
動画解説 ナレーション付き動画ウォークスルー
マインドマップ ソース内容の構造を視覚化
レポート ブリーフィングドキュメント、スタディガイド、ブログ投稿等
フラッシュカード 学習・研修用のカード生成
クイズ ソース内容に基づくテスト問題生成
インフォグラフィックス ソース内容のビジュアル化
▢ Enterprise 固有機能(Standard / Plus)
  • 組織全体での共有・管理
  • 監査ログ・アクセス制御(コンプライアンス機能)
  • 管理コンソールからの組織設定

Agent Platform 連携

APIやモデルをプログラマティックに活用する開発者向け機能
エージェントの構築からガバナンスまで、フルライフサイクルをカバーする開発基盤。Build / Scale / Govern / Optimize の4レイヤーで構成される。
*本セクションでは概要のみ記載します。詳細は次のセクションで整理します。
レイヤー 役割 主な機能
Build(構築) エージェントを作る ADK / Agent Studio / Agent Garden / Model Garden / Grounding / MCP
Scale(スケール) 本番で安定稼働させる Agent Runtime / Sessions / Sandbox / Memory Bank
Govern(ガバナンス) 安全に統制する Agent Gateway / Identity / Registry / Model Armor / Policy
Optimize(最適化) 継続的に改善する Evaluation / Simulation / Observability / Optimizer

AIエージェント構築・運用

独自のAIエージェントを作り、組織の従業員に届ける。Plus では以下がフルに利用可能です。

エージェント活用は「どう作るか」「どこに届けるか」「何と繋ぐか」の3つの軸で考えると整理しやすくなります。
 
 

Agent Platform のコア機能(開発者向け詳細)

前セクションで「エージェント活用」として利用者目線を整理しましたが、その裏側で動いている Agent Platform の全体像 も概要編として押さえておきます。
Agent PlatformBuild / Scale / Govern / Optimize の4レイヤーで構成されるエージェント開発基盤です。
 
Build(構築)
エージェントを「どうやって作るか」のレイヤーです。開発フレームワーク、モデル選択、外部ツール接続の3領域で構成されています。
サブカテゴリ 機能 説明
フレームワーク Agent Development Kit(ADK) コードファーストのエージェント構築
  3P agent frameworks LangChain等サードパーティフレームワーク対応
開発環境 Agent Studio ビジュアルUIでのプロンプト開発・テスト
  Agent Garden テンプレート集(財務分析、コード刷新等)
API・モデル Gemini API and Model Garden Gemini モデル群への統一アクセス
  Gemini models Gemini 3.1 Pro / Flash 等
  3P and open models Claude, Gemma 等 200+ モデル
  Model training カスタムモデルのファインチューニング
  Model inference モデル推論エンドポイント
ツール・データ A2A(Agent-to-Agent) エージェント間通信プロトコル
  MCP Model Context Protocol 対応
  A2UI エージェントからリッチUI生成
  Grounding Google検索・カスタムデータで根拠付け
  Search エンタープライズ検索
  RAG 検索拡張生成
  Cloud Marketplace パートナーツール・エージェントの導入
 
Scale(スケール)
エージェントを「本番環境で安定して動かす」ためのレイヤーです。
機能 説明
Agent Runtime サブ秒コールドスタート、数日間の長期実行対応
Agent Sessions 会話セッションの管理、カスタムセッションID
Agent Sandbox コード実行・ブラウザ自動化を安全に隔離
Agent Memory Bank 会話から長期記憶を自動生成・プロファイル化
 
 Govern(ガバナンス)
エージェントを「安全に統制する」ためのレイヤーです。企業がエージェントを全社展開する際、最も重要になる部分です。
機能 説明
Agent Gateway サブ秒コールドスタート、数日間の長期実行対応
Agent Identity エージェントごとに暗号化ID付与、最小権限の原則
Agent Registry 承認済みエージェント・ツール・スキルの一元カタログ
Agent Anomaly Detection 異常な推論パターンの検出
Model Armor プロンプトインジェクション対策
Agent Policy エージェント動作ポリシーの定義
Agent Security 脆弱性スキャン・脅威検出ダッシュボード
Agent Compliance コンプライアンス要件への準拠
Optimize(最適化)
エージェントを「継続的に改善する」ためのレイヤーです。
機能 説明
Agent Evaluation 本番トラフィックでの継続的スコアリング
Agent Simulation 合成ユーザーとの対話テスト(出荷前検証)
Agent Observability 推論過程の可視化・実行トレース
Agent Optimizer 失敗パターンの自動クラスタリング・改善提案

最後に(まとめ)

今回は『Gemini Enterprise』について概要編として全体像をご紹介させていただきました。

  • Gemini Enterprise は「App(従業員向け)」「Agent Platform(開発者向け)」「for CX(顧客向け)」の3本柱で構成される統合ブランド
  • 今回購入した Plus は Gemini Enterprise App の上位エディションで、ADKカスタムエージェントや高度なセキュリティ機能がフル利用可能
  • Agent Platform で作ったエージェントを Enterprise App 経由で従業員に届ける一気通貫の設計が可能
次回以降、各カテゴリを実際に手を動かして検証していきます。

今後とも、AIMLに関する情報やGoogle CloudのAIMLサービスのアップデート情報を掲載していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!!

著者について

SCSK株式会社のクラウド専門部隊に所属
Google Cloudの
・AI MLサービス選定/導入コンサルティング/導入サポート/AI 基盤・運用構築まで多く案件を担当
Google Cloud Partner Top Engineer 2024・2025・2026 受賞 カテゴリ:Cloud AI/ML
Google Cloud Next Tokyo 出展
Google Cloud Day ’23 Tour 登壇
「AI は選んで組み込んで実装!最新 AI を道具として有効利用するためには!?」
Google Cloud Next Tokyo 25 登壇
「Gemini がデータサイエンティストに !? 業務データから始める高度なデータ活用」
■好きな Google Cloud サービス:Vertex AI / Dialogflow CX / Cloud Run / BigQuery

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