こんにちは、SCSKの池田です
LifeKeeperを導入する場合、ライセンスをいくつ購入すれば良いか迷うことがありますよね。特にDR(DisasterRecovery・災害)サイトを立てる場合のライセンス数の数え方には判りにくいところがあります。今回の記事では、一般的なライセンスの考え方の種類や、LifeKeeperの通常のライセンスの考え方をおさらいした上で、DR環境のライセンスについて解説します。複雑化するライセンスの考え方を正しく理解して、ライセンス違反を起こさないようにしましょう!
ライセンスのカウントの仕方はアプリケーションによって違う
世の中には様々なアプリケーションがあり、必要なライセンスの数え方も千差万別です。身近なところでは個人で使用するアプリケーションなどでは、ひとつ購入すればスマホやタブレット、パソコンなどの複数のガジェットで利用できるものもあります。一方、ビジネス利用のアプリケーションでは、CPUの数や、中にはコア数によってカウントするものもありますし、10人や1000人といった利用者数あたり1つのライセンスが必要といったものもあります。
主なライセンスの種類
| 項番 | ライセンスの単位 | 説明 | 例 |
| 1 | デバイス数(端末・PC単位) | 何台のコンピュータにインストールできるかでカウント | 1つのライセンスで5デバイスまで利用可能 |
| 2 | サーバ数 | サーバ製品の場合、インストールする台数でカウント | 1つのライセンスでサーバ1台にインストール可能 |
| 3 | コア数/CPU数 | 高度な業務用ソフトやサーバ製品では、CPUの物理数やコア数でカウント | 4コアあたり1つのライセンスが必要 CPU1つあたり1つのライセンスが必要 |
| 4 | ユーザー数 | 利用者の人数でカウント | 1つのライセンスで10ユーザーまで利用可能 |
| 5 | 同時接続数 | 同時に利用できる人数や端末数でカウント | 1つのライセンスで同時接続10ユーザまで利用可能 |
| 6 | サブスクリプション | 定期的に使用料を支払うことで、一定期間そのサービスの利用可能となる | 1ヶ月ごとに購入 |

ライセンスの種類がたくさんあって覚えられないわね
LifeKeeperのカウントは?
様々なライセンスの種類がある中で、LifeKeeperはどのようにライセンスをカウントするのでしょうか?
LifeKeeperは「サーバ数」でカウントします。
ここで一つの疑問が浮かぶかたもいらっしゃると思います。ベアメタルの物理サーバの場合は物理的なサーバ数をカウントすれば良いのですが、vSphereなどの仮想環境上のVirtual Macine(ゲストOS)でHAクラスタ構成を組んだ場合のカウントはどうなるのでしょうか?
以下のイメージ図を見た時に、物理サーバ数でカウントする場合はLifeKeeperのライセンスは2つで良さそうですが、Virtual Macine数でカウントする場合は6つ必要になりそうです。
正解は、6つ必要となります。
vSphereのような仮想環境においては、LifeKeeperをインストールするVirtual Macineの数分だけライセンスが必要となりますのでご注意ください。
※仮想サーバ用のお得なライセンスも用意されていますので、そちらは改めて記事にさせていただこうと思います。
災害対策(Disaster Recovery)の重要性
一般的なLifeKeeperのライセンス体系をご理解いただけたところで、災害対策環境の重要性についてお話ししたいと思います。
地球規模で深刻化する異常気象や、地震、火山の噴火、津波に代表される自然災害、国家間の武力紛争、最近では特定の企業グループを狙ったランサムウェア攻撃など、経営者はこれまで以上に事業継続に対する喫緊のリスクとして捉えています。
ミッションクリティカルなシステムであればあるほど、システム停止に伴ってサービスの提供ができなくなるという事態は、自社の収益悪化に直結し、経営基盤を揺るがしかねません。
その為、多くのシステムで可用性(冗長化)が重要視されている状況にあります。
※冗長構成だけで上記のリスクを完全に回避できるものではありませんので、ご注意ください。
一方で、通常時のシステムと比較して、可用性を考慮したシステムは、地理的にも離れた場所に同じシステムを構築するなど、倍以上のコストがかかることから、費用の面で二の足を踏んでしまうケースも見られます。可用性システムを採用するかどうかの判断に迷った時は、そのシステムが停止した場合のビジネス機会の損失やシステム利用を安定的に提供できないことによる信頼失墜などによるコストを試算し、構築、維持費用と比較をすることをお薦めします。
と、ここまで災害対策の重要性をお伝えしてきましたが、本題のLifeKeeperの災害対策環境のライセンス費用について考えてみましょう。
LifeKeeperのDRサイトのライセンスの考え方
aws上で、LifeKeeperを使って本番サイトとDRサイトを考えた時にいくつかの構成パターンが考えられます。
(1)Disaster Recovery add-on構成
まず、障害発生時に自動的にDRサイトにフェイルオーバすることができるDisaster Recovery add-on構成を考えてみたいと
思います。構成イメージは以下となります。
東京リージョン側でAZ跨ぎのHAクラスター(データはリアルタイム同期)を組み、大阪リージョンにもEC2インスタンスを立てて、Linbit社のデータレプリケーションソフトウェアであるDRBDを用いて非同期でデータを送る形になります。この構成では、3台のEC2インスタンスが常に起動しており、それぞれにLifeKeeperがインストールされています。
この場合、LifeKeeperのライセンスは3つ必要となります。
(2)Amazon Machine Image(AMI)を使ったDR
次にAMIを使って、DR発動時にDRサイトでシステムを起動させる方式を考えてみましょう。
構成イメージは以下となります。
本番サイトである「東京リージョン」でAMIを取得し、DR発動時にそのAMIから「大阪リージョン」にサーバを作成するような使い方となります。
このケースでは、ライセンスの考え方に注意が必要です。
a.「東京リージョン」と「大阪リージョン」に同時にEC2インスタンスが存在していない(必ずどちらかにしか存在しない)場合 ⇒ 必要ライセンス数は2つ
b.「東京リージョン」と「大阪リージョン」に同時にEC2インスタンスが存在する場合 ⇒ 必要ライセンス数は4つ
上記のように、同じサーバが同時に存在しているか否かによってライセンスの要否が変わります。
メーカーであるサイオステクノロジー社の考え方は、以下の様になっています。
| 項番 | ライセンス | 必要ライセンス |
| 1 | 移動 | 本番サイト分のみ |
| 2 | 複製 | 本番サイトとDRサイトの両方 |
もう少し具体的にご説明すると、本番サイト側が災害など何らかの原因で利用できなくなった際に、DRサイト側にリストアに利用するといった場合は、「移動」という考え方が当てはまり、本番サイト分のみのライセンスの購入で問題ありません。一方、本番サイトで利用していて、同じライセンスのサーバがDRサイト側にも存在する場合は、「複製」という考え方が当てはまり、本番とDRの両サイトのライセンス購入が必要となります。
繰り返しとなりますが、同じサーバが本番サイトとDRサイトで同時に存在するかどうかが判断のポイントとなりますので、例えば、年に一度のDRサイトへの切替試験を行う場合であっても、本番サイトのインスタンスは必ず削除した上で実施するようにし、ライセンス違反を起こさないようにご注意ください。
(3)クラウド事業者が提供するDRを使用したケース
もう一つのパターンとして、クラウド事業者が提供するDRを使用したケースがあります。
対象は以下となります。
✔ VMware Site Recovery Manager
✔ Azure Site Recovery
✔ AWS Elastic Disaster Recovery
※平常時には本番サイトとDRサイトの両サイトで同時にクラスターシステムが起動されることがない等の条件がございます。
まとめ
今回は、一般的なライセンスの種類や、災害対策の重要性と、LifeKeeperの場合のDRサイトで必要となるライセンスについてご説明させていただきました。考え方が少し難しい部分でもありますので、不安な場合は、弊社やメーカーに問い合わせいただき、確実なライセンス数の確保をお願いします。





