マイクロセグメンテーション市場とソリューション・製品について


本記事は 夏休みクラウド自由研究2026 8/12付の記事です。

前回「マイクロセグメンテーションとは?」「Zero Networks とは?」をご紹介しましたが、今回はマイクロセグメンテーション市場の状況と、主要なソリューション・製品についてご紹介します。

マイクロセグメンテーションの市場状況

マイクロセグメンテーション市場は、従来の境界型セキュリティ(境界型防御)が限界を迎え、ゼロトラストアーキテクチャの中核技術として急速に普及するとされており、市場予測では2026年現在 2,000億円~8,000億円規模とされており、今後5年間で年平均成長率(CAGR)20~27%の高い成長率が見込まれています。
2026年から2030年にかけての市場は、以下の段階的な展開が予想されており、4年後の2030年には標準インフラになるとされています。

  • 2026-2027年:基盤整備期。ゼロトラストアーキテクチャへの移行が本格化し、大企業を中心に導入が加速
  • 2028-2029年:普及拡大期。中堅企業での採用が増加し、AI・自動化機能の進化により運用負荷が軽減
  • 2030年以降:成熟発展期。マイクロセグメンテーションが標準的なセキュリティインフラとして確立

マイクロセグメンテーション市場の成長を牽引する主要な要因は以下となっています。

  1. サイバー脅威の高度化と頻発
    ランサムウェア攻撃の被害が深刻化し、従来の境界型セキュリティでは対応が困難な「水平移動・横展開(ラテラルムーブメント)」を防ぐ必要性が高まっています。マイクロセグメンテーションは、ワークロード間の通信を細かく制御することで、攻撃者の横移動を物理的に阻止できます。
  2. クラウド・ハイブリッドIT環境の普及
    企業のデジタル化が進み、オンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウドが混在する複雑なハイブリッド環境が当たり前になりました。統一的なセキュリティポリシーを適用するために、マイクロセグメンテーションの需要が急増しています。
  3. 規制・コンプライアンス要件の強化
    GDPR、NIS2指令、 HIPAA、DORA(デジタル運用耐障害性法)など、データ保護とセキュリティに関する規制が世界的に強化されています。マイクロセグメンテーションは、これらの厳格な要件を満たすための有効な手段として認識されています。
  4. AI・機械学習による技術進化
    2025年のガートナーマーケットガイドでは、AIを活用したポリシー推奨エンジン、脅威検出、レイヤー7プロトコル検査、異常検出などが一般的な機能として登場していることが指摘されています。AIの統合により、運用の自動化と精度向上が実現しています。

 

市場調査会社のレポート

マイクロセグメンテーションをご紹介する際に、よくガートナーのマジック・クアッドランド(Magic Quadrant)についてご質問を受けることがありますが、2026年7月時点で、マジック・クアドラントは発行されておらず、マーケットガイド(Market Guide for Network Security Microsegmentation,2025)のみが発行されている状況です。(マジック・クアドラントは2026年後半に初めて発行される予定)
マーケットガイドとは、まだ成熟していない新興市場や変化の激しい分野を対象に、市場の全体像の把握、代表的なベンダーのリストアップ、および自社に合うソリューション選定の指針を提供するためのリサーチ文書です。
このマーケットガイドには、ゼロトラストとレジリエンス強化の中核としてマイクロセグメンテーションが位置づけされており、2027年までに、ゼロトラストを進める企業の25%が採用を行う(2025年時点では5%未満)とされています。

唯一、ギガオム(GigaOm)が、マイクロセグメンテーションレポート(GigaOm Radar for Microsegmentation V3, March 17, 2026)を発行しています。
ガートナーが「企業の安定性や採用企業数、売上規模などの実績、グローバルのサポート体制」を重視するのに対し、ギガオムは「製品の機能性、技術的な先進性、柔軟性」を重視しています。つまり、ギガオムとは、「マイクロセグメンテーションなど、進化の早い分野の製品を選定するとき」「企業規模に関わらず、純粋に技術的に最も優れているツールを探したいとき」「他社と差別化を図るために、最先端のイノベーションを取り入れたいとき」に参考にすべきレポートとされています。

現在、ギガオム レーダー マイクロセグメンテーション(V3)は、Zero Networksのホームページから無料で閲覧することが可能となっています。
レポートの詳細についての記載はしませんが、AI(Gemini Notebook)で以下のインフォグラフィックスが作成されました。

マイクロセグメンテーション全15製品を比較評価したレポートですが、インフォグラフィックスにおいては、主要な4製品に絞った市場評価と技術的な特徴がピックアップされており、Zero Networks と Akamai の2社の強みが際立つ、と言う結果になりました。その中でも、Zero Networks機能スコア 4.5(最高得点)最新機能スコア 3.8(最高得点)が最も高く評価されたインフォグラフィックスが生成されました。
Akamaiのマイクロセグメンテーション Guardicore Segmentation とは、2021年にイスラエルのセキュリティ企業 Guardicore を買収したものとなります。

 

マイクロセグメンテーション普及にあたって

マイクロセグメンテーションの普及にあたっては、以下の技術トレンドとイノベーションが重要であるとされています。

  1. AI・自動化の進化
    マイクロセグメンテーション市場では、以下のAI技術が急速に普及しています:
    AIによるポリシー自動生成:自然言語での問い合わせに応じて、最適なセグメンテーションポリシーを自動提案
    リアルタイム脅威検出:機械学習による通信パターン分析で、異常を即座に検出
    自己修復機能:自動的にポリシーを調整し、新たな脅威に対応
  2. エージェントレス・ハイブリッド手法の台頭
    導入障壁を下げるため、エージェントレスやハイブリッド手法が注目されています。特に、既存のインフラに大きな変更を加えずに導入できるソリューションは、中堅企業での採用を促進しています。
  3. IoT・OTセキュリティへの展開
    産業制御システム(ICS)やIoT/OTデバイスのセキュリティニーズが高まり、マイクロセグメンテーションがIT/OT融合環境にまで広がっています。製造業やインフラ事業者にとって、従来のセキュリティモデルでは保護が困難なレガシーシステムの保護が可能になります。
  4. サイバーセキュリティメッシュアーキテクチャとの統合
    ガートナーの予測では、マイクロセグメンテーションベンダーが、単なるセグメンテーションを超えてゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)などのリモートアクセス機能を追加し、サイバーセキュリティメッシュアーキテクチャの一部として統合されると予想されています。

レガシーなマイクロセグメンテーション製品は、エージェント型・エージェントレスの両方対応とうたっているものもありますが、基本的にエージェント型で、エージェントレスは機能限定される場合が殆どです。また、IoT/OTへ未対応なものが多く、AIによる自動化についても、古いアーキテクチャ上で実装しているため、有効にAI活用できていない場合があります。さらに、ラベル管理を手作業で行う必要がある場合が多く、エージェントのインストールと合わせて、運用負荷が高いことが、現在マイクロセグメンテーションの普及率が低い原因の一つとなっています。
ラベル管理とは、サーバーなどのワークロードに属性の情報(ラベル・タグ)を付与し、IPアドレスに依存せず柔軟にセキュリティポリシーを適用・運用する手法です。

マイクロセグメンテーションの導入ステップ

  1. ネットワークの可視化: 全ての資産と通信パターンの把握(通信可視化)
  2. ポリシー(ルール)の定義: 最小権限原則に基づくルール設定。
  3. セグメント化の実行: 資産を隔離し、水平移動・横展開(ラテラルムーブメント)を防止。
  4. 継続的なテストと監視: 環境の変化に合わせたポリシーの洗練。脅威検出。

レガシーマイクロセグメンテーションでは、最初のステップのネットワーク可視化が有償ライセンスでしか対応できない場合があります。ポリシーの定義も自動で行えない場合もありますが、AIによるポリシーの自動生成が非常に重要となります。

従来のマイクロセグメンテーションは、手動アプローチで導入期間に数年かかることも多く、途中でプロジェクトが頓挫する例も珍しくありません。それに比べ Zero Networksでは、導入期間は劇的に短縮されています主な導入スケジュールと実績は以下の通りです。

  1. 初期デプロイ: エージェントレスのプラットフォームであれば、最短1時間以内にマイクロセグメンテーションを展開することが可能です(マイクロセグメンテーション保護を1時間で完了する訳ではありません)
  2. 学習と可視化: 展開後、数時間以内に環境全体の資産、アイデンティティ、通信経路をリアルタイムにマッピングして可視化することできます
  3. 90日以内に90%以上の保護: 平均的には、90日以内に環境の90%以上(場合によっては95%以上)のセグメンテーション深度を達成しています
  4. 短期間での達成例:
    • ある金融機関は、ネットワークの通信を中断させることなく、30日間で完全なセグメンテーションを達成しました
    • ある大手海運企業は、手動ベースのマイクロセグメンテーションで1年以上費やしても部分的なカバレッジしか得られませんでしたが、Zero Networksの自動化により短期間でサーバの約95%をセグメント化することに成功しました。
    • 30日以内に100%のセグメンテーションを完了し、ゼロトラストへの移行を加速させた例もあります
Zero Networks で、この迅速な導入を可能にしているのは、資産の自動発見、ネットワーク挙動の自動学習、そして決定論的オートメーションによるポリシーの自動生成といった機能です。これらにより、従来数週間から数か月、数年かかっていた資産のタグ付けやグループ化、手動でのルール作成といったプロセスが不要になっています

 

まとめ

Zero Networks は、完全エージェントレスで、特許技術によるネットワーク層で実現するジャストインタイム(Just-In-Time)の多要素認証(MFA)、特権ポート(RDP/SSH/WinRM/RPC)のデフォルト閉鎖、通信の可視化においてはライセンス不要、AIによるマイクロセグメンテーションのポリシーの自動生成、スイッチと連携したIoT/OT対応など、次世代マイクロセグメンテーションとしての機能をすべて実装しています。
ガートナーのハイプサイクルで「今後2年以内に主流化し、効果が極めて高い」と位置づけられ、CISAのガイドラインでもゼロトラスト基盤として推奨されるマイクロセグメンテーションは、ゼロトラストに向けた今後の標準インフラとなるのは間違いありません。
SCSKでは、2026年より Zero Networks を正式に取り扱いを開始しました。サービスの紹介・デモから、PoC/PoV、ライセンス販売、設計/導入(支援)、その後の運用支援までサービス提供を行っております。ご興味をもたれたら、ぜひ当社までお問い合わせください。
 
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