こんにちは。SCSKの田中です。
本記事では、Rubrikが持つ多様な復旧機能についてご紹介します。
なお本投稿の前段にあたる投稿は以下のリンクよりご覧いただけます。
Rubrikってなに?初心者でもわかる次世代データ保護ソリューション
また、USiZEでは新たにUSiZEオンプレバックアップサービスをリリースいたしました。
USiZE、ランサムウェア対応サービスにご興味を持っていただけた方は、以下ページをご参照ください。
USiZEについて
オンプレバックアップサービスに関するプレスリリース
求められる「復旧機能の柔軟性」
バックアップの役割は、単なるデータの保存から「迅速かつ柔軟なビジネス復旧」へと進化しています。
以下のような多様な障害シナリオへの対応が求められます。
・誤操作: サーバー上の一部のファイルを誤って削除してしまった。
⇒「対象ファイルのみの即時復旧」
・システム障害: 仮想マシン自体が起動しなくなった。
⇒「仮想マシン全体の復旧」
・サイバー攻撃: ランサムウェアによりデータが暗号化された。
⇒「安全な場所への、あるいは過去時点への柔軟な復元」
これまでは、データを3重に持ち、遠隔地にも置くといった『3-2-1ルール』を守り、
データを失わないようにすることがバックアップのゴールでした。
しかし今は、『3-2-1ルール』は基本要件の1つとなり、さらにシステム停止が許されない現在、
一刻を争うランサムウェア対策が求められる中では、
『RTO(目標復旧時間)をいかに短くするか=どれだけ速く業務を再開できるか』が、
バックアップ製品の真の実力を問われる時代になっています。
そこで重要になるのが、単なるリストアではない、多様で高速な復旧手段です。
今回はRubrikが持つ『RTOを最小化するための機能』をご説明します。
Rubrikの復旧機能について
Rubrikには、あらゆるシナリオに対応できる復旧オプションが備わっています。
今回はvSphere環境を例に、主要な機能をご紹介します。
Recover Files
OS内の特定のデータのみを復旧する際に使用します。4つの機能があります。
Overwrite
特徴:
選択したファイルやフォルダを対象サーバの元のパスに復元し、既存のデータを上書きします。
ユースケース:
特定のファイルを誤って削除してしまった場合などに有効です。
Recover to a separate folder
特徴:
選択したファイルやフォルダを別の指定されたパスに復元します。
ユースケース:
復元対象のファイルやフォルダについて復元前の状態も保持したい場合などに有効です。
Export to a different host
特徴:
選択したファイルやフォルダを別のサーバに復元します。
ユースケース:
一部のファイルなど別のサーバにデータ移行したい場合などに有効です。
Download
特徴:
選択したファイルやフォルダをブラウザ経由で手元のローカルPCやサーバにダウンロードが可能です。
バックアップを取得したRubrikのバックアップ基盤(以降Rubrikクラスターと記載)からダウンロードが必要なため、
ダウンロードしたい対象端末とRubrikクラスターが通信可能である必要があります。
ユースケース:
過去のコンフィグファイルと手元で比較したいなど、
ファイルの変更を実施した後に、変更前時点を取得して比較したいなどに有効です。
Recover Files機能まとめ

Download VM-level files
特徴:
バックアップ対象の仮想マシンから、仮想マシン全体を復元・転送することなく、
特定の仮想マシンレベルファイル(.vmdk、.vmx、.nvramなど)のみを選択して直接ダウンロードする機能です。
選択したスナップショットに含まれるファイル群から、必要な構成ファイルや仮想ディスクファイルを抽出し、
ブラウザ経由で手元のローカルPCやサーバにダウンロードが可能です。
元の仮想マシンの動作や構成には一切影響を与えないため、
稼働中の本番環境を保持したまま、必要なファイルだけを取り出すことができます。
ユースケース:
仮想マシン全体を復旧することなく、構成ファイル(.vmx)や仮想ディスクファイル(.vmdk)を個別に取得して
調査・解析を行いたい場合に有効です。また、インシデント発生時にはvmdkファイルをフォレンジックツールへ提供し、
迅速な原因調査を実施したい場合に有効です。

In-Place Recovery
特徴:
バックアップ対象の仮想マシンについて、現在の状態とバックアップ時点との差分を復元する機能です。
「現在の仮想マシンの状態」と「戻したい時点のスナップショット」を比較し、
その間に変更されたデータブロック(差分)だけを特定し、その差分ブロックだけをRubrikクラスターから
元のVMwareデータストアへ直接書き込み、上書き復元します。
仮想マシンのインスタンス自体は既存のものをそのまま使用して、データ(ディスク)だけを書き換えるため、
仮想マシン名、インベントリ上の位置、内部UUID、ネットワーク設定などの属性がすべてそのまま維持されます。
変更されたブロックだけを転送するため、大容量仮想マシンにおいて復元にかかる時間と
ネットワーク負荷を最小限に抑えられます。
ただし復旧中に対象の仮想マシンが一時的にパワーオフされるため注意が必要です
パワーオフ後、ロールバック用の一時vSphere スナップショットを作成、
完了後にパワーオンし、スナップショットを削除(保持選択も可)します。
後述のInstant RecoveryやLive Mountでは、Rubrikを一時的なデータストアとして仮想マシンを起動するため、
復元後にStorage vMotionなどにより本番データストアへの移行プロセスが必要となりますが。
一方、In-Place Recoveryでは最初から本番データストア上のファイルを書き換えるため、
上記のような移行プロセスが不要となります。
ユースケース:
大容量の仮想マシンにおいて、パッチ適用失敗やOS/アプリ不具合、不審なデータ変更が発生した際に、
識別情報や構成を変えずに特定の過去時点へ最速かつ最小限のネットワーク負荷で巻き戻したい場合に有効です。

Export
特徴:
バックアップデータから仮想マシンを作成し、元とは異なる新しい場所(ホストやデータストア)に
別の仮想マシンとして復元することが可能です。
復元先のホスト、データストアはどこを使用するのかを選択することができます。
Rubrikクラスターから復旧先として指定したESXiの本番データストアへ直接ファイルを転送して、
新しい仮想マシンをデプロイします。
元の仮想マシンを上書きしたり停止したりしないため、本番環境の稼働やデータに一切影響を与えずに
復旧・検証が行えます。
新しい名前でデプロイされ、vSphereでは電源オフ・ネットワーク切断の状態で作成されます。
後述のInstant RecoveryやLive MountではRubrikを一時データストアとして仮想マシンを起動するため復旧後に
Storage vMotion等による本番ストレージへのデータ移行プロセスが必要となりますが、
Exportでは最初から本番データストア上にファイルを配置するため、復元完了後の移行プロセスが不要となります。
ユースケース:
本番仮想マシンに影響を与えず、指定した別ホストやデータストア上に検証用仮想マシンを作成したい場合や、
他データストア・他サイトへのシステム移行・複製に有効です。

Instant Recovery
特徴:
バックアップ対象の仮想マシンに重大な障害が発生した際、スナップショットを用いて
即座に本番環境へ復旧・置き換えを行います。
選択したスナップショットのデータを元に、データ転送を待たずにRubrikクラスター自体を
一時的なデータストアとしてESXiにマウントし、仮想マシンを数分レベルで迅速に起動します。
復元元の仮想マシンは自動的に電源がオフにされ、名前が変更(リネーム)されて退避されるため、
本番環境の停止時間を最小限に抑えつつ安全に差し替えが行われます。
復元された仮想マシンには復元元の仮想マシンと同じ名前が割り当てられ、
電源がオンになり、元のネットワークに自動的に接続されて即座に業務サービスを再開できます。
Rubrikクラスターを一時データストアとして起動するため、復元完了後にStorage vMotionを用いて
本番データストアへライブマイグレーションする移行プロセスが必要となります。
ユースケース:
大規模なシステム障害やデータ破損が発生した本番仮想マシンにおいて、RTO(復旧時間目標)を極限まで短縮し、
数分レベルで緊急に業務サービスを再開・継続させたい場合に有効です。

Live Mount
特徴:
バックアップ対象の仮想マシンから、選択したバックアップ時点の仮想マシンを即座に複製・起動する機能です。
選択したスナップショットのデータを元に、データ転送を行わずにRubrikクラスター自体を
一時的なデータストアとしてESXiにマウントし、仮想マシンを迅速に起動します。
元の仮想マシンを上書きしたり停止したりしないため、
本番環境の稼働やデータに一切影響を与えずに安全に動作検証やパッチ適用テストが行えます。
復元された仮想マシンは、元の仮想マシンと管理上で重複しないよう一意の名前が自動的に割り当てられ、
初期状態では電源オンかオフを選択可能・ネットワークに非接続な状態でデプロイされます。
必要に応じて、復元後に Storage vMotion 等で本番データストアへデータを移行し永続化することも可能です。
ただしLive Mount は基本的に一時的な検証環境としての利用を想定しております。
ユースケース:
本番環境に影響を与えない分離されたネットワーク環境で、過去のバックアップデータから迅速に起動して
動作確認、パッチ適用テスト、データ監査、開発・テスト環境構築を行いたい場合に有効です。

Mount virtual disks
特徴:
バックアップ対象の仮想マシンから、仮想マシン全体を起動・復元することなく、特定の仮想ディスク(.vmdkなど)のみを選択して既存の復元先仮想マシンに直接マウントする機能です。
選択したスナップショットに含まれるディスクデータを元に、データ転送を行わずにRubrikクラスター自体を
一時的なデータストアとして使用し、指定したターゲット仮想マシンへ仮想ディスクを即座に接続します。
元の仮想マシンの動作には一切影響を与えず復元先仮想マシンの電源状態を変えることなく
追加ディスクとして安全にデータを参照・抽出できます。
ユースケース:
仮想マシン全体を立ち上げることなく、セカンダリドライブ(Dドライブ等のデータ領域)のみを別サーバーにアタッチして大容量データを直接取り出したい場合や、データベースの検証などに有効です。

復旧機能:Instant Recovery・Live Mount・Export・In-Place Recoveryの違いまとめ

USiZE バックアップ・ランサムウェア対応サービスのご紹介
最後にオンプレバックアップサービスのご紹介です。
USiZEでは本記事でご紹介したRubrikを活用したオンプレバックアップサービスをリリースしています。
本サービスはSCSKのデータセンター上でハウジングされている環境やお客様拠点内のオンプレミス環境上で
稼働しているシステムを対象としてバックアップや復旧が可能となるサービスです。
Rubrik社製バックアップ機器の仮想アプライアンス版をお客様にご提供します。
これによりお客様拠点やSCSKデータセンター内のシステムをバックアップ可能です。
バックアップデータはUSiZE環境に転送・保管がされます。

USiZEやオンプレバックアップサービスについてご興味をお持ちになりましたら、
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ランサムウェア対策にお困りの方はぜひ以下の記事についてもご参照ください。
Rubrikを活用したUSiZEのバックアップ、ランサムウェア対応サービスについてご紹介しております。
