AIはZabbixのトラブルにどこまで答えられる? ~よくある運用課題で検証してみた~

ChatGPTやMicrosoft Copilotをはじめとする生成AIの普及により、技術的な調査やトラブルシュートでもAIを活用する機会が増えてきました。
私自身も日々の業務の中で、障害の切り分けや原因調査の第一歩としてAIを利用することがあります。
では、Zabbixに関する運用トラブルについて質問した場合、AIはどこまで有効な回答を返してくれるのでしょうか。
今回は、運用現場でよく遭遇する課題をもとにした一般的な質問をAIへ投げ、その回答をサポート担当の視点で評価してみました。
なお、本記事で使用する質問は、特定のお客様の問い合わせ内容ではなく、運用現場でよく見られる相談内容をもとに一般化したものです。

検証テーマ 評価
検証① ログ監視で同じ通知が複数回送信される 95点
検証② SNMP監視で値が取得できない 60点
検証③ Zabbixサーバが急に重くなった 40点

検証① ログ監視で同じ通知が複数回送信される

Q.ログ監視で特定のイベントを検知した際、同じ内容の通知が複数回送信されます。
考えられる原因を教えてください。

AI回答(要約)

AIは以下のような原因を挙げました。

  • nodata() を利用したトリガー設定
  • 複数イベント生成設定
  • アクション設定による重複通知
  • フラッピング

サポート担当の評価

★★★★★(95点)

かなり良い回答だと思いました。
通知重複で確認すべき代表的な要因をほぼ網羅できています。
一次切り分けとしては、実運用でも十分参考になる内容でした。

現場ならここを見る

まずは「イベントが複数発生しているのか」「通知だけが複数送信されているのか」を切り分けるために、以下のようなポイントを確認します。

  • イベント発生数
  • 通知送信回数
  • トリガー設定
  • アクション設定
  • アイテムの取得間隔

一見同じ現象に見えても、原因はまったく異なる場合があります。

 

検証② SNMP監視で値が取得できない

Q.監視対象機器とのSNMP疎通は確認できています。
しかし、ZabbixではSNMP監視項目の値が取得できません。
考えられる原因を教えてください。

AI回答(要約)

AIは以下を候補として挙げました。

  • Bulk Request設定
  • OID指定ミス
  • Timeout
  • コミュニティ文字列の設定
  • SNMPバージョン不一致
  • Poller不足

サポート担当の評価 

★★★☆☆(60点)

方向性は悪くありませんが、少し一般論寄りの回答でした。
SNMP監視の問題では環境固有の設定ミスやテンプレート設定が原因となることも多く、実際の原因特定までは難しそうだと思いました。

現場ならここを見る

実際の調査では、

  • どのOIDが取得できないのか
  • すべてのアイテムか一部だけか
  • Server経由かProxy経由か
  • テンプレートの適用状況
  • ホストマクロの設定
  • 機器特有の実装差異

などを確認します。
SNMP監視のトラブルはネットワークではなく、設定や利用方法の不整合が原因となるケースがあるからです。

 

検証③ Zabbixサーバが急に重くなった

Q.監視対象の台数に大きな変化はありません。
しかし、最近になってZabbixサーバの応答が遅くなり、Web画面の表示にも時間がかかるようになりました。
考えられる原因を教えてください。

AI回答(要約)

AIは以下を候補として挙げました。

  • キャッシュ不足
  • データベース負荷
  • Housekeeper処理
  • 大量のログ流入
  • 重いトリガー設定
  • メモリ不足

サポート担当の評価 

★★☆☆☆(40点)

候補としては正しいものの、実際の調査には情報が不足しています。
性能問題は複数要因が絡むケースが多く、AIの回答だけで原因へたどり着くのは難しい印象です。

現場ならここを見る

実際の運用現場では、「サーバが重い」という結果だけでは原因は分かりません。
そのため、

  • ビジー率
  • キューの状況
  • データベース負荷
  • キャッシュ利用率
  • イベント発生量
  • ログ流入量
  • 直近の設定変更

などを確認しながら原因を絞り込んでいきます。
サーバ負荷の問題は複数の要因が関係していることも多く、切り分けが難しいテーマの一つかと思います。

 

AIはどこまで使えるのか?

今回の検証から、AIは原因候補の整理や確認ポイントの洗い出しには十分活用できることが分かりました。
一方で、実際の障害対応では環境固有の要因も多く、AIだけで原因を特定することは困難です。
AIを調査の入口として活用しつつ、必要に応じて専門的な知見と組み合わせることが重要だと感じました。

SCSKでは、「SCSK Plus サポート for Zabbix」を提供しています。
技術的なお問い合わせや障害調査、運用に関するご相談など、Zabbix運用を幅広くサポートしています。

AIは調査の心強い味方ですが、原因の切り分けや判断に迷う場面も少なくありません。
そんなときは、ぜひサポートも活用してみてください!

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