【NAS】のランサムウェア対策が破綻する?『事後対策』の限界 ※事前防御の新常識!

みなさん、こんにちは。SCSKの石井です。

インフラエンジニアやセキュリティ担当者の皆さん、日々の業務、お疲れ様でございます。
本日は、盲点であったNASのランサムウェア対策について、私の目線から考察し、皆さまにご説明及び対策についてご案内していきます。

日々のストレージ管理やセキュリティ運用の中で、「うちはNetAppやDELL TechnologiesのNASを入れているし、高機能なスナップショットやバックアップ、振る舞い検知の機能、また強固な独自OSも付いているからランサムウェア対策は万全だ!」と安心していませんか?

 ※ハッキリと言いましょう。その認識、めちゃくちゃ危険です。

現在の高度化したサイバー攻撃、特に「Dark AI」や「RaaS(Ransomware as a Service)」を駆使した最新のランサムウェアを前に、従来のNASが持つ防御機能だけでは「防ぎきれない盲点」が存在します。先日、世界を震撼させた生成AIによるサイバー脅威「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」の衝撃が記憶に新しいですが、サイバー悪用AIの進化スピードは私たちの想像を遥かに超えています。

今回は、一歩踏み込んだテクニカルな視点から、NAS単体でのランサムウェア対策に潜む致命的な弱点を暴き、それを完全に補完する「Deep Instinct DSX/NAS)」の圧倒的な優位性について、私自身の知見を交えて徹底解説します。

■ 1. 多くの人が勘違いしている「NASのランサムウェア対策」の不都合な真実

NetAppやDELL Technologiesといった大手ストレージベンダーのNASは非常に優秀です。大量の暗号化の動きなど、ストレージ内での「不正な振る舞い」をリアルタイムに検知し、自動で隔離エリアを活用したり、書き換え不能(WORM)なスナップショットを取得して、高速にデータを復旧・リストアする仕組みを持っています。

スナップショット機能の仕組み自体は芸術的です。通常運用時、スナップショットを取得してもポインター情報のみを高速に複製するため容量を消費しません。
ランサムウェアによってデータが暗号化されると、暗号化された新しいブロックが追加されますが、復旧時はポインターの張り替えだけで瞬時に元の状態へリカバリーできます。

しかし、ここに致命的な「盲点」があります。これらの対策は、すべて「ランサムウェアが活動を始めてデータを破壊し出した後」に機能する「事後対策」だということです。
NASの機能は「データブロックの変化や振る舞い」を見ていますが、「保存されようとしているファイル自体の安全性(マルウェアかどうか)」を事前に評価することはできません。

■ 2. サイバーキルチェーンで見る防衛ラインの崩壊

ここで、一般的なサイバー攻撃のプロセスである「サイバーキルチェーン(Cyber Kill Chain)」の7段階に当てはめて考えてみましょう。

【サイバーキルチェーンにおける攻撃と防御】
– 1. 偵察 (Reconnaissance) — 攻撃対象の情報収集
– 2. 武器化 (Weaponization) — 収集情報から攻撃ツールの作成(RaaSやDark AIの利用)
– 3. 配送 (Delivery) — 標的にメールやSNSを利用しツールを送信
– 4. 攻撃 (Exploitation) — 標的に攻撃を実施しマルウェアを実行
– 5. インストール (Installation) — マルウェアの感染と常駐化
– 6. 指令・制御 (C&C) — C&Cサーバからの指令にて内部探索、権限取得、ランサムの設置
– 7. 目的達成 (Actions) — 機密・個人情報の流出、ランサムウェアによる暗号化の実施


エンドポイント(PCやサーバー)で防御をすり抜けたマルウェアが、ステップ5〜6(インストールから内部探索・権限取得)のフェーズで、共有ストレージであるNASに「静かに」マルウェアファイルを潜伏・保存させたとしたらどうなるでしょうか。
NAS側は、ただファイルが書き込まれただけ(暗号化などの不正な振る舞いをしていない状態)では、それを検知できません。
結果として、「マルウェアファイルが混入した状態」でスナップショットやバックアップが取得されてしまうのです。

その後、ステップ7の「目的達成(一斉暗号化)」が発動したとします。NASの振る舞い検知が作動し、ポインターの掛け替えによって超高速でリカバリーを実施したとしましょう。一見、データは元通りになり、対策が成功したように見えます。
しかし、スナップショットから復旧されたデータの中には、「暗号化の引き金となったマルウェアファイルそのもの」も綺麗に復旧されて残っています。つまり、脅威の根本原因がストレージ内に居座り続けるため、復旧した直後に再びバックヤードから再感染・再暗号化のループに陥る恐怖のシナリオ(バックドアの永続化)が完成してしまうのです。

■ 3. 「DSX/NAS」と「NAS機能」の完璧なる補完関係

この絶望的なギャップを埋め、サイバーキルチェーンの「配送(Delivery)」や「インストール(Installation)」の段階で息の根を止めるのが、Deep Instinctの
ストレージ専用ソリューション「DSX/NAS」です。

DSX/NASの役割は、「不審なデータ(未知・既知のマルウェア)がNASに保存されるのを事前にブロックすること」に尽きます。


  • DSX/NASによる検知:NASへの不正ファイルの書き込み自体をリアルタイムに防止。スナップショットやバックアップへのマルウェア混入を未然に防ぐ。
  • NASによる対処とリカバー:万が一、別ルートから暗号化攻撃が発生した場合の高速リカバリー(NetApp・DELL Technologies等の機能を活用)。




これこそが、絶対的な安心を生み出す「予測防御」と「超高速復旧」の理想的なハイブリッド(補完関係)です。
DSX/NASがストレージの玄関口で不正ファイルを完全にシャットアウトしていれば、NASのスナップショットは常に「100%クリーンな正常ファイルのみ」を保持することになり、復旧時にマルウェアまで一緒に復元してしまうという最悪の二次災害を完全に防ぐことができます。

■ 4. なぜ「Deep Instinct」なのか? 既存アンチウイルスとの決定的な違い

「NASの前に一般的なアンチウイルス(AV)やEDRソフトを挟めばいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、これまでのシグネチャ型(パターンマッチング)や一般的な機械学習(ML)ベースのセキュリティ製品では、Claude Mythosのような最新のAIが悪用された未知のマルウェア、日々数百万件も生成される亜種には追いつきません。
一般的な機械学習は、人間が「特徴量」を定義して学習させるため、数万〜数十万件のデータ学習が限界であり、どうしても判定に数秒〜数分の時間がかかったり、すり抜け(見逃し)が発生します。そのため、結局は「実行されてしまった後(EDR)」の事後対処に頼らざるを得なくなります。しかし、数テラバイトのNASデータが一瞬で暗号化されるストレージの世界において、「実行されてからの対処」では手遅れなのです。

そこでゲームチェンジャーとなるのが、Deep Instinctが誇る「ディープラーニング(深層学習)」のテクノロジーです。
Deep Instinctは、人間の脳の神経回路を模したニューラルネットワークに、億単位の生データを直接読み込ませて自己学習させています。これにより、ファイルの構造そのものから「悪意」を瞬時に見抜く能力を手に入れました。

【Deep Instinctが誇る圧倒的スペック】
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– 未知のマルウェア検知率:99.1%以上
– 誤検知率:0.1%未満
– ファイル書き込み時(インライン)の判定速度:20ミリ秒(0.02秒)未満
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ファイルがNASに保存されるその一瞬、ほんの数ミリ秒の間に、それが未知のランサムウェアであろうとDark AIが生成した最新の亜種であろうと、「実行前(保存前)」に変異を予測して叩き潰します。この「予測防御(Predictive Prevention)」の概念こそが、これからのサイバーセキュリティの防衛戦略を激変させる鍵となります。

■ 5. まとめ:ストレージ防衛のファイナルアンサー

NetAppやDELLの強力なデータ保護(リカバリー)機能と、Deep Instinct(DSX/NAS)のディープラーニングによる予測防御(侵入阻止)が合わさることで、初めて死角のない「次世代のNASセキュリティ」が完成します。
データが企業の最も重要な資産となった現代において、ストレージを守ることは経営を守ることに直結します。「事後対策」のスナップショットだけに頼るリスクに気づいた今こそ、アーキテクチャのアップデートを検討すべきタイミングではないでしょうか。

この最高峰のディープラーニング骨子を持つDeep Instinctを、日本国内で最高レベルのインフラ知見とともに提供しているのがSCSKです。
マルチベンダーとしてストレージを知り尽くしたSCSKだからこそ、NetAppやDELL TechnologiesなどのNAS機能とDSX/NASを組み合わせた、お客様の環境に最適な「絶対に妥協しないストレージセキュリティ」を提案・構築します。

自社のNAS環境に少しでも不安を感じた方、具体的な連携ソリューションの詳細を知りたい方は、ぜひ以下のSCSK公式ホームページをチェックしてみてください。

▼詳細はこちら
SCSK Deep Instinct 製品ホームページ (https://www.scsk.jp/sp/deepinstinct/)

■ディープラーニングによる予防型エンドポイントセキュリティに興味をお持ちの方へ 

本記事でご紹介したディープラーニング(深層学習)による革新的な防御思想を、実際のプロダクトとして体現し、
多くのお客様の環境を守っているのが、SCSKが取り扱う「Deep Instinct(ディープインスティンクト)」です。
 
従来のセキュリティ運用(EDRなど)に限界を感じている方、未知のランサムウェア対策を強化したい方は、ぜひ以下の製品詳細ページをご覧ください。 

・製品詳細・お問い合わせ(SCSK)west-marketing-info@scsk.jp
   Deep Instinct | SCSK株式会社 (Deep Instinct(ディープインスティンクト) | SCSK株式会社)
 

著者について

主にサイバーセキュリティおよびミドルウェア領域を担当。
セキュリティ意識向上トレーニング(Security Awareness Training)や、
資産管理(アセット管理/パッチ管理)、ASM(Attack Surface Management)を中心に、
Dropboxなどのクラウドサービスやインフラ領域まで幅広く対応。

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