Cato PoPの切替制御について~Connection SLA機能の説明~

どうも、Catoクラウドを担当している佐々木です。

CatoユーザからPoP切替タイミングを制御したい、という問い合わせを多くいただきますので、
今回は PoPの切替に関する動作説明(仕様)と切替タイミングの変更 について紹介します。

※画⾯は2024年1⽉時点のものです。機能アップデート等で変わる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

PoP選択について

通常Catoクラウドへ接続を開始すると、自動的にユーザのロケーションに最も近い最寄りのPoPに接続されます。
また、優先して接続したいPoPを定義している場合、まず優先PoPとの接続を試みます。

詳細は、過去のブログ記事(「経路選択の仕組み」「Site(拠点)を指定のPoPに接続する」あたり)を参照ください。

 

PoPが切り替わるときはどんな時?

SocketとPoP間では、パケットロス、遅延などを常時監視しています。
常時監視する機能を「Connection SLA」と呼びます。

Connection SLAの監視項目の数値が閾値を下回ったりPoPとのトンネルが切断されると、Socketは通信復旧を自動で試みます。
この通信復旧手段の一つとして「PoPの切り替わり」も試みます。

つまり、PoPの切り替わり」が発生するのは、SiteとPoPとの通信が切断された時、もしくは通信が不安定な時ということです。

 

PoPが切り替わるとどうなるの?

PoP切り替えのタイミングで、瞬断~数秒程度の通信が発生する可能性があります。
PoPの切り替わり」は通信が不安定なタイミングで発生するため、切り替わることで通信状況が改善される可能性があります。

 

PoPの切り替わりタイミングを制御したい

「PoPの切り替わり」は、SiteとPoPとの通信が切断されたとき、または通信が不安定なタイミングで発生します。
通信が不安定なタイミングとは、前述の Connection SLA(監視機能)の閾値を下回っている状態を指します。

閾値によっては、PoPの切り替わりが頻繁に起こったり、逆に切り替わりに時間がかかることがあるため、閾値をチューニングしたい、というお客様もいらっしゃると思います。

監視項目(Connection SLA)の閾値を変更することで、PoP切り替えタイミングについて制御する方法をご説明します。

 

閾値のチューニング方法~Connection SLA~

Connection SLA」は以下から設定可能です。

Network」>「Connection SLA」を選択し、「SLA Thresholds」をクリックします。
デフォルトの状態だと以下の通り、「Cato Smart SLA」が選択されています。

デフォルト(Cato Smart SLA)の閾値は以下の通りです。

  • パケットロス:10%
  • 遅延(レイテンシー):300 ms
  • 評価期間:10分間

※パケットロスと遅延はor条件です。

つまり、パケットロスが10%、もしくは遅延が300ms以上の状態が10分間発生すると切り替わりが発生します。

 

任意の設定をする場合は、「Use custom SLA thresholds for Packet Loss and Latency」を選択いただき、表示される項目に任意の値を設定ください。

 

注意点

回線冗長構成の場合

シングル構成の場合は、PoPとのトンネルがダウンしたり、パケットロスが100%になったり、「Connection SLA」の閾値を下回ればすぐにPoPが切り替わりますが、回線冗長構成の場合、すべてのアクティブリンクが上記状態にならないとPoPの切り替わりが発生しません。

※ 回線冗長構成:1台のSocketに複数のインターネット回線が接続されている構成

 

例えば、Activeポートのインターネット回線のみで障害が発生している場合、PoPは切り替わらずPassiveポートを利用します。

※ ActiveポートとPassiveポートはそれぞれ独立してPoPとトンネルを常時接続していますが、Active/Passiveで必ず同じPoPを利用します。

 

閾値を厳しくすると逆に不安定になるかも

閾値を厳しくし過ぎると、頻繁にポートのステータスや接続PoPが変わり、逆に通信が不安定になってしまう可能性があります。

例えばフレッツ回線のようなベストエフォート回線をご利用の場合、数%のパケットロスが発生することは珍しくありません。
ご利用のインターネット回線の種類に応じて、適切な閾値を検討ください。

 

全Siteを対象とした設定と、Siteごとの設定が可能

上記の設定方法は、全Siteを対象とした設定になります。
特定のSiteのみ設定したい場合は、以下の方法で可能です。

Network」>「Sitesから設定したいサイト」を選択します。
Site Configuration」>「Connection SLA」>「SLA thresholds」で「Override Account Settings」をチェックし、

任意の閾値を設定ください。

 

まとめ

今回のポイントは以下になります。

・「PoPの切り替わり」が発生する時は、「SiteとPoPとの通信が切断された時」と「通信が不安定な時」
・通信の不安定さは監視項目(Connection SLA)の閾値を下回るかどうかで判断
・監視項目(Connection SLA)の閾値は手動で変更可能

本機能含め、弊社の「Catoに関するFAQサイト」にはCatoに関する多数の情報ございますのでご参考にください。

最後に、SCSKではPoCから導入、運用まで幅広くCatoに関する支援を行っております。
本番構成への移行を見据えたPoC構成や、PoCでつまづきやすい点のサポートなど、豊富な導入実績を基にご支援いたします。

ぜひお声がけください!

タイトルとURLをコピーしました