みなさん、こんにちは。 SCSKの石井です。
今回は前置きが長すぎて、そのネタ中心の投稿だけで終わってしまいそうだったのですが・・・冷静さをもどしつつ、筆を走らせます。
Deep Instinct記事「4 Tips to Follow to Stay Safe from Anonymous #OpIsrael Attack」を、2026年の日本企業の現実に引き寄せて読み直してみます。
当時の記事は特定イベントに備える注意喚起でしたが、いま読むと本質はもっと普遍的です。狙われるのは、メール、SNS、Webサイト、そして認証情報。攻撃手法そのものは派手でなくても、外向き資産が荒らされるだけで、信用低下や初動負荷は一気に大きくなります。2026年の日本企業に必要なのは、特定の攻撃名を覚えることより、こうした“匿名型攻撃”に共通する入口と初動を整理しておくことだと思います。
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なぜ今この話なのか
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、ランサム攻撃、サプライチェーン攻撃、AI利用リスク、脆弱性悪用が引き続き主要テーマです。こうした脅威は一見、OpIsraelのようなハクティビズム文脈とは別物に見えますが、実際には外部公開資産、委託先、認証基盤、情報発信チャネルが狙われるという点で地続きです。攻撃者の動機が金銭、妨害、主張のどれであっても、企業にとっては「外から見える面」が弱いと影響が出やすい、という構図は変わりません。
WEF 2026でも、AIを最大の変化要因と見る回答が94%、AI関連脆弱性を急拡大リスクと見る回答が87%でした。加えて、ハクティビズム、サイバー犯罪、影響工作の境界が曖昧になりつつあることも示されています。つまり2026年は、「誰がやったか」よりも「どの接点から、どこまで拡散するか」で備える時代になっています。
2026年版として見直したい4つの要点
1. メール起点だけでなく、SNSやチャットも入口として扱うこと。
元記事の1つ目はメール安全性でした。これは今も有効ですが、2026年はDM、チャット、問い合わせフォーム経由まで含めて見る必要があります。Unit 42では、初期侵入の主要因としてフィッシング22%、脆弱性悪用22%が示されており、入口が自然に見えるほど初動は遅れがちです。
2. 公式SNSとWebサイトを、広報資産ではなくセキュリティ資産として扱うこと。
元記事の2つ目はソーシャルエンジニアリングでした。日本企業では、ここを「SNS運用の話」と切り分けすぎると危険です。公式アカウントの不正投稿やWeb改ざんは、情報漏えいがなくても信用を傷つけます。JPCERT/CCも、改ざん時には不正ファイル、トップページの変更、ログの不審点を確認し、アカウント保全とパスワード変更を行うよう注意喚起しています。
3. 資格情報流出を前提に、MFAと権限棚卸しを定例化すること。
元記事の3つ目は流出確認とパスワード変更、2要素認証でした。この考え方は2026年でもそのまま重要です。CrowdStrike 2026では検知の82%がmalware-free、Unit 42でも調査のほぼ90%でIDの弱点が関与しています。今は「感染したかどうか」だけでなく、「その認証情報で何ができるか」を先に潰す方が実務的です。
4. 異常時の連絡先を短くし、報告の心理的ハードルを下げること。
元記事の4つ目は「周囲に知らせる」でした。地味ですが、これは非常に重要です。とくに外部公開サイトやSNSで異常が起きた場合、情シス、CSIRT、広報、委託先のどこまでを同時に動かすかで、被害の見え方は変わります。JPCERT/CCも、不審な活動が確認された場合は保全のうえ、関係機関へ相談する流れを示しています。
図解:匿名型攻撃は“改ざん”単体ではなく、信用低下まで含めて設計する

まとめ
4つの助言はシンプルですが、対象がメールだけではなく、SNS、Webサイト、ID、委託先運用まで広がっていることです。
今の防御では、マルウェア感染の有無だけでなく、外向き資産がどれだけ素早く荒らされるか、そしてどれだけ早く戻せるかが問われます。
Deep Instinctの公式サイトでは、purpose-built deep learning frameworkを基盤に、raw dataから学習し、cloud、NAS、applications、endpointsにまたがってknown / unknown threatsを実行前に防ぐ考え方が示されています。外向き資産の防御も含め、後段対応だけに寄らず、前段で成立しにくくする設計を重ねる価値は大きいと思います。
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